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第21回 お客様お悩み相談
自宅を事務所にして経営・管理ビザを申請できますか?2025年改正後の事業所要件
よくあるご相談
「会社を設立する予定ですが、固定費を抑えるため自宅マンションの一室を会社事務所にしたいです。経営・管理ビザでも使えますか?」というご相談です。
先に結論
2025年10月16日の経営・管理の基準改正後、出入国在留管理庁のガイドラインでは、事業所についてより明確な実体が求められ、自宅を事業所として兼用する形態は原則として認めない取扱いが示されています。これから新規申請する場合は、会社設立より先に事業所要件を確認し、事業用として独立・継続的に使用できる物件を確保するのが基本です。
1.制度上の整理
在留資格「経営・管理」は2025年10月16日に上陸基準省令等が改正され、事業規模、常勤職員、日本語能力、経歴・学歴、事業計画等について新しい基準が施行されています。2026年現在は経過措置も併存しているため、新規申請と既存の在留者の更新を同じ基準で単純に考えないことが重要です。
経営・管理では、日本国内に事業所が存在することが重要な要件です。2025年改正後は資本金等や常勤職員だけでなく、事業を継続して行う物的基盤として事業所の実態を確認する考え方が一層重要になっています。
公式の改正ガイドラインでは、住居と事業所の兼用について原則として認めない方向が示されています。従来の古い実務例だけを前提に「生活スペースと区画すれば大丈夫」と判断しないことが必要です。
バーチャルオフィス、短期レンタル、使用目的が居住専用の契約、法人の事業活動を禁止する管理規約などは、事業所の継続性・独立性との関係で慎重に確認します。許認可が必要な事業では、その許認可上の施設基準も別に満たす必要があります。
2.このケースで確認したいポイント
• 賃貸借契約の使用目的が事業用になっているか
• 法人名義または事業使用が契約上明確か
• 独立した事業所として人・設備・書類を置けるか
• 郵便受取だけのバーチャルオフィスではないか
• 飲食・古物・旅行業等の許認可基準も満たすか
ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。
3.準備しておきたい資料
• 事業用賃貸借契約書
• 物件の平面図・写真
• 使用承諾書、管理規約等(必要な場合)
• 会社登記事項証明書
• 事業に必要な設備・備品が分かる資料
上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。
4.行政書士として考える実務上の進め方
・会社設立・賃貸契約前に事業所要件と許認可を確認する
・候補物件の契約目的・用途地域・管理規約を確認する
・実際の事業内容に必要な設備・スペースを設計する
・申請時は契約だけでなく事業所の実体を写真等で説明する
申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。
5.よくある誤解
「以前、自宅兼事務所で許可された人がいるから2026年も同じ」「法人登記できる住所なら入管の事業所要件も満たす」という考え方は危険です。会社登記が可能かと経営・管理の在留資格基準は別に確認します。
入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。
よくある質問
Q1 現在すでに自宅兼事務所で経営・管理を持っています。次回更新は直ちに不許可ですか?
A 既存在留者には経過措置や総合判断があります。新基準を満たしていない一点だけで一律に結論を出さず、現在の事業状況と次回までの改善計画を確認します。
Q2 シェアオフィスなら大丈夫ですか?
A 名称ではなく、専用性・継続性・事業実態、契約内容、許認可との関係を確認します。共有型でも個別の利用形態で判断が変わります。
Q3 自宅と事務所を同じ建物の別室で契約する場合は?
A 物件の構造、契約、使用実態などを具体的に確認する必要があります。改正後の公式取扱いを踏まえ、契約前に個別相談することをおすすめします。
行政書士へ相談した方がよいケース
• 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない
• 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい
• 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている
• 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある
• 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい
行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。
まとめ
2025年10月16日の経営・管理の基準改正後、出入国在留管理庁のガイドラインでは、事業所についてより明確な実体が求められ、自宅を事業所として兼用する形態は原則として認めない取扱いが示されています。これから新規申請する場合は、会社設立より先に事業所要件を確認し、事業用として独立・継続的に使用できる物件を確保するのが基本です。
在留資格の手続は、制度を知るだけでなく、自分の事実関係を正確に当てはめる作業が必要です。少しでも判断に迷う事情がある場合は、期限直前ではなく、資料を集められる段階で相談することをおすすめします。
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• 経営管理ビザとは?
• 2025年改正後の重要ポイント
• 会社設立前に確認する経営・管理の要件
主な公的情報源
・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html
・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html
※本記事は2026年9月13日時点で確認できる法令・出入国在留管理庁の公表情報を基に作成しています。制度改正、告示改正、運用変更等が行われることがありますので、実際の申請時には最新の公式情報をご確認ください。
【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
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