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第20回 お客様お悩み相談

外国人夫婦の子どもが日本で生まれました。30日・60日のルールと在留資格取得は?

 

よくあるご相談

「夫婦とも外国籍で日本に住んでいます。日本で子どもが生まれました。赤ちゃんは生まれた時から親と同じ在留資格になるのでしょうか?」というご相談です。

 

先に結論

外国人夫婦の子が日本で生まれても、親と同じ在留資格が自動的に付与されるわけではありません。出生により上陸手続を経ず日本に在留することになった外国人が60日を超えて在留する場合、出生の日から30日以内に在留資格取得許可申請を行う必要があります。60日以内に出国する場合には例外がありますが、再入国を予定する場合等も含め早めに確認してください。

 

1.制度上の整理

身分系の在留資格では、戸籍や結婚証明書などの形式的な身分関係だけでなく、実際の共同生活、扶養関係、生計、家族の在留資格との整合性が重要になります。家族の状況が変わった場合は、家族全員が同じ在留資格になるとは限らないため、一人ずつ法的な地位を確認します。

入管法第22条の2に基づく在留資格取得は、出生等により上陸手続を経ず日本に在留することになった外国人が、事由発生日から60日を超えて在留する場合の手続です。申請期間は事由が生じた日から30日以内です。

父母とも外国籍の場合、日本で出生したことだけで日本国籍を取得するわけではありません。本国の大使館・領事館への出生届や旅券取得も並行して確認します。

2026年6月14日以降に交付される在留カードでは、交付日に1歳未満であれば写真不要ですが、1歳以上は写真が必要となる新しい取扱いです。申請時期によって写真要否を確認します。

 

2.このケースで確認したいポイント

• 出生届を市区町村へ提出したか

• 子の国籍取得・本国への出生登録手続

• 60日を超えて日本に在留する予定か

• 父母の在留資格から子に適切な在留資格を判断する

• 30日以内の申請期限と旅券取得時期

ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。

 

3.準備しておきたい資料

• 出生届受理証明書等、出生を証明する資料

• 父母の在留カード・旅券

• 子の旅券(発給状況に応じて)

• 父母と子の関係・扶養を示す資料

• 住民票(提出が推奨される場面あり)

上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。

 

4.行政書士として考える実務上の進め方

・出生直後に市区町村・本国手続を確認する

・親の在留資格から子の候補資格を判断する

・出生から30日以内に在留資格取得申請を準備する

・許可後の在留カード・住居地手続まで確認する

申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。

 

5.よくある誤解

「60日まで在留資格なしでいられるから、60日目まで申請しなくてよい」は誤りです。60日を超えて在留する予定なら、申請期限は出生等の日から30日以内です。

入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。

 

よくある質問

Q1 出生後60日以内に本国へ帰るなら申請不要ですか?

A 公式Q&Aでは、出生から60日以内に出国する場合(再入国許可を受けて出国しようとする場合を除く)は在留資格取得申請不要と案内されています。個別の渡航予定を確認してください。

Q2 親が永住者なら子も永住者ですか?

A 親の地位や出生時の状況により「永住者の配偶者等」や永住許可の特則等の検討が必要です。自動的に親と同じ「永住者」になるわけではありません。

Q3 パスポートが30日以内に間に合わない場合は?

A 申請期限を放置せず、取得中であることを示す資料等を含め、管轄の地方出入国在留管理官署に早めに確認してください。

 

行政書士へ相談した方がよいケース

• 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない

• 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい

• 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている

• 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある

• 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい

行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。

 

まとめ

外国人夫婦の子が日本で生まれても、親と同じ在留資格が自動的に付与されるわけではありません。出生により上陸手続を経ず日本に在留することになった外国人が60日を超えて在留する場合、出生の日から30日以内に在留資格取得許可申請を行う必要があります。60日以内に出国する場合には例外がありますが、再入国を予定する場合等も含め早めに確認することが大切です。

在留資格の手続は、制度を知るだけでなく、自分の事実関係を正確に当てはめる作業が必要です。少しでも判断に迷う事情がある場合は、期限直前ではなく、資料を集められる段階で相談することをおすすめします。

 

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主な公的情報源

・出入国在留管理庁「在留資格の取得(入管法第22条の2)」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/syutoku_00001.html

・出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」 https://www.moj.go.jp/isa/immigration/faq/kanri_qa.html

・出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/dependent.html

・出入国在留管理庁「在留資格『永住者の配偶者等』」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/spouseorchildofpermanentresident.html

※本記事は2026年9月11日時点で確認できる法令・出入国在留管理庁の公表情報を基に作成しています。制度改正、告示改正、運用変更等が行われることがありますので、実際の申請時には最新の公式情報をご確認ください。

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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