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第31回 お客様お悩み相談
高度専門職1号ロから永住申請。ポイント計算はいつの時点で行う?
よくあるご相談
「現在、高度専門職1号ロで在留しています。ポイントが80点あるので1年で永住申請できると聞きました。ポイントは今の時点で80点あればよいのでしょうか?」というご相談です。
先に結論
永住申請の時点で80点以上あることだけでなく、「1年前の時点」でも80点以上あったこと(または70点以上の場合は「3年前の時点」でも70点以上あったこと)を証明する必要があります。ポイントは申請時点の「今」だけで計算するのではなく、過去の基準時においても要件を満たしていたかが審査されます。
1.制度上の整理
● 永住許可の特例として、高度人材ポイント制を活用したルートがあります。80点以上のポイントを有する場合は「高度人材外国人として1年以上継続して本邦に在留していること」、70点以上の場合は「3年以上継続して在留していること」が要件となります。
● 出入国在留管理庁のガイドラインによれば、申請時において規定のポイントを有していることに加え、1年前(または3年前)の時点においても、その時点での状況を基に計算したポイントが規定を満たしていることが求められます。
● 年齢ポイントは基準時(1年前や3年前)の年齢で計算します。年収ポイントも、その基準時における年収(見込額など)で計算する必要があります。転職や昇給などで過去と現在で状況が変わっている場合、両方の時点で基準をクリアしているか個別に確認しなければなりません。
2.このケースで確認したいポイント
● 申請ルートが「80点(1年)」か「70点(3年)」か
● 申請時点のポイント計算(年齢、年収、学歴、職歴等)
● 1年前(または3年前)時点でのポイント計算
● 過去の時点で提出した資料と現在の資料に矛盾がないか
● 転職している場合、過去の会社での年収や職務内容の立証
ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。
3.準備しておきたい資料
● ポイント計算表(申請時用、および1年前または3年前用)
● 各時点の年齢、学歴、職歴を証明する資料
● 各時点の年収を証明する資料(課税証明書、給与明細等)
● 研究実績や日本語能力等の加点証明資料
上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。
4.行政書士として考える実務上の進め方
● まず「現在」と「基準時(過去)」の2つのポイント計算表を作成する
● 過去の年齢や年収の変動によってポイントが下がっていないか確認する
● 転職歴がある場合、過去の職歴証明が取得できるか手配する
● 両方の時点で確実に要件を満たすことを立証できるタイミングで申請する
申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。
5.よくある誤解
「今80点あるから、自動的に1年前も80点とみなされる」という理解は誤りです。1年前は年齢が若かったため加点が多くても、年収が低かったために合計点が70点台だった場合、1年ルートは使えません。各時点の事実に基づいて厳密に計算します。
入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。
よくある質問
Q1 1年前は技人国でしたが、高度専門職の特例を使えますか?
A はい。現在の在留資格が高度専門職でなくても、1年前の時点で高度専門職のポイント基準を満たしていれば、「みなし」として特例ルートの対象になり得ます。
Q2 年収ポイントは過去のどの金額を見ますか?
A 過去の基準時(1年前等)の年収は、課税証明書等で客観的に証明できる実際の収入額等から判断されます。
Q3 ポイントの疎明資料は現在と過去の両方出しますか?
A はい。申請時および基準時(1年前や3年前)のそれぞれについて、ポイントを証明する資料の提出が求められます。
行政書士へ相談した方がよいケース
● 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない
● 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい
● 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている
● 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある
● 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい
行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。
主な公的情報源
● 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan50.html
● 出入国在留管理庁「高度人材ポイント制による出入国在留管理上の優遇制度」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/newimmiact_3.html
【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
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