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第37回 お客様お悩み相談
技人国の更新で「カテゴリー」が下がったと言われた。何が起きた?対応方法は?
よくあるご相談
「前回の申請では会社が『カテゴリー2』だったため提出書類が少なかったのですが、今回の更新で総務から『今年は源泉徴収税額が減ったためカテゴリー3になる』と言われました。ビザの更新に影響はありますか?」というご相談です。
先に結論
会社のカテゴリーが下がること自体で、ただちに在留期間更新が不許可になるわけではありません。しかし、カテゴリーが下がる(例:2から3、あるいは3から4へ)と、入管に提出すべき会社側の立証資料(決算書、法定調書合計表、会社案内等)が大幅に増加し、会社の経営状態や事業の継続性がより厳格に審査されることになります。早めの書類収集と財務状況の確認が必要です。
1.制度上の整理
● 就労系在留資格(技人国等)では、受入れ機関の規模や安定性に応じて「カテゴリー1」から「カテゴリー4」までの4区分に分類されています。
● カテゴリー1は上場企業等、カテゴリー2は前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中「源泉徴収税額」が1,000万円以上の団体・個人、カテゴリー3は法定調書合計表を提出したその他の団体・個人、カテゴリー4は新設会社や法定調書合計表を出していない会社等です。
● 業績悪化や人員削減等により源泉徴収税額が1,000万円を下回るとカテゴリー2から3へ移行します。
● カテゴリーが下がると、会社の決算報告書(貸借対照表・損益計算書等)の提出が必須となり、もし会社が赤字や債務超過に陥っている場合は、事業の継続性を説明する補足資料が必要になります。
2.このケースで確認したいポイント
● 最新の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」の税額(1,000万円以上か未満か)
● 直近期の決算書の内容(黒字か、赤字・債務超過の有無)
● カテゴリー変更に伴い追加で必要となる会社資料の収集スケジュール
● 申請人本人の職務内容や報酬に変更がないか
ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。
3.準備しておきたい資料
● 最新の法定調書合計表(受付印または電子申告の送信票があるもの)
● 直近年度の決算文書(貸借対照表、損益計算書等)
● 会社案内パンフレットや登記事項証明書
● (赤字等の場合)事業計画書や今後の改善見通しを説明する書面
上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。
4.行政書士として考える実務上の進め方
● 最新の法定調書合計表で現在の正確なカテゴリーを判定する
● カテゴリー3または4に応じた必要書類一覧を会社側へ速やかに案内する
● 決算書を確認し、債務超過等があれば中小企業診断士等の事業計画書を用意する
● 申請書類の提出漏れを防ぎ、審査期間の長期化に備えて早めに申請する
申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。
5.よくある誤解
「カテゴリーが下がった=会社が倒産寸前だからビザは更新できない」思い込む必要はありません。日本の中小企業の多くはカテゴリー3です。必要な財務資料を正しく提出し、事業が継続していることを立証できれば問題なく更新されます。
入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。
よくある質問
Q1 カテゴリー2のつもりで書類を出して、入管から追加資料を求められますか?
A はい。最新の法定調書で税額が1,000万円未満になっていた場合、カテゴリー3として扱われ、決算書等の追加提出指示(通知)が届きます。最初からカテゴリー3として申請した方がスムーズです。
Q2 会社が赤字決算でした。カテゴリー3の更新は不許可になりますか?
A 赤字の程度によります。単年度の軽微な赤字であれば通常は更新可能ですが、債務超過に陥っている場合は事業継続性の説明資料が求められます。
Q3 在留期間は短くなりますか?(例:3年から1年へ)
A 会社の規模や安定性の変化、申請人の勤務年数等を総合的に考慮して在留期間が決定されるため、1年が付与される可能性はあります。
行政書士へ相談した方がよいケース
● 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない
● 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい
● 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている
● 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある
● 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい
行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。
主な公的情報源
● 出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html
● 出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri07_00058.html
【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
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