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高度専門職1号イ・ロ・ハの違いとは

高度専門職1号イ・ロ・ハの全体像

出入国在留管理庁の在留資格一覧表では、高度専門職1号について、高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う活動で、日本の学術研究または経済の発展に寄与することが見込まれるものとされています。

 

高度専門職1号は、次の3つに分かれます。

 

高度専門職1号イ

 

法務大臣が指定する日本の公私の機関との契約に基づいて、研究、研究の指導、教育をする活動などです。

 

高度専門職1号ロ

 

法務大臣が指定する日本の公私の機関との契約に基づいて、自然科学または人文科学の分野に属する知識・技術を必要とする業務に従事する活動などです。

 

高度専門職1号ハ

 

法務大臣が指定する日本の公私の機関において、貿易その他の事業の経営を行い、またはその事業の管理に従事する活動などです。

 

高度専門職1号イとは

 

高度専門職1号イは、主に研究者・大学教員・教育研究職を対象とする区分です。

 

具体的には、日本の大学、研究機関、企業の研究所などとの契約に基づいて、研究、研究の指導、教育を行う活動が中心になります。

 

たとえば、次のような方が検討対象になります。

 

大学教授

准教授

講師

研究者

ポストドクター

研究機関の研究員

企業研究所の研究職

高度な専門研究を行う外国人材

 

高度専門職1号イでは、学歴、研究実績、論文、特許、研究職歴、年収、所属機関などが重要になります。

 

特に、研究実績をポイントとして主張する場合には、その実績を客観的に証明する資料が必要です。

論文、研究費獲得実績、特許、受賞歴、研究機関での職務内容などを整理することが大切です。

 

高度専門職1号ロとは

 

高度専門職1号ロは、主に専門職・技術者・会社員を対象とする区分です。

 

出入国在留管理庁の在留資格一覧表では、自然科学または人文科学の分野に属する知識や技術を必要とする業務に従事する活動とされています。

 

実務上は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」と関係が深い区分です。

たとえば、次のような方が検討対象になります。

 

ITエンジニア

システムエンジニア

データサイエンティスト

研究開発職

機械・電気・建築系エンジニア

コンサルタント

マーケティング専門職

海外営業・貿易実務

法務・会計・金融分野の専門職

医療・法律・会計などの専門職

 

高度専門職1号ロでは、学歴、職歴、年収、資格、勤務先、職務内容、専門性が重要です。

 

特に、現在「技術・人文知識・国際業務」で在留している方が、ポイント70点以上を満たす場合、高度専門職1号ロへの変更を検討することがあります。

 

ただし、技人国から自動的に高度専門職になるわけではありません。

予定職務が高度専門職1号ロの活動に該当し、ポイント計算で70点以上を立証できることが必要です。高度専門職1号の申請では、活動区分に応じたポイント計算表と、各項目に関する疎明資料の提出が求められます。

 

高度専門職1号ハとは

 

高度専門職1号ハは、主に経営者・管理者を対象とする区分です。

 

出入国在留管理庁の在留資格一覧表では、日本の公私の機関において、貿易その他の事業の経営を行い、またはその事業の管理に従事する活動とされています。

 

実務上は、在留資格「経営・管理」と関係が深い区分です。

 

たとえば、次のような方が検討対象になります。

 

会社経営者

代表取締役

取締役

支店長

事業部長

会社の管理職

外資系企業の日本法人責任者

スタートアップ経営者

日本で事業を経営・管理する外国人材

 

高度専門職1号ハでは、学歴、職歴、年収、役職、経営・管理の実績、事業規模、勤務先・経営会社の状況などが重要になります。

 

「経営・管理」から「高度専門職1号ハ」へ変更を検討する場合には、単に会社を経営しているだけではなく、ポイント計算で70点以上を立証できるか、経営・管理活動としての実態があるか、報酬・事業内容・会社の継続性を説明できるかが重要です。

 

3つの違いを表で整理

区分 主な対象者 主な活動内容 関係しやすい在留資格

高度専門職1号イ 研究者・大学教員 研究、研究指導、教育 教授、研究など

高度専門職1号ロ 技術者・専門職・会社員 自然科学・人文科学の知識や技術を要する業務 技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、医療、法律・会計業務など

高度専門職1号ハ 経営者・管理者 事業の経営または管理 経営・管理、法律・会計業務など

 

出入国在留管理庁の高度専門職の申請案内でも、申請書類は1号イ・1号ロ・1号ハの活動区分に応じて分かれており、1号ロでは「技術・人文知識・国際業務」や「企業内転勤」等、1号ハでは「経営・管理」等の活動に応じた申請書式が案内されています。

 

どの区分で申請すべきか

 

高度専門職では、まず「何点取れるか」よりも、どの活動区分に該当するかを先に確認することが重要です。

 

たとえば、同じ会社役員でも、実際の活動が技術開発や専門職としての業務中心であれば1号ロが問題となる場合があります。

一方、会社全体の経営や事業管理が中心であれば1号ハを検討することになります。

 

また、大学や研究機関に所属していても、教育研究活動が中心であれば1号イ、企業で専門技術業務に従事しているのであれば1号ロとなる可能性があります。

 

判断に迷いやすいケースとして、次のようなものがあります。

 

研究開発職だが、企業に勤務している

大学教員でありながら、ベンチャー企業も経営している

会社役員だが、実態は技術責任者に近い

技人国から高度専門職に変更したい

経営・管理から高度専門職に変更したい

医療、法律、会計などの専門職で申請したい

スタートアップ経営者として申請したい

 

高度専門職は、実際の職務内容、契約関係、所属機関、役職、報酬、事業内容を見て、最も適切な区分を選ぶ必要があります。

 

高度専門職1号イ・ロ・ハに共通する要件

 

高度専門職1号イ・ロ・ハは活動内容が異なりますが、共通する重要な要件があります。

 

1 活動が高度専門職1号イ・ロ・ハのいずれかに該当すること

 

申請人が行おうとする活動が、高度専門職1号イ・ロ・ハのいずれかに該当する必要があります。

 

2 高度専門職1号の基準に適合すること

 

申請人は、入管法第7条第1項第2号の基準を定める省令の高度専門職1号の基準にすべて適合する必要があります。

 

3 ポイント計算の合計が70点以上であること

 

高度専門職1号では、ポイント計算の合計が70点以上であることが必要です。

 

4 ポイントを資料で立証できること

 

高度専門職の申請では、ポイント計算表だけでなく、各項目に関する疎明資料が必要です。

ただし、ポイントの合計が70点以上あることを確認できる資料を提出すれば足り、該当項目すべての疎明資料を提出する必要はないとされています。

 

5 在留期間更新時にも70点以上が必要

 

高度専門職1号で在留中、常に70点以上を維持していなければ直ちに在留できなくなるわけではありません。

しかし、更新時に70点未満である場合、在留期間更新許可を受けることはできないとされています。

 

高度専門職1号イの注意点

 

高度専門職1号イでは、研究や教育の実態が重要です。

 

たとえば、大学や研究機関に所属している場合でも、実際の活動が研究、研究指導、教育に該当するかを確認する必要があります。

 

注意すべきポイントは、次のとおりです。

 

所属機関との契約内容

研究テーマ

研究実績

論文・特許・受賞歴

研究費の獲得状況

教育・指導内容

年収

職歴

学位

 

研究実績をポイントとして主張する場合には、資料の整理が非常に重要です。

 

高度専門職1号ロの注意点

 

高度専門職1号ロでは、職務内容の専門性が重要です。

 

特に、技人国から高度専門職1号ロへ変更する場合には、技人国の該当性に加え、ポイント70点以上を立証する必要があります。

 

注意すべきポイントは、次のとおりです。

 

学歴と職務内容の関連性

職歴と職務内容の関連性

年収

専門資格

日本語能力

勤務先の事業内容

職務内容説明書

雇用契約書

予定業務の専門性

ポイント疎明資料

 

「高度専門職」という名前であっても、主な業務が単純作業や現場作業である場合は認められません。

あくまで、自然科学または人文科学の分野に属する知識・技術を必要とする業務である必要があります。

 

高度専門職1号ハの注意点

 

高度専門職1号ハでは、経営・管理活動の実態が重要です。

 

経営者や管理者であることを主張する場合、単に役員登記されているだけでなく、実際に事業の経営や管理に従事していることを説明する必要があります。

 

注意すべきポイントは、次のとおりです。

 

会社の事業内容

申請人の役職

経営・管理上の権限

役員報酬・年収

会社の決算状況

事業計画

従業員数

取引先

事業所

経営・管理経験

ポイント疎明資料

 

特に、経営・管理から高度専門職1号ハへ変更する場合には、経営管理活動としての実態に加え、ポイント70点以上をどの資料で立証するかが重要です。

 

高度専門職1号イ・ロ・ハと永住申請

 

高度専門職1号イ・ロ・ハのいずれであっても、高度人材ポイント70点以上または80点以上を満たす場合、永住許可申請における在留歴の特例を検討できる場合があります。

 

永住許可ガイドラインでは、70点以上の場合は3年以上、80点以上の場合は1年以上の継続在留に関する特例が示されています。

 

ただし、永住申請では、ポイントだけでなく、納税、年金、健康保険、収入、素行、在留状況、現在の在留期間なども確認されます。

高度専門職1号で在留しているからといって、永住許可が自動的に認められるわけではありません。

 

行政書士に相談した方がよいケース

 

次のような場合には、申請前に行政書士へ相談することをおすすめします。

 

1号イ・ロ・ハのどれに該当するか分からない

ポイントが70点以上になるか不安

80点以上で永住申請を検討している

技人国から高度専門職1号ロへ変更したい

経営・管理から高度専門職1号ハへ変更したい

研究者として高度専門職1号イを検討している

会社役員だが1号ロか1号ハか迷っている

転職予定がある

年収や役職が変わる予定がある

ポイント疎明資料の準備に不安がある

企業側で高度外国人材を採用したい

 

高度専門職は、最初の区分選択を誤ると、必要資料や説明方針がずれてしまいます。

申請前に、活動内容とポイント計算を正確に整理することが重要です。

 

行政書士鈴木茂事務所のサポート

 

行政書士鈴木茂事務所では、高度専門職1号イ・ロ・ハの該当性判断、高度人材ポイント計算、在留資格変更、認定証明書交付申請、更新申請、永住申請への展開までサポートしています。

 

当事務所では、申請人の活動内容、学歴、職歴、年収、研究実績、資格、日本語能力、勤務先、役職、経営実態などを確認し、どの区分で申請すべきかを整理します。

 

特に、次のようなご相談に対応しています。

 

高度専門職1号イ・ロ・ハの区分判断

ポイント計算表の作成

ポイント疎明資料の整理

技人国から高度専門職1号ロへの変更

経営・管理から高度専門職1号ハへの変更

研究者・大学教員の高度専門職申請

経営者・管理者の高度専門職申請

高度専門職から永住申請への相談

転職時の高度専門職の手続

企業様の高度外国人材採用支援

 

高度専門職は、制度を正しく活用できれば、外国人ご本人にも企業様にも大きなメリットがあります。

一方で、活動区分、ポイント計算、疎明資料、更新時のポイント維持など、注意点も多い在留資格です。

 

申請前に一度ご相談いただくことで、より適切な申請方針を立てやすくなります。

 

よくある質問

Q1 高度専門職1号イ・ロ・ハの一番大きな違いは何ですか?

 

一番大きな違いは、対象となる活動内容です。

1号イは研究・研究指導・教育、1号ロは自然科学・人文科学の知識や技術を必要とする専門業務、1号ハは事業の経営または管理を行う活動です。

 

Q2 技人国から高度専門職に変更する場合はどれですか?

 

多くの場合、技術者、専門職、会社員としての活動であれば、高度専門職1号ロを検討することになります。

ただし、実際の職務内容、契約関係、勤務先、ポイント計算によって判断します。

 

Q3 経営・管理から高度専門職に変更する場合はどれですか?

 

会社経営者や管理者として活動する場合は、高度専門職1号ハを検討することが多いです。

ただし、経営・管理活動の実態とポイント70点以上の立証が必要です。

 

Q4 高度専門職1号イ・ロ・ハのどれでも70点以上が必要ですか?

 

はい。高度専門職1号では、イ・ロ・ハのいずれの場合でも、ポイント計算の合計が70点以上であることが必要です。

 

Q5 高度専門職1号イ・ロ・ハのどれでも在留期間は5年ですか?

 

はい。高度専門職1号は在留期間が5年とされています。出入国在留管理庁の在留資格一覧表でも、高度専門職1号の在留期間は5年とされています。

 

まとめ

 

高度専門職1号イ・ロ・ハは、いずれも高度人材ポイント制に基づく在留資格ですが、対象となる活動が異なります。

 

高度専門職1号イ:研究者・大学教員など

高度専門職1号ロ:技術者・専門職・会社員など

高度専門職1号ハ:経営者・管理者など

 

どの区分で申請するかによって、ポイント計算表、必要書類、審査で見られるポイントが変わります。

 

高度専門職は、在留期間5年、永住申請の在留歴短縮、配偶者就労、親の帯同など、非常に大きなメリットがある制度です。

一方で、活動内容、ポイント計算、疎明資料、更新時の点数維持など、慎重に確認すべき点も多くあります。

 

高度専門職を検討している外国人の方、または高度外国人材の採用を検討している企業様は、申請前に専門家へ相談し、ご自身の状況に合った区分と申請方針を確認することをおすすめします。

 

本記事は、2026年5月時点の出入国在留管理庁の公表情報を踏まえて作成しています。

 

実際の申請にあたっては、最新の公表情報を確認し、個別事情に応じた判断が必要です。

 

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