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第23回 お客様お悩み相談

すでに経営・管理で在留中ですが、新基準をまだ満たせません。2028年10月16日までの更新は?

 

よくあるご相談

「改正前から経営・管理で会社を経営していますが、資本金3,000万円や新しい常勤職員要件をまだ満たせません。次回更新で直ちに不許可になりますか?」というご相談です。

 

先に結論

出入国在留管理庁は、改正前から経営・管理で在留している方について、施行日から3年以内、つまり2028年10月16日までの更新では、新基準を満たしていないことだけで一律に不許可になるものではないと公式Q&Aで明確にしています。経営状況や新基準を満たす見込み等を踏まえて判断されます。ただし「3年間は何もしなくてよい」という猶予ではありません。改善計画を具体化してください。

 

1.制度上の整理

在留資格「経営・管理」は2025年10月16日に上陸基準省令等が改正され、事業規模、常勤職員、日本語能力、経歴・学歴、事業計画等について新しい基準が施行されています。2026年現在は経過措置も併存しているため、新規申請と既存の在留者の更新を同じ基準で単純に考えないことが重要です。

経営・管理の新基準は2025年10月16日に施行されました。既存在留者には施行後3年間の経過的取扱いがあり、更新時に新基準未達だけを理由として自動的に不許可になるわけではありません。

公式Q&Aは、施行から3年経過後の更新で新基準に適合しない場合でも、経営状況が良好で、法人税等を適切に納付し、次回更新までに新基準を満たす見込みがある場合には、その他の在留状況を総合的に考慮するとしています。

したがって、更新のたびに、現在の資本金、職員、日本語能力、経歴、事業所、納税、社会保険等を点検し、未達項目をいつどう整えるかを説明できるようにします。

 

2.このケースで確認したいポイント

• 前回の経営・管理許可日と改正前からの在留実績

• 新基準のどの項目が未達か

• 事業の売上・利益・債務・資金繰り

• 法人税・消費税・源泉税・社会保険等の履行

• 増資・採用・日本語人材配置等の具体的スケジュール

ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。

 

3.準備しておきたい資料

• 直近決算書・試算表・納税証明

• 増資計画・資金調達資料

• 採用計画・雇用契約等

• 新基準対応の事業計画・説明書

• 事業所・許認可・社会保険資料

上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。

 

4.行政書士として考える実務上の進め方

・新基準チェックリストで現在地を把握する

・次回更新までに達成できる項目と時間が必要な項目を分ける

・決算・納税・社会保険を遅れなく整える

・更新理由書で「未達の事実」と「達成見込み」を具体的に示す

申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。

 

5.よくある誤解

「2028年10月16日までは旧基準だけで必ず更新できる」という制度ではありません。経過期間中も事業実態や在留状況は審査され、新基準への対応見込みが重要です。

入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。

 

よくある質問

Q1 資本金が500万円のままでも2028年までは必ず更新されますか?

A 必ずではありません。新基準未達だけで一律不許可ではないという公式説明であり、経営状況、納税、今後の見込み等が総合判断されます。

Q2 2028年10月16日を過ぎたら3,000万円未満は必ず不許可ですか?

A 公式Q&Aは、3年経過後も一定の場合に総合考慮を行う旨を示しています。もっとも、新基準適合が原則であることに変わりはなく、例外を前提に計画すべきではありません。

Q3 更新前に増資を急げばよいですか?

A 増資資金の形成過程や事業計画との整合性も重要です。形式的な直前増資だけでなく、会社の事業基盤として合理的に説明できるようにします。

 

行政書士へ相談した方がよいケース

• 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない

• 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい

• 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている

• 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある

• 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい

行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。

 

まとめ

出入国在留管理庁は、改正前から経営・管理で在留している方について、施行日から3年以内、つまり2028年10月16日までの更新では、新基準を満たしていないことだけで一律に不許可になるものではないと公式Q&Aで明確にしています。経営状況や新基準を満たす見込み等を踏まえて判断されます。ただし「3年間は何もしなくてよい」という猶予ではありません。改善計画を具体化することが大切です。

在留資格の手続は、制度を知るだけでなく、自分の事実関係を正確に当てはめる作業が必要です。少しでも判断に迷う事情がある場合は、期限直前ではなく、資料を集められる段階で相談することをおすすめします。

 

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主な公的情報源

・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html

・出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html

※本記事は2026年9月19日時点で確認できる法令・出入国在留管理庁の公表情報を基に作成しています。制度改正、告示改正、運用変更等が行われることがありますので、実際の申請時には最新の公式情報をご確認ください。

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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