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第35回 お客様お悩み相談

留学生が技人国へ変更申請中。卒業後から許可が出るまでアルバイトは続けられる?

 

よくあるご相談

「3月に大学を卒業し、4月入社に向けて技人国への変更申請を行っています。まだ審査中ですが、生活費のために卒業後も3月末まで居酒屋のアルバイトを続けてもいいですか?」というご相談です。

 

先に結論

卒業後は、たとえ在留期限が残っていても、また技人国への変更申請中であっても、留学生としての「資格外活動許可」は失効します。そのため、学校を卒業(除籍・退学含む)した日以降にアルバイトを行うと不法就労となります。生活費が必要でも、新しい在留資格が許可されるまでは絶対にアルバイトをしてはいけません。

 

1.制度上の整理

● 留学生が持っている「資格外活動許可(週28時間以内)」は、あくまで「留学」の在留資格をもって教育機関で活動を行っていることを前提に付与されるものです。

● したがって、学校を卒業した時点で本来の「留学」の活動が終了するため、資格外活動許可もその効力を失います。

● 在留資格変更申請中には、結果が出るまで在留期限を延長する「特例期間」が適用されますが、特例期間中であっても、卒業後であればアルバイトはできません。

● 就職先の会社での内定者研修であっても、報酬が発生する場合は不法就労となるおそれがあるため、就労開始日は必ず新しい在留カードを受け取った後に設定する必要があります。

 

2.このケースで確認したいポイント

● 学校の正確な「卒業日(学位授与日)」はいつか

● アルバイト先の雇用主へ卒業による退職を伝えているか

● 変更申請の審査状況と、就職先の入社予定日の調整

● 卒業から入社までの間の生活費の確保

ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。

 

3.準備しておきたい資料

● 卒業証明書(変更申請の追完資料として提出が必要な場合)

● アルバイト先への退職届・シフト表(トラブル防止のため)

● 就職先の雇用契約書・入社日変更の合意書(審査が長引いた場合)

上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。

 

4.行政書士として考える実務上の進め方

● 学生に対し、卒業日をもって全てのアルバイトを辞めるよう強く指導する

● 卒業証明書が発行され次第、速やかに入管へ追加提出し審査を進める

● 審査が4月にずれ込んだ場合、就職先に入社時期の延期を交渉する

● 新しい在留カードを受け取った日から就労を開始するよう徹底する

申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。

 

5.よくある誤解

「在留カードの期限がまだ半年残っているし、資格外活動許可のスタンプもあるから働ける」と勘違いし、卒業後もアルバイトを続けてしまうケースが後を絶ちません。卒業した瞬間にそのスタンプは無効になります。

 

入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。

 

よくある質問

Q1 卒業式は終わりましたが、月末まで学生証の期限があります。月末まで働けますか?

A 学生証の有効期限ではなく、学校が定める正式な「卒業日(学籍を離れる日)」が基準です。卒業日以降は働けません。

Q2 就職先の会社から「入社前に少しだけ手伝って」と言われました。給料も出ます。

A 新しい在留資格が許可される前に報酬を得て働くと不法就労になります。就職先の会社に対しても、許可前は働けないことを説明してください。

Q3 卒業後に内定取り消しになり、就職活動を続けます。アルバイトはできますか?

A 「特定活動(継続就職活動)」へ在留資格を変更し、その上で新たに資格外活動許可を取得すればアルバイトが可能になりますが、留学ビザのままではできません。

 

主な公的情報源

● 出入国在留管理庁「留学生の就職支援」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/student.html

● 出入国在留管理庁「資格外活動許可について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00045.html

※本記事は2026年8月31日時点で確認できる法令・出入国在留管理庁の公表情報を基に作成しています。制度改正、告示改正、運用変更等が行われることがありますので、実際の申請時には最新の公式情報をご確認ください。

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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