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高度専門職の転職で入社日が先に来るとき 変更不許可後の再申請と就労開始を分けて考える

高度専門職1号の方が別会社へ転職するときは、在留カードの期限が残っていても、新しい会社での活動を始められるかを確認する必要があります。高度専門職1号は指定された機関での活動を前提とするためです。変更申請を提出したことと、新しい活動が許可されたことは同じではありません。

 

入社日より前に指定書を確認する

確認するのは在留カード、旅券に付された指定書、旧勤務先との契約、新勤務先との契約です。会社名が似ている、同じ企業グループである、職種が変わらないという事情だけでは、指定機関が同じとは判断できません。

入管庁の高度人材に関する案内では、高度専門職1号の転職には在留資格変更許可申請が必要とされています。新しい契約を締結して予定を立てる段階で、許可を前提とした就労開始日を調整します。新勤務先で有償の研修や業務を行う場合も、名称だけで通常の仕事と切り離せるとは限りません。

 

申請が遅れている間の契約を整える

たとえば4月1日入社の予定で3月に申請し、4月になっても審査中という場面です。申請中であることを人事担当者と共有し、業務開始を延期できるか、雇用契約の開始日や給与の扱いをどうするかを協議します。労働契約上の問題があれば、労務の専門家への相談も必要です。

旧勤務先を退職した後は、契約終了等の届出も確認します。所属機関に関する届出を済ませても、新勤務先の活動許可を取得したことにはなりません。反対に、変更申請をしたことだけで、別途必要な届出がすべて済んだとも扱わないようにします。

 

変更が不許可になったら予定年収だけ直さない

不許可後は、新勤務先での業務が高度専門職のどの活動に該当するのか、点数を裏付ける資料が十分か、会社との契約が継続的なものかを確認します。会社が提示した年収を上げるだけでは、実際の仕事内容や学歴・職歴の説明不足は解消できません。

新勤務先の契約が変更されれば、再申請の前提も変わります。担当業務、勤務時間、報酬、就業場所、雇用期間を改めて確定し、前回の説明と異なる箇所を理由とともに示します。高度専門職の条件に合わない場合は、技術・人文知識・国際業務など他の在留資格に適合するかを検討しますが、別の資格なら当然許可されるわけではありません。

 

就労開始を条件付きにした契約の読み方

新しい会社の契約書に「許可取得後に勤務開始」とある場合は、許可が遅れた際に開始日がどう決まるかまで確認します。契約が先に成立していても、直ちに活動できるとは限りません。採用取消となる条件、待機中の報酬、旧勤務先の最終日を整理し、申請中の資料と矛盾しないようにします。

仮に、新会社への変更が不許可になり、会社が担当業務を再設計する場合、実際にその部署と仕事が存在するかを確認します。専門業務の時間だけを増やした説明書を作っても、現場の業務が変わっていなければ改善にはなりません。新しい職務記述書と契約の双方を確定させてから再申請します。

採用担当者には、入社予定日を約束する前に指定書の写しを確認してもらうことが有用です。技人国の転職経験がある会社でも、高度専門職1号と同じ手続とは限りません。本人の資格を特定して予定を組む必要があります。

 

期限と活動の許可は別に管理する

期間満了前に変更・更新申請をした場合の在留の特例には法定の範囲があります。しかし、滞在できる期間の問題から、新勤務先での活動が許可されているとは結論できません。不許可となったときは、通知の内容と現在の在留期限を確認し、同じ申請を繰り返すことで在留が無期限に続くと考えないことが重要です。

会社には「許可を受けたら勤務を開始する」という条件を明確に伝えます。採用担当者、本人、申請支援者が別々の日付を前提に動くことが、最も避けたい行き違いです。

 

Q 新会社への届出を出せば働けますか。

A 届出は活動の許可に代わりません。指定書と変更許可の要否を確認します。

 

参照公的資料

出入国在留管理庁「高度専門職」申請案内・ポイント表

https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities02_00004.html

出入国在留管理庁「高度人材ポイント制Q&A」/参照箇所:転職

https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/newimmiact_3_qa.html

出入国管理及び難民認定法/参照箇所:別表第一 第20条

https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319

出入国在留管理庁「所属機関に関する届出」・Q&A

https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/shozokunikansuru.html

 

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【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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