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第28回 お客様お悩み相談

経営・管理の事業計画書に専門家の確認が必要?誰が何を確認するのか

 

よくあるご相談

「会社設立と事業計画は自分で作りましたが、経営・管理の新制度では専門家の確認印が必要だと聞きました。行政書士が確認すればよいのでしょうか?」というご相談です。

 

先に結論

2025年改正後、在留資格認定証明書交付申請や経営・管理への変更など、在留資格を決定する場面では、事業計画について経営に関する専門的知識を有する者の確認を受ける仕組みが導入されています。施行時の公式案内では、中小企業診断士、公認会計士、税理士が確認者として示されています。行政書士が申請書類を作成・取次することと、この制度上の「事業計画の専門家確認」は別の役割です。

 

1.制度上の整理

在留資格「経営・管理」は2025年10月16日に上陸基準省令等が改正され、事業規模、常勤職員、日本語能力、経歴・学歴、事業計画等について新しい基準が施行されています。2026年現在は経過措置も併存しているため、新規申請と既存の在留者の更新を同じ基準で単純に考えないことが重要です。

新制度では、事業計画の合理性・実現可能性等を第三者の専門家が確認することが求められています。入管申請を代理・取次する専門家と、事業計画の評価者が必ず同一になる制度ではありません。

公式Q&Aでは、中小企業診断士、公認会計士、税理士が確認者として案内されています。また、確認者が申請会社の役員・従業員であるなど独立性を欠く場合は適切ではないため、利害関係を確認します。

専門家の確認があるから事業計画が自動的に許可されるわけではありません。申請人自身が事業内容、顧客、価格、仕入、売上根拠、人員、資金繰りを理解し、実際に経営する計画であることが必要です。

 

2.このケースで確認したいポイント

• 申請が新規の在留資格決定か既存更新か

• 専門家確認の対象となる事業計画の範囲

• 確認者の資格と申請会社との利害関係

• 売上予測・市場・仕入・人件費の数字に根拠があるか

• 申請人本人が事業計画を説明できるか

ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。

 

3.準備しておきたい資料

• 事業計画書・収支計画・資金繰り表

• 市場調査・見積・契約予定等の根拠資料

• 専門家確認に必要な会社・事業資料

• 確認者の資格・独立性を確認できる資料(所定の方法に従う)

上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。

 

4.行政書士として考える実務上の進め方

・申請前に事業モデルと収支根拠を固める

・専門家確認用の資料を早めに準備する

・確認者と申請書作成者の役割を分けて管理する

・専門家の指摘があれば数字・事業計画を実態に合わせて修正する

申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。

 

5.よくある誤解

「専門家が確認した事業計画なら入管は必ず許可する」「行政書士が申請をするので別の専門家確認は不要」という理解は正確ではありません。それぞれの制度上の役割を区別します。

入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。

 

よくある質問

Q1 顧問税理士に確認してもらえますか?

A 資格だけでなく、申請会社との関係が制度上問題ないかを確認する必要があります。公式Q&Aの独立性に関する取扱いを確認してください。

Q2 更新申請でも毎回事業計画の専門家確認が必要ですか?

A 申請類型によって提出書類が異なります。新規の在留資格決定と更新を同じように扱わず、現在の公式提出書類一覧を確認します。

Q3 専門家が売上予測を作ってくれますか?

A 事業の主体は申請人です。確認者に丸投げするのではなく、本人が根拠ある計画を作り、専門家による検証を受ける形が基本です。

 

行政書士へ相談した方がよいケース

• 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない

• 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい

• 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている

• 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある

• 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい

行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。

 

まとめ

2025年改正後、在留資格認定証明書交付申請や経営・管理への変更など、在留資格を決定する場面では、事業計画について経営に関する専門的知識を有する者の確認を受ける仕組みが導入されています。施行時の公式案内では、中小企業診断士、公認会計士、税理士が確認者として示されています。行政書士が申請書類を作成・取次することと、この制度上の「事業計画の専門家確認」は別の役割です。

在留資格の手続は、制度を知るだけでなく、自分の事実関係を正確に当てはめる作業が必要です。少しでも判断に迷う事情がある場合は、期限直前ではなく、資料を集められる段階で相談することをおすすめします。

 

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主な公的情報源

・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html

・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html

※本記事は2026年10月8日時点で確認できる法令・出入国在留管理庁の公表情報を基に作成しています。制度改正、告示改正、運用変更等が行われることがありますので、実際の申請時には最新の公式情報をご確認ください。

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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