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第26回 お客様お悩み相談

経営・管理の日本語B2要件。経営者本人がN2を持っていないと不許可ですか?

 

よくあるご相談

「経営者本人は日本語N3程度です。2025年改正でN2が必須になったと聞きました。本人がN2を持っていないと経営・管理は申請できませんか?」というご相談です。

 

先に結論

「経営者本人が必ずJLPT N2を持っていなければならない」という制度ではありません。改正後は、経営者または常勤従業員のうち、日本語について高度に自立して理解・使用できる水準、CEFR B2相当以上の者がいることが求められます。公式Q&Aでは、JLPT N2以上、BJT 400点以上、日本の大学等の卒業など、B2相当として取り扱う例が示されています。誰がどの根拠で満たすかを申請前に決めます。

 

1.制度上の整理

在留資格「経営・管理」は2025年10月16日に上陸基準省令等が改正され、事業規模、常勤職員、日本語能力、経歴・学歴、事業計画等について新しい基準が施行されています。2026年現在は経過措置も併存しているため、新規申請と既存の在留者の更新を同じ基準で単純に考えないことが重要です。

経営・管理の日本語能力基準は、申請人本人だけに限定されず、一定の常勤従業員が満たす方法があります。事業運営に必要な日本語コミュニケーションを確保する趣旨として整理します。

公式Q&Aでは、JLPT N2以上、BJTビジネス日本語能力テスト400点以上のほか、中長期在留者として20年以上日本に在留していること、日本の大学等を卒業していること、日本の義務教育と高等学校を修了していること等が例示されています。

一方、常勤職員1人以上という事業規模要件と、日本語B2を満たす常勤従業員の考え方は同一ではありません。技人国等の外国人従業員が日本語能力の側で利用できる場合があるため、要件ごとに対象範囲を確認します。

 

2.このケースで確認したいポイント

• 経営者本人がどの日本語証明を持つか

• 従業員で満たす場合、その人が常勤で日本に居住する予定か

• JLPT・BJT以外のB2相当取扱いに該当するか

• 常勤職員1人要件と日本語要件の対象者を混同していないか

• 申請後も日本語対応者が事業に継続して在籍するか

ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。

 

3.準備しておきたい資料

• JLPT成績証明書、BJT成績証明書

• 日本の大学等の卒業証明書

• 長期在留歴や日本の学校修了を示す資料(該当する場合)

• 従業員で満たす場合の雇用契約・在留カード等

上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。

 

4.行政書士として考える実務上の進め方

・本人・従業員の日本語能力を一覧化する

・公式Q&AのB2相当例のどれで立証するか決める

・常勤職員要件とは別表でチェックする

・申請書・説明書に日本語対応体制を明確に記載する

申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。

 

5.よくある誤解

「N2という試験名だけが絶対要件」「日本語が話せる日本人アルバイトがいればよい」といった単純化はできません。公式が示すB2相当の取扱いと、常勤性・事業運営体制を確認します。

入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。

 

よくある質問

Q1 経営者本人がN1なら従業員の日本語能力は不要ですか?

A 日本語能力要件の面では本人が基準を満たす方法がありますが、別途、対象となる常勤職員1人以上の雇用基準があります。二つを別々に満たす必要があります。

Q2 BJTは何点必要ですか?

A 公式Q&AではBJTビジネス日本語能力テスト400点以上がB2相当の例として示されています。

Q3 技人国の外国人社員がN2なら日本語要件を満たせますか?

A 日本語能力要件側では常勤従業員として利用できる可能性がありますが、事業規模の「常勤職員1人」要件では別表第一の技人国は対象外です。要件を分けて確認します。

 

行政書士へ相談した方がよいケース

• 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない

• 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい

• 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている

• 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある

• 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい

行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。

 

まとめ

「経営者本人が必ずJLPT N2を持っていなければならない」という制度ではありません。改正後は、経営者または常勤従業員のうち、日本語について高度に自立して理解・使用できる水準、CEFR B2相当以上の者がいることが求められます。公式Q&Aでは、JLPT N2以上、BJT 400点以上、日本の大学等の卒業など、B2相当として取り扱う例が示されています。誰がどの根拠で満たすかを申請前に決めます。

在留資格の手続は、制度を知るだけでなく、自分の事実関係を正確に当てはめる作業が必要です。少しでも判断に迷う事情がある場合は、期限直前ではなく、資料を集められる段階で相談することをおすすめします。

 

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主な公的情報源

・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html

・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html

※本記事は2026年10月7日時点で確認できる法令・出入国在留管理庁の公表情報を基に作成しています。制度改正、告示改正、運用変更等が行われることがありますので、実際の申請時には最新の公式情報をご確認ください。

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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