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高度専門職1号ロの方が取締役になったら 肩書と実際の業務から変更・更新を判断する

高度専門職1号ロの方が取締役に就任しても、肩書だけで高度専門職1号ハへの変更が必要になるとは限りません。判断の中心は、実際に従事する活動です。入管庁の高度人材Q&Aでも、役員としての契約に基づき専門的な業務を行う場合の考え方が示されています。

 

技術責任者と経営責任者の仕事を分ける

たとえば取締役CTOとして設計の承認、研究開発、技術部門の指導を担う場合と、会社全体の資金調達、事業計画、人事や収支の決定を担う場合では、活動の説明が異なります。技術の仕事と経営の仕事を兼ねる場合は、両方の内容、権限、時間の配分を具体化します。

「役員だから経営」「エンジニア出身だから技術」と決めつけると、提出資料が実態から離れます。組織図上の位置だけでなく、決裁権限、担当案件、定例会議での役割、部下への指示内容まで整理すると、どの活動を主としているかが見えます。

 

雇用契約が終わった後の根拠を示す

役員就任に伴って雇用契約が終了した場合は、新たな役員契約や委任関係、就任決議、報酬決議などを確認します。「会社に在籍し続けている」という在職証明だけでは、契約と業務の変化が十分伝わらないことがあります。

報酬が月給から役員報酬へ変わる場合は、固定額、賞与の扱い、適用開始日を整理します。点数計算に関係する収入資料にも反映させます。まだ承認されていない見込額を、決定済みの報酬として記載しないことが必要です。

 

更新資料に役割の変化を残す

同じ会社での更新だから前回の職務説明をそのまま使える、と考えるのは危険です。前回は実装を担当していたのに、今回は会社経営が中心になっていれば、現在の資格に対応した活動かを先に検討します。活動内容が変わる場合は更新ではなく変更の検討が必要になることがあります。

反対に、登記上の役員になっても専門業務が中心であるなら、専門業務の成果と担当範囲を説明します。すべての会議録を提出するのではなく、在留資格の判断に関係する資料を選び、機密情報の取扱いにも配慮します。

 

複数の仕事を兼ねるときの説明例

たとえば取締役として月1回経営会議に参加する一方、日々は製品設計の技術責任者として働く方と、製品設計から離れ日常的に会社全体の経営判断を行う方では、同じ「取締役」の肩書でも活動が異なります。説明には、単なる時間割合に加え、何について責任を負い、どの判断を本人が行うかを記載します。

会社が用意する一般的な役員職務規程と、本人の担当業務が一致しない場合もあります。その差を本人固有の職務分掌や担当案件で補います。役員就任後も過去の開発実績だけを提出すると、現在の仕事が分かりません。就任後の活動を示す必要があります。

活動区分が変われば、適用するポイント表や会社側の確認事項にも影響します。旧区分の高い点数を、新区分へそのまま持ち込まないようにします。役職変更、活動の変更、点数の変更をそれぞれ検討することが重要です。

 

不許可後は名称の訂正で終わらせない

不許可の説明で活動の不一致が問題となったなら、役職名を「技術担当」に変えるだけでは不十分です。実際の権限、仕事、契約を確認し直します。経営活動に移っているなら、その活動に必要な会社側の条件も含めて再検討します。

相談の際には、旧職務と新職務の説明、役員就任日、報酬決定資料、最新の指定書を用意してください。現在の活動がどの資格に適合するかを確認した上で、手続の種類を決めることが再申請の出発点です。

 

参照公的資料

出入国在留管理庁「高度人材ポイント制Q&A」/参照箇所:役員就任

https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/newimmiact_3_qa.html

出入国在留管理庁「高度専門職」申請案内・ポイント表

https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities02_00004.html

出入国管理及び難民認定法/参照箇所:別表第一

https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319

 

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【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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