再婚禁止期間と離婚後すぐの再婚の配偶者ビザ――前婚の破綻時期を証明する技術

離婚後まもなく再婚した場合の配偶者ビザ申請では、前婚の終了時期と新しい交際の開始時期が重なっていないか、婚姻に至った経緯が自然かなどについて、通常より詳しい確認が行われることがあります。

離婚後間もなく再婚した場合は、前婚が終了した経緯、新しい交際を始めた時期、別居・離婚成立との前後関係を確認されることがあります。前婚中から交際していたと決めつけられるわけではありませんが、時系列を正確に説明してください。

前婚の終了から再婚までの期間が短い場合は、前婚の破綻・終了時期と新しい交際の開始時期を、客観的資料に沿って説明します。

 

1. 主な確認事項:「交際開始時期」と「前婚の終了時期」の関係

離婚後すぐの再婚で原則として直面する不許可につながり得る注意点は、「新しい外国人配偶者と交際を始めた日付が、前の配偶者と離婚届を出した日付よりも前の期間に食い込んでいる(重なっている)こと」です。

新しい交際の開始時期については、前婚の別居開始、離婚成立、連絡開始、交際開始等を事実に即して記載します。表現を取り繕うのではなく、資料と説明の整合性を保つことが重要です。

 

2. 実務のポイント:「前婚の死亡診断書(破綻の証拠)」をあえて提出する

再婚後の申請では、現在の婚姻関係に加えて、前婚が終了した時期と、新しい交際が始まった時期を整理することが重要です。期間が近接している場合は、別居や離婚の経緯を示す資料を提出することがあります。

具体的には、以下の公的資料を「前婚の破綻日」を裏付ける証拠として提出します。

離婚調停調書や判決書の写し:調停や訴訟を経て離婚した場合は、手続の開始時期や記載内容が、前婚の経緯を説明する資料となることがあります。婚姻関係の破綻時期は、これらの書類だけで一律に決まるものではなく、別居や生活実態も含めて確認されます。

前婚の別居時の賃貸借契約書や住民票の除票:離婚成立前から別居していた場合は、別居開始時期や生活実態を示す資料として利用できます。書類上の離婚日と実際の別居期間の関係を、時系列で説明してください。

 

3. 新しい配偶者との「身内の認知」の深さを開示する

離婚から再婚までの期間が短い場合は、家族や友人が二人の関係をどのように認識しているかを補足的に説明する方法があります。ただし、親族の賛成や祝福が許可の必須条件となるわけではありません。

親族や友人の上申書を添付する場合は、二人を知った時期、交際や婚姻について知っている事実、現在の交流状況を、作成者自身の言葉で記載してもらいます。抽象的な応援文だけでなく、具体的な出来事を含めると関係性を確認しやすくなります。上申書だけで懸念が解消されるわけではないため、戸籍、渡航記録、写真等とあわせて提出します。

 

よくある質問と実務回答

日本の民法上、女性の再婚禁止期間は廃止されているため、離婚後すぐに婚姻届を提出すること自体は可能です。ただし、離婚直後の再婚と配偶者ビザ申請では、前婚の終了時期、新しい配偶者との交際開始時期、同居状況などについて詳しい説明を求められることがあります。申請を一律に数か月遅らせる必要があるわけではありませんが、事実関係を時系列で整理し、前婚中の関係や便宜的な婚姻ではないことを客観的資料で説明することが重要です。

外国人配偶者に本国での離婚歴があり、本国法に再婚に関する要件がある場合は、日本で婚姻届が受理されていても、本国法上の婚姻成立を確認する必要があります。婚姻の有効性は国籍国の法令や個別事情によって異なるため、相手国の公的機関や専門家に確認し、必要な婚姻証明書を準備してください。入管審査でも適法な婚姻の成立が確認されます。

前婚の資料と今回の申請内容が照合されることはありますが、どの範囲まで比較されるかは個別の審査によります。前婚の終了から再婚までの期間が短い場合は、離婚の経緯、別居開始時期、今回の交際開始時期を資料とともに説明してください。期間が短いだけで一律に不許可となるわけではありません。

 

行政書士鈴木茂事務所からのメッセージ

離婚後まもなく再婚した場合、前婚の終了時期と新しい交際の開始時期について詳しい説明を求められることがあります。感情的な説明ではなく、別居、離婚成立、交際開始、婚姻までの経緯を時系列で整理することが重要です。

離婚後まもなく再婚した案件では、別居開始、離婚成立、新しい交際の開始、婚姻までの経緯を時系列で整理し、戸籍、住民票、渡航・連絡記録などと整合させることが重要です。当事務所では、前婚と現在の婚姻に関する資料を確認し、事実関係が伝わりやすい理由書の作成を支援します。

 

公的リファレンス・参照一次情報:

o 法務省「民法第733条(再婚禁止期間の規定に関する法改正・最新運用)」

o 出入国在留管理庁「過去の在留申請情報との整合性に関する審査要領基準」

o 法の適用に関する通則法第24条(婚姻の成立要件に関する基本法文)

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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