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第39回 お客様お悩み相談

定住者の子どもを本国から呼び寄せたい。年齢制限や扶養の要件は?

 

よくあるご相談

「私は定住者として日本で働いています。母国に残してきた17歳の子どもを日本に呼び寄せて一緒に暮らしたいのですが、定住者ビザで呼ぶことはできますか?年齢制限があると聞きました」というご相談です。

 

先に結論

定住者告示(第6号ハ等)に基づき、定住者の「扶養を受けて生活する未成年で未婚の実子」であれば、在留資格認定証明書(COE)交付申請を行い、定住者として呼び寄せることが可能です。ただし、「未成年(申請時および上陸時に満18歳未満)」であること、本国で就労・独立しておらず「親の扶養を現に受けていること」、親側に十分な扶養能力があることが厳格に審査されます。

 

1.制度上の整理

● 定住者告示第6号は、定住者として在留する者の扶養を受ける「未成年で未婚の実子」について定めています。

● 民法上の成人年齢引下げ(18歳成人)に伴い、入管法令上の「未成年」も原則として18歳未満を指します。18歳に達してしまうと、この告示要件を満たさなくなるため、呼び寄せの難易度が極めて高くなります。

● 年齢だけでなく「未婚」であること、かつ経済的に親に依存している(扶養を受けている)実態が必要です。高校等を中退して本国でフルタイム就労しているような場合は、自立しているとみなされ不許可になる可能性があります。

● 受入れ側である日本在住の親の世帯年収・生活基盤も厳しく審査されます。子どもを呼び寄せても生活保護等に頼らず生活できる経済力が必要です。

 

2.このケースで確認したいポイント

● 子どもの現在の正確な生年月日と年齢(18歳到達までの残り期間)

● 親子関係を証明する本国の公的書類(出生証明書等)が揃うか

● 本国での子どもの現在の監護状況(就学状況・生活費送金実績)

● 親の世帯年収・納税状況・住居の広さ(同居できる環境か)

ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。

 

3.準備しておきたい資料

● 本国の出生証明書・親子関係を証する公的証明書(原本+日本語訳)

● 子どもの本国での在学証明書等(就学実態の証明)

● 日本から本国への生活費送金記録(送金明細等)

● 親の住民票(世帯全員分)

● 親の課税証明書・納税証明書・在職証明書・給与明細

● 日本の住居の賃貸借契約書・間取り図

上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。

 

4.行政書士として考える実務上の進め方

● 子どもの年齢が18歳に近い場合、審査期間を見越して一刻も早く申請書類を整える

● これまでの本国への送金記録を時系列で集め、扶養実態を立証する

● 親の年収が低めの場合は、生活費収支予定表を作成して生活の安定性を示す

● 来日後の学校進学・日本語教育計画を具体的に理由書へ記載する

申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。

 

5.よくある誤解

「自分の実子なのだから、何歳になっても定住者ビザで呼べる」という理解は誤りです。成人に達した子どもは、定住者告示の対象から外れるため、留学や就労資格など別の独立した在留資格を取得しない限り日本に呼ぶことはできません。

 

入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。

 

よくある質問

Q1 17歳で申請して、審査中に18歳になってしまったら不許可ですか?

A 申請受理時点で未成年であれば要件を満たす余地がありますが、上陸時の判断も含め審査が極めて慎重になります。可能な限り18歳到達の数か月以上前に申請すべきです。

Q2 養子(養子縁組した子ども)も同じように呼べますか?

A 定住者告示では「実子」と「養子」で適用条項や要件(普通養子か特別養子か、年齢制限等)が異なります。実子とは別の厳格な立証が必要です。

Q3 子どもが本国で結婚していても、未成年なら呼べますか?

A 呼べません。「未婚」であることが必須要件です。

 

行政書士へ相談した方がよいケース

● 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない

● 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい

● 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている

● 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある

● 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい

行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。

 

主な公的情報源

● 出入国在留管理庁「定住者(定住者告示第6号関係)」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/longtermresident06.html

● 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-1.html

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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