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永住申請で将来の年金をどう示すか 加入記録と補填資産の準備
年金保険料を期限どおり納めてきたことと、将来の年金で生活を維持できるかは別の確認です。2026年10月改定のガイドラインには、新たに将来受給可能な年金の見込額と、それが一定水準に届かない場合の金融資産による補填が記載されました。この年金の部分は、原則として2027年4月1日以降の申請から適用されます。
30年間加入済みでなければ申請できないのか
原文は、日本人世帯の平均収入を上回る年収水準で30年間働き、その期間厚生年金に加入した場合の将来の見込額を比較水準としています。すべての申請者が申請前に30年間加入していなければならないと定めたものではありません。
本人の申請時点の年齢、加入対象期間全体の加入状況、従前の働き方や年収、現在の年収から推計される受給見込額を評価します。若い人と受給開始年齢に近い人を、加入年数だけで同じように比較する説明は適切ではありません。
ねんきん定期便の数字をそのまま使わない
年金資料には、これまでの加入実績に応じた額を表示するものと、一定の将来条件を置いて試算するものがあります。どの条件の数値かを確認せず、定期便の数字だけを将来の最終受給額として書くと、説明が不正確になります。
まず、ねんきんネット等で加入履歴の抜け、転職時の切替、国民年金と厚生年金の期間を確認します。将来の試算は、働く期間や収入などの前提条件を保存します。これらは準備上有用な資料ですが、入管が指定する受給見込額の計算方法と完全に同じであるとは、現時点で断定できません。
不足を補う資産は継続保有の裏付けも必要
受給見込額が水準に届かない場合でも、申請時に不足する生活資金を補填可能な金融資産を有すると認められるときは、水準に達しているものと評価するとされています。申請時の年齢に応じた基準となり、若年者の基準は受給開始年齢に近い人より低いと記載されています。ただし、年齢別の必要額を独自に算出して公式基準のように提示してはいけません。
入管庁は意見募集結果で、申請のために一時的に取得し、その後継続保有を予定していない金融資産は認めない予定と説明しています。残高証明だけでなく、蓄積の経過や資金の出所を確認できる取引履歴を保存しておくと、将来の追加確認に対応しやすくなります。提出期間や指定様式は今後の公表を確認します。
住宅の市場価格などを金融資産と同じものとして扱うことも避けます。借入金によって口座残高だけを増やしても、自ら保有する老後資金の裏付けになるとは限りません。
夫婦は見込額と比較水準の双方が変わる
配偶者がいる場合、本人と配偶者の受給見込額を合算するだけでなく、比較する受給年金水準にも、配偶者が同期間第3号被保険者だった場合の見込額を加算する記載があります。補填資産額もこれに応じて加算します。夫婦の年金額を足したから必ず有利、とはいえません。
配偶者の加入記録も確認し、姓の変更や転職で記録が分断されていないかを点検します。海外の年金については、社会保障協定や制度ごとに異なるため、日本の見込額へ自動的に加算できると説明せず、個別確認が必要です。
不許可後の再申請に向けて
将来の経済基盤が論点となった場合、未納の解消だけで再申請の問題がすべて解決するとは限りません。加入記録の訂正、試算の前提、金融資産の実在と継続保有を分けて改善します。年金不足だけを理由とした全国一律の不許可運用がすでに始まった、とは扱わないことも重要です。
Q 自営業で国民年金だけだと永住は不可能ですか。
A 原文には金融資産による補填の仕組みがあります。加入制度名だけで一律に不可能とは判断できません。
Q 申請直前に親からお金を借りれば足りますか。
A 一時的な資金取得は問題となり得ます。返済義務や資金の性質を正確に示し、見せ金で対応しないことが必要です。
参照公的資料
出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」(2026年10月1日改定)/参照箇所:第2の4(3) 第6
https://www.moj.go.jp/isa/10_00279.html
e-Gov「永住許可に関するガイドライン等改定案」意見募集結果・回答(2026年10月1日)/参照箇所:意見番号26から30 37
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000321729
日本年金機構「ねんきんネットによる年金見込額試算」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri_kojin/n_net/introduction/estimatedamount.html
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【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
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