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家族滞在の収入は合算できるか 永住申請の世帯年収を組み直す方法
家計に実際に入っているお金と、永住審査で合算対象となる世帯年収は、必ずしも一致しません。2026年10月改定のガイドラインは、世帯での判断を明確にする一方、合算できない収入や、同居していない扶養親族の扱いも定めています。本人と配偶者の源泉徴収票を単純に足すだけでは、審査に対応した説明にならない場合があります。
合法なアルバイトでも合算対象とは限らない
原文第2の4(2)は、家族滞在など就労を目的としない在留資格の人が、資格外活動許可によって例外的・限定的に得る収入を、申請者の世帯年収に合算する対象としていません。アルバイトが違法になるという意味ではなく、永住の経済条件を評価するための収入算定の問題です。
たとえば本人が会社員で、配偶者が家族滞在で許可の範囲内のアルバイトをしている世帯では、生活費の入出金に配偶者の収入が存在しても、その額を新基準の世帯年収にそのまま加えることはできません。生活実態の説明と、ガイドライン上の年収説明を区別します。
注2の就労資格は日常用語より狭い
同ガイドラインは、就労を目的とする在留資格から、技能実習、育成就労、特定技能1号、企業内転勤、一部の特定活動を除くと定義しています。企業内転勤は通常の説明では就労ビザに分類されますが、この文書では独自の定義が置かれています。「働ける在留資格だから当然に対象」と判断しないことが大切です。
世帯内にこれらの資格の人がいる場合は、原文の定義、収入算入の記載、実際の申請内容を照合します。個別の合算可否に疑問が残る場合は、在留資格名だけで結論を決めず申請先に確認します。これは10年在留のうちの就労期間を数える際にも注意したい定義です。
海外扶養と成人した子は別の論点
扶養する親族は外国に住んでいても、同居の有無にかかわらず世帯人数に加算するとされています。海外送金をしている場合は、誰に、何のために、どの程度の扶養をしているかを確認します。税法上の扶養控除と、実際の扶養関係を混同せず、不正確な申告があれば税務上の訂正も別途検討します。
成人して父母の扶養から外れた人については、原文は父母の収入を算入せずに年収水準への継続的な到達を考慮するとしています。成人したという年齢だけで機械的に決めるのではなく、扶養の実態と申請者が誰かを整理します。同居する就労中の子の収入を、どの家族の申請にも自由に使えるという説明は避けます。
さらに世帯人数が5人以上となる場合には、世帯人数に応じた水準に生活費等の増加分を加算する記載があります。人数が多い世帯ほど、扶養関係の説明を省略できません。
追加資料では人数と収入を同じ時点で示す
世帯年収の説明書は、申請時点の家族関係を起点として作ります。各人の続柄、同居・別居、在留資格、扶養の有無、収入の種類を一覧化し、合算する金額には証明書を対応させます。資料の準備には表を使っても、説明の本文は「誰のどの収入を合算したか」が読める文章にします。
再申請では、前回合算した収入に問題があったのか、扶養人数を漏らしたのか、本人の継続収入が不足したのかを分けます。家族滞在から就労資格に変更する場合も、実際に該当業務を行い要件を満たす必要があり、年収算定のためだけの形式的な変更で解決するものではありません。
よくある質問
Q 配偶者の収入を合算できないなら、配偶者は世帯人数から外れますか。
A 収入の算入と人数の算定は別です。合算できないことを理由に、家族の存在を省略してはいけません。
Q 海外の親への送金を止めれば直ちに扶養人数を減らせますか。
A 送金記録だけで決まるとは限りません。現実の扶養関係、税務申告、過去の説明との整合性を確認します。
家族それぞれの在留カードと、扶養・送金の資料を揃えることが、再申請の収入説明を立て直す第一歩です。
参照公的資料
出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」(2026年10月1日改定)/参照箇所:第2の4(1)(2) 注2
https://www.moj.go.jp/isa/10_00279.html
e-Gov「永住許可に関するガイドライン等改定案」意見募集結果・回答(2026年10月1日)/参照箇所:意見番号32 35
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000321729
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【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
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