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【2026年最新】短期滞在から「日本人の配偶者等」へ変更できる?(2026年6月27日)

国際結婚の公的統計、配偶者系在留資格のデータ、やむを得ない特別の事情を行政書士が解説

「観光や親族訪問のために短期滞在で来日したが、日本人配偶者とこのまま日本で暮らしたい」

「子どもの保育園の送迎や日本人配偶者の仕事の都合があり、いったん出国して海外で在留資格認定証明書を待つことが難しい」

国際結婚のご相談では、このようなケースが実際にあります。特に、すでに夫婦としての生活実態があり、幼い子どもの養育、日本人配偶者の勤務、海外での退職や住居解約などが重なっている場合、原則どおり海外申請を選ぶことが、家族の生活に大きな負担となることがあります。

しかし、短期滞在から「日本人の配偶者等」への変更申請は、通常の配偶者ビザ申請とは異なります。入管法上、短期滞在から他の在留資格への変更は、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとされ、原則として認められない取扱いです。

本記事では、2026年時点で短期滞在から「日本人の配偶者等」への変更を検討する方に向けて、制度の基本、国際結婚・離婚の公的統計、配偶者系在留資格のデータの見方、理由書で整理すべき実務ポイントを、国際業務を扱う行政書士の視点から解説します。

この記事で分かること

短期滞在から「日本人の配偶者等」へ変更する場合の制度上の原則

「やむを得ない特別の事情」として整理すべき生活上・家族上の事情

国際結婚・国際離婚の公的統計から見える実務上の注意点

「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の統計を見る際の読み方

理由書と立証資料を整える際の具体的なポイント

1. まず確認すべき原則:短期滞在からの変更は例外です

在留資格変更許可申請は、現在持っている在留資格から、別の在留資格に該当する活動へ変更する場合に行う手続です。たとえば、留学から就労系在留資格へ変更する場合などが典型です。

これに対し、「短期滞在」からの変更は特に慎重に扱われます。出入国在留管理庁のQ&Aでは、短期滞在から他の在留資格への変更について、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとされ、原則として認められないことが示されています。また、単に日本滞在中に在留資格認定証明書が交付されたことだけで、やむを得ない特別の事情に該当するものではないことも明記されています。

つまり、「日本人と結婚した」「日本にいる間に手続を済ませたい」「出国すると費用がかかる」といった事情だけでは、変更申請を行う十分な理由とはいえません。短期滞在から変更申請を検討する場合には、通常の認定証明書交付申請とは異なる、例外的な事情の説明が必要になります。

2. 「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」の違い

実務上は「配偶者ビザ」と呼ばれることがありますが、入管法上の在留資格名は、相手方の身分によって異なります。日本人と結婚している場合は「日本人の配偶者等」、永住者又は特別永住者と結婚している場合は「永住者の配偶者等」が中心になります。

在留資格 主な対象者 在留期間

日本人の配偶者等 日本人の配偶者、日本人の特別養子、日本人の子として出生した者。該当例は日本人の夫又は妻、実子、特別養子など。 5年、3年、1年又は6月

永住者の配偶者等 永住者又は特別永住者の配偶者、永住者等の子として日本で出生し、その後引き続き日本に在留している者。 5年、3年、1年又は6月

 

ここで注意すべき点は、「配偶者等」という名称の中に、配偶者だけでなく、実子や特別養子なども含まれていることです。そのため、統計を見る際にも、「日本人の配偶者等」の人数すべてが配偶者本人を意味するわけではありません。

3. 公的統計から見る国際結婚の概況

厚生労働省の人口動態統計では、夫妻の一方が外国人である婚姻件数が公表されています。令和6年(2024年)の確定数では、全国の婚姻総数485,092組のうち、夫妻の一方が外国人である婚姻件数は18,420組で、全婚姻に占める割合は3.8%です。

区分(2024年) 件数 見方

婚姻総数 485,092組 日本国内で届け出られた婚姻全体の件数。

夫妻の一方が外国人 18,420組 国際結婚に該当する主な件数。全婚姻の3.8%。

夫が日本人・妻が外国人 11,517組 日本人男性と外国籍女性の婚姻。

妻が日本人・夫が外国人 6,903組 日本人女性と外国籍男性の婚姻。

 

国籍別に見ると、夫が日本人・妻が外国人の婚姻では、中国、フィリピン、韓国・朝鮮、タイなどが主要な分類として示されています。妻が日本人・夫が外国人の婚姻では、韓国・朝鮮、米国、中国などが主要な分類として確認できます。国際結婚は特定の国籍だけの問題ではなく、アジア圏、北米、南米、欧州など、多様な背景を持つ夫婦に広がっています。

国籍別に見る際の主な分類 実務上の確認ポイント

中国 婚姻証明、公証書、認証、翻訳、戸籍・身分関係資料の整合性を確認する。

フィリピン 婚姻証明、出生証明、CENOMAR等の取得・認証・翻訳を確認する。

韓国・朝鮮 家族関係登録簿等の取得範囲、翻訳、氏名表記の整合性を確認する。

タイ 婚姻登録証、独身証明、認証・翻訳、婚姻成立日の確認が重要となる。

米国・英国・ブラジル・ペルー等 州・国・地域ごとに婚姻証明や認証方法が異なるため、相手国側の制度確認が必要となる。

 

入管実務では、国籍ごとに婚姻証明書、出生証明書、独身証明書、認証・翻訳の方法が異なります。そのため、「国際結婚」と一括りにせず、相手国の制度と日本側の戸籍・入管手続をセットで確認する必要があります。

4. 国際離婚の概況:「離婚率」という言葉は慎重に使う

国際結婚の記事では、離婚率について触れられることがあります。しかし、人口動態統計の離婚件数は、その年に届け出られた離婚の件数であり、同じ年に結婚した夫婦のうち何%が離婚したかを示すものではありません。そのため、婚姻件数と離婚件数を単純に割って「離婚率」と表現することは適切ではありません。

令和6年(2024年)の確定統計では、夫妻の一方が外国人である離婚件数は8,467組です。その内訳は、夫が日本人・妻が外国人の離婚が5,565組、妻が日本人・夫が外国人の離婚が2,902組です。

区分(2024年) 離婚件数 見方

離婚総数 185,895組 日本国内で届け出られた離婚全体の件数。

夫妻の一方が外国人 8,467組 国際結婚に関係する離婚の件数。

夫が日本人・妻が外国人 5,565組 日本人男性と外国籍女性の夫婦に関する離婚。

妻が日本人・夫が外国人 2,902組 日本人女性と外国籍男性の夫婦に関する離婚。

 

入管実務上、離婚そのものが直ちに不利益というわけではありません。しかし、「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」は、配偶者としての身分関係・生活実体を基礎とする在留資格です。婚姻関係が終了した場合、配偶者としての在留資格をそのまま維持することは難しくなり、定住者、就労系在留資格、帰国など、次の在留方針を早急に検討する必要があります。

5. 配偶者系在留資格の統計を見るときの注意点

「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」の統計を見るときは、何の統計なのかを分けて考える必要があります。入管統計には、在留資格認定証明書交付人員、在留資格変更許可人員、在留資格取得許可人員、在留期間更新許可人員、新規入国者数、在留外国人数など、似た名前の統計が複数あります。

統計の種類 意味 短期滞在からの変更との関係

在留資格認定証明書交付人員 海外にいる申請人を日本へ呼び寄せるための手続に関する統計。 原則的な海外申請ルートを把握する際に参考となる。

在留資格変更許可人員 すでに日本に在留している人が、別の在留資格へ変更を許可された人数。 短期滞在から変更する場合も、制度上は変更申請の枠組みに入る。

在留資格取得許可人員 日本で出生した子など、在留資格を取得する手続に関する統計。 配偶者本人ではなく、実子の在留資格取得と関係することがある。

新規入国者数 その在留資格で新たに日本へ入国した人数。 海外から「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」として入国した人数を把握できる。

在留外国人数 ある時点で日本に在留している外国人の人数。 現在日本に生活基盤を置いている人数を把握する統計。

 

ここで大切なのは、「申請件数」と「許可件数」と「在留している人数」は同じではないという点です。また、公表統計上、すべての統計が配偶者・実子別に分かれているわけではありません。分かる範囲と分からない範囲を明確に分けて読むことが、統計を正しく理解するうえで重要です。

6. 「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」のデータ概況

出入国在留管理庁の資料によると、2024年における「日本人の配偶者等」の在留資格による新規入国者数は7,345人、「永住者の配偶者等」の在留資格による新規入国者数は1,944人です。これらは海外から当該在留資格で新たに入国した人数であり、在留資格変更許可や在留資格取得許可とは別の統計です。

在留資格(2024年) 新規入国者数 補足

日本人の配偶者等 7,345人 日本人の配偶者、実子、特別養子などを含む在留資格。

永住者の配偶者等 1,944人 永住者・特別永住者の配偶者、日本で出生し引き続き在留する子などを含む在留資格。

定住者 11,248人 日系人、定住者告示該当者、離婚・死別後の在留方針等で問題となることがある在留資格。

 

このように、配偶者系在留資格は、海外からの呼び寄せ、日本国内での変更、日本で出生した子の在留資格取得、更新など、複数の入口を通じて在留につながります。短期滞在からの変更申請を検討する場合も、単に「配偶者ビザを取りたい」という話ではなく、現在の在留状況、家族構成、子どもの出生地、生活拠点、今後の生活設計を含めて整理する必要があります。

7. 短期滞在から変更を検討する際に整理すべき事情

やむを得ない特別の事情に該当するかどうかは、個別事情によって判断されます。実務上は、少なくとも次の視点から、出国が家族生活にどのような具体的支障を生じさせるのかを整理することが重要です。

整理すべき事情 確認する内容

婚姻の真実性 交際経緯、婚姻までの流れ、同居状況、双方親族との関係、生活実態。

日本人配偶者の生活状況 勤務時間、出張、夜間・休日対応、育児・介護との両立状況。

子どもの養育環境 子どもの年齢、保育施設の利用、送迎、日常生活、申請人が出国した場合の影響。

海外生活基盤の整理状況 退職、住居解約、荷物整理、再度海外で生活拠点を確保する現実的負担。

日本での生活基盤 住居、生計、身元保証、家族としての生活設計、今後の就労予定。

在留状況の適正性 短期滞在での入国目的、滞在中の活動、在留期限、過去の在留歴。

 

重要なのは、「大変そうだから」ではなく、「申請人が出国すると、誰に、どのような支障が、いつ、どの程度生じるのか」を、審査官が具体的に理解できるようにすることです。

8. 理由書で避けるべきNG表現

避けたい表現 問題点 改善の方向性

日本人と結婚したので変更してください。 婚姻事実だけでは、短期滞在から変更すべき理由の説明として不十分。 婚姻の真実性に加え、出国した場合の具体的支障を説明する。

海外に戻るのが面倒です。 費用や手間だけを理由にすると、制度上の原則を軽視している印象を与えやすい。 家族生活、子どもの養育、配偶者の勤務など、実質的な必要性を整理する。

子どもがいるので当然許可されるはずです。 子どもの存在だけで結論が決まるわけではない。 年齢、保育状況、送迎、養育分担、出国時の影響を具体的に説明する。

日本で就職したいので変更したいです。 「日本人の配偶者等」の申請では、婚姻・家族生活の実体が中心。就職希望だけでは理由になりにくい。 家族として日本で生活する必要性、生計の見通し、就労予定を分けて説明する。

 

理由書では、制度への理解、事実関係の正確さ、家族生活への具体的影響、資料との整合性が重要です。審査官に「事情は分かるが、根拠が薄い」と受け取られないよう、書面と資料を一体として整える必要があります。

9. 立証資料のチェックリスト

個別事情により必要資料は異なりますが、短期滞在から「日本人の配偶者等」への変更申請では、次のような資料を検討します。

在留資格変更許可申請書、写真、パスポート、在留カード又は短期滞在の証印等

日本人配偶者の戸籍謄本、住民票、身元保証書

外国側の婚姻証明書、出生証明書、独身証明書等及び日本語訳

質問書、交際経緯・婚姻経緯を説明する資料

夫婦の写真、通信履歴、渡航記録、送金記録など婚姻の実体を示す資料

日本での住居、生計、課税・納税、勤務状況を示す資料

子どもの出生・保育・送迎・養育状況に関する資料

日本人配偶者の勤務時間、出張、夜間対応などを説明する資料

海外での退職、住居解約、生活基盤整理を示す資料

短期滞在中の活動状況、入国後の経緯、出国した場合の支障を説明する理由書

提出資料は多ければよいというものではありません。重要なのは、申請の要点に関係する資料を、審査官が確認しやすい順番で整理し、理由書の記載と矛盾しないように整えることです。

10. 行政書士に相談するメリット

短期滞在からの変更申請は、通常の配偶者ビザ申請よりも、理由書の構成と資料選定が重要になります。専門家に相談することで、次のような点を整理しやすくなります。

短期滞在からの変更申請を選ぶべきか、海外からの在留資格認定証明書交付申請を選ぶべきかを整理できる。

家族の事情を、審査官に伝わる法律・制度に沿った表現へ整えられる。

婚姻の真実性、生活基盤、やむを得ない事情を、資料と理由書で矛盾なく立証できる。

在留期限が迫っている場合でも、優先順位をつけて準備を進めやすくなる。

特に、短期滞在の在留期限が迫っている場合、準備に使える時間は限られています。自己判断で進める前に、早い段階で制度上の可否、必要資料、申請方針を確認することが重要です。

11. よくある質問

Q1. 短期滞在から「日本人の配偶者等」へ変更すれば、必ず許可されますか?

いいえ。短期滞在からの変更は例外的な取扱いであり、やむを得ない特別の事情が必要です。婚姻が成立しているだけでは足りず、家族生活上の具体的支障を説明する必要があります。

Q2. 在留資格認定証明書が交付されれば、短期滞在から変更できますか?

単に日本滞在中に在留資格認定証明書が交付されたというだけでは、やむを得ない特別の事情に当然該当するわけではありません。変更申請をする場合には、別途、日本で変更申請を行う必要性を説明する必要があります。

Q3. 子どもの保育園の送迎や配偶者の仕事は理由になりますか?

事情の一つになり得ます。ただし、「送迎がある」「仕事が忙しい」と書くだけでは不十分です。勤務時間、出張、夜間対応、子どもの年齢、保育施設の利用状況などを具体的に整理し、申請人が出国した場合の支障を説明する必要があります。

Q4. 国際結婚の離婚件数が多いと、配偶者ビザの審査は厳しくなりますか?

統計だけで個別審査が決まるわけではありません。ただし、入管は婚姻の実体を慎重に確認します。交際経緯、同居状況、生活実態、生計、過去の在留状況を丁寧に立証することが重要です。

Q5. 「永住者の配偶者等」と「日本人の配偶者等」は同じように考えてよいですか?

いずれも身分・地位に基づく在留資格で、就労制限がない点など共通点はありますが、対象者の範囲が異なります。永住者の配偶者等では、永住者・特別永住者の配偶者や、日本で出生して引き続き在留している子などが対象になります。

おわりに:短期滞在からの変更は「例外」だからこそ、丁寧な説明が必要です

短期滞在から「日本人の配偶者等」への変更は、制度上まったく不可能な手続ではありません。しかし、原則は海外からの在留資格認定証明書交付申請であり、国内変更は例外です。だからこそ、理由書では「結婚したから日本にいたい」という希望だけでなく、出国した場合に家族生活へ具体的支障が生じることを、資料とともに説明する必要があります。

国際結婚の公的統計を見ると、毎年一定数の国際結婚があり、その国籍構成も多様です。一方で、離婚や在留資格の変更・取得に関する統計を見ると、配偶者系在留資格は、単なる婚姻届の問題ではなく、家族の実体、生活基盤、在留状況を総合的に確認される分野であることが分かります。

世田谷区大原の行政書士鈴木茂事務所では、短期滞在からの在留資格変更、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、永住許可申請など、国際結婚・家族関係に関する入管手続を専門的に取り扱っています。短期滞在中の変更申請を検討している方、海外申請にすべきか国内変更にすべきか迷っている方は、申請前の段階でご相談ください。家族の事情を丁寧に整理し、制度に沿った最善の申請方針をご提案いたします。

参考公的情報

本記事の制度説明および統計の整理にあたっては、以下の公的情報を参照しています。

出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」

出入国在留管理庁「在留資格『短期滞在』」

出入国在留管理庁「在留資格『日本人の配偶者等』」

出入国在留管理庁「在留資格『永住者の配偶者等』」

出入国在留管理庁「出入国在留管理をめぐる近年の状況(令和7年版出入国在留管理白書)」

厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」

e-Stat「人口動態調査 人口動態統計 確定数 婚姻 9-18」

e-Stat「人口動態調査 人口動態統計 確定数 離婚 10-13」

e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」

 

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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