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第22回 お客様お悩み相談

共同経営者2人とも経営・管理ビザを取りたい。役割分担と事業規模はどう見られますか?

 

よくあるご相談

「外国人2人で日本法人を設立し、2人とも代表取締役として経営・管理ビザを取得したいです。資本金を用意すれば2人とも申請できますか?」というご相談です。

 

先に結論

複数の外国人が同じ会社で経営・管理の在留資格を得ること自体が一律に禁止されているわけではありませんが、各申請人が実質的に経営または管理に従事する必要があります。会社規模、組織、事業内容から見て2人の経営者・管理者を置く合理性があるか、権限・担当分野・意思決定・報酬を明確に分けて説明します。単に株主・役員名簿に2人の名前があるだけでは不十分です。

 

1.制度上の整理

在留資格「経営・管理」は2025年10月16日に上陸基準省令等が改正され、事業規模、常勤職員、日本語能力、経歴・学歴、事業計画等について新しい基準が施行されています。2026年現在は経過措置も併存しているため、新規申請と既存の在留者の更新を同じ基準で単純に考えないことが重要です。

在留資格「経営・管理」は、事業の経営を行い、または事業の管理に従事する活動を対象とします。名義上役員であっても、実際の経営判断や管理業務を行わなければ在留資格該当性の説明ができません。

2025年改正後は、事業規模として3,000万円以上の資本金等、1人以上の対象常勤職員など新しい基準が加わっています。複数の申請人がいるからといって、各社の資本金を合算したり、肩書だけ増やしたりして基準を満たす考え方はできません。

小規模な会社で同じ権限・同じ仕事を2人が行う計画の場合、「なぜ2人の経営者が必要なのか」が分かりにくくなります。営業・財務・技術・海外事業など、事業実態に即した担当と決裁権を示します。

 

2.このケースで確認したいポイント

• 各経営者の出資・役職・代表権

• 誰がどの事業部門を担当し、何を決裁するか

• 従業員数・売上計画から2人の経営者を置く合理性

• 各申請人の学歴・経営経験等が新基準に適合するか

• 各申請人の報酬額と会社の支払能力

ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。

 

3.準備しておきたい資料

• 株主名簿、定款、登記事項証明書

• 職務権限規程・組織図・役割分担表

• 各申請人の経歴証明

• 事業計画・売上計画・採用計画

• 役員報酬を決定した議事録等

上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。

 

4.行政書士として考える実務上の進め方

・会社設立前に2人の役割を文章化する

・新基準を会社側・申請人側に分けて確認する

・事業規模と組織が複数経営者を必要とすることを説明する

・申請書・事業計画・会社登記の役職表記を一致させる

申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。

 

5.よくある誤解

「資本金3,000万円を2人で出せば2人分のビザが出る」「共同代表に登記すれば活動実態は問われない」という制度ではありません。1人ずつ経営・管理活動の実態と申請人要件を立証します。

入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。

 

よくある質問

Q1 2人とも代表取締役でないと経営・管理は取れませんか?

A 代表取締役であること自体が唯一の要件ではありません。取締役・管理者等でも、実際の活動が経営・管理に該当するかを確認します。

Q2 夫婦で同じ会社を共同経営できますか?

A 可能性はありますが、夫婦関係とは別に各人の経営・管理活動、役割、報酬、会社規模を説明する必要があります。

Q3 片方は経営・管理、もう片方は技人国にできますか?

A 実際の職務がそれぞれの在留資格に該当し、要件を満たすなら検討できます。名目だけ分けず、職務実態に合わせて設計します。

 

行政書士へ相談した方がよいケース

• 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない

• 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい

• 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている

• 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある

• 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい

行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。

 

まとめ

複数の外国人が同じ会社で経営・管理の在留資格を得ること自体が一律に禁止されているわけではありませんが、各申請人が実質的に経営または管理に従事する必要があります。会社規模、組織、事業内容から見て2人の経営者・管理者を置く合理性があるか、権限・担当分野・意思決定・報酬を明確に分けて説明します。単に株主・役員名簿に2人の名前があるだけでは不十分です。

在留資格の手続は、制度を知るだけでなく、自分の事実関係を正確に当てはめる作業が必要です。少しでも判断に迷う事情がある場合は、期限直前ではなく、資料を集められる段階で相談することをおすすめします。

 

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主な公的情報源

・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html

・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html

※本記事は2026年9月14日時点で確認できる法令・出入国在留管理庁の公表情報を基に作成しています。制度改正、告示改正、運用変更等が行われることがありますので、実際の申請時には最新の公式情報をご確認ください。

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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