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第24回 お客様お悩み相談

経営・管理の「常勤職員1人以上」は誰を雇えばよいですか?

 

よくあるご相談

「経営・管理の新基準で常勤職員1人が必要と聞きました。技人国の外国人社員を1人雇えば要件を満たしますか?」というご相談です。

 

先に結論

2025年10月16日以降の新基準では、事業所で1人以上の常勤職員を雇用することが必要です。ただし、この基準上の常勤職員として数えられるのは、日本人、特別永住者、または入管法別表第二の在留資格を持つ外国人、すなわち永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者に限られます。技人国など別表第一の就労資格の外国人は、この「常勤職員1人」の基準上は対象になりません。

 

1.制度上の整理

在留資格「経営・管理」は2025年10月16日に上陸基準省令等が改正され、事業規模、常勤職員、日本語能力、経歴・学歴、事業計画等について新しい基準が施行されています。2026年現在は経過措置も併存しているため、新規申請と既存の在留者の更新を同じ基準で単純に考えないことが重要です。

新基準は、申請者が営む会社等において1人以上の常勤職員を雇用することを求めています。常勤職員の対象範囲は公式ページで限定的に示されています。

技術・人文知識・国際業務、特定技能など入管法別表第一の在留資格を持つ外国人を多く雇用していても、その人だけで経営・管理の事業規模基準上の常勤職員要件を満たすことにはなりません。

一方、日本語能力のB2相当要件については、経営者本人または一定の常勤従業員が満たす仕組みであり、常勤職員要件とは対象者の考え方が異なる場面があります。二つの要件を混同しないことが重要です。

 

2.このケースで確認したいポイント

• 雇用予定者の国籍・在留資格

• 正社員という名称ではなく常勤性の実態

• 社会保険・労働保険への適正加入

• 給与が労働法令に適合し実際に支払えるか

• 申請直前だけの名目的雇用になっていないか

ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。

 

3.準備しておきたい資料

• 常勤職員の住民票・在留カード等

• 雇用契約書・労働条件通知書

• 給与台帳・賃金支払資料(更新等)

• 社会保険・労働保険加入資料

• 組織図・出勤体制が分かる資料

上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。

 

4.行政書士として考える実務上の進め方

・採用前にその人が基準上の対象者か確認する

・常勤勤務の条件と事業上の役割を設計する

・労働・社会保険法令に沿って雇用手続を行う

・経営・管理申請時に雇用実態を客観資料で立証する

申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。

 

5.よくある誤解

「外国人を1人フルタイムで雇えば在留資格を問わず常勤職員要件を満たす」という理解は誤りです。経営・管理の新基準では対象となる身分が限定されています。

入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。

 

よくある質問

Q1 永住者の外国人なら対象ですか?

A はい。公式案内では入管法別表第二の「永住者」は対象に含まれます。

Q2 日本人のアルバイトを週5日雇えば対象ですか?

A 「常勤職員」としての雇用実態を確認する必要があります。勤務時間、契約、社会保険等を含め、単に週5日という数字だけで判断しません。

Q3 技人国社員はまったく意味がないのですか?

A 事業運営上の従業員としてはもちろん重要ですが、経営・管理の新基準における「常勤職員1人」の対象には別表第一の在留資格者は含まれません。

 

行政書士へ相談した方がよいケース

• 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない

• 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい

• 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている

• 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある

• 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい

行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。

 

まとめ

2025年10月16日以降の新基準では、事業所で1人以上の常勤職員を雇用することが必要です。ただし、この基準上の常勤職員として数えられるのは、日本人、特別永住者、または入管法別表第二の在留資格を持つ外国人、すなわち永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者に限られます。技人国など別表第一の就労資格の外国人は、この「常勤職員1人」の基準上は対象になりません。

在留資格の手続は、制度を知るだけでなく、自分の事実関係を正確に当てはめる作業が必要です。少しでも判断に迷う事情がある場合は、期限直前ではなく、資料を集められる段階で相談することをおすすめします。

 

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主な公的情報源

・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html

・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html

※本記事は2026年9月20日時点で確認できる法令・出入国在留管理庁の公表情報を基に作成しています。制度改正、告示改正、運用変更等が行われることがありますので、実際の申請時には最新の公式情報をご確認ください。

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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