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【2026年最新】高度専門職1号ロとは?
年収・職歴・昇進でポイントが上がる外国人材の申請戦略
このような相談は、今後ますます増えていくと考えられます。日本で働く外国人材の中には、既に専門的な経験を積み、企業の海外展開や国際営業、マーケティング、IT、研究開発、経営戦略などを担っている方が少なくありません。そのような方にとって、「高度専門職1号ロ」は、単なる在留資格変更ではなく、将来のキャリア形成や永住許可申請にもつながる重要な選択肢となります。
ただし、高度専門職1号ロは、年収が高ければ当然に許可される制度ではありません。学歴、職歴、年収、日本語能力、職務内容、勤務先での役割、提出資料の整合性を総合的に立証する必要があります。本記事では、制度の基本から、年収増額・昇進がある場合の申請上の注意点、追加資料対応、将来の永住許可申請まで、国際業務専門の行政書士の視点で分かりやすく解説します。
1 高度専門職1号ロとは
出入国在留管理庁の制度上、「高度専門職1号」は、我が国の学術研究や経済の発展に寄与することが見込まれる高度の専門的能力を持つ外国人の受入れを促進するため、一般的な就労資格よりも活動制限を緩和した在留資格です。学歴、職歴、年収などの項目ごとにポイントを付け、その合計が一定点数以上に達した人が対象となります。
高度専門職1号には、主に次の3つの類型があります。
【高度専門職1号の3類型】
・高度専門職1号イ:大学教授、研究者などを想定した高度学術研究活動
・高度専門職1号ロ:企業で専門的知識・技術を活かして働く人材を想定した高度専門・技術活動
・高度専門職1号ハ:会社経営者、管理職などを想定した高度経営・管理活動
このうち「高度専門職1号ロ」は、企業等との契約に基づき、自然科学又は人文科学の分野に属する専門的な知識又は技術を必要とする業務に従事する活動です。ITエンジニア、研究開発職、海外営業、国際マーケティング、経営企画、専門コンサルティングなど、幅広い職種が検討対象となります。
2 なぜ「技術・人文知識・国際業務」から高度専門職1号ロを目指すのか
高度専門職1号ロを目指す方の多くは、既に「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で日本に在留している方です。現在の職務に専門性があり、学歴・職歴・年収などのポイントが70点以上に達する場合、高度専門職への変更を検討する価値があります。
令和7年6月末現在、在留外国人数は395万6,619人で過去最高を更新しており、在留資格別では「技術・人文知識・国際業務」が45万8,109人と、就労系在留資格の中でも非常に大きな割合を占めています。また、台湾籍の在留者数も7万1,125人となっており、台湾出身者が日本の企業で専門職として活躍するケースも珍しくありません。
一方で、高度専門職1号ロは、技術・人文知識・国際業務よりも要件確認が細かく、申請資料の整合性がより重視されます。特に年収、職務内容、勤務先での役割について、資料間にずれがあると、追加資料を求められることがあります。
3 高度専門職1号ロの主なメリット
高度専門職1号ロには、一般的な就労資格にはない優遇措置があります。制度上の主なメリットは、次のとおりです。
• 在留期間「5年」が付与される
• 一定の条件の下で、複合的な在留活動が認められる
• 在留歴に係る永住許可要件が緩和される可能性がある
• 配偶者の就労について優遇措置がある
• 一定の条件の下で親の帯同や家事使用人の帯同が認められる場合がある
• 入国・在留手続の優先処理の対象となる
特に実務上大きいのは、在留期間5年と、永住許可申請への道筋です。高度人材外国人として永住申請を行う場合、ポイント計算で70点以上又は80点以上を有しているか、その点数をどの時点で満たしていたかが重要になります。将来の永住申請を視野に入れるのであれば、高度専門職への変更時点から、年収、職務内容、納税・年金・健康保険、在留状況を丁寧に管理しておく必要があります。
4 年収が上がると高度専門職1号ロに近づくのか
結論からいうと、年収が上がることは高度専門職1号ロの申請において重要なプラス要素になり得ます。しかし、年収だけで判断されるわけではありません。高度人材ポイント制では、年収は学歴・職歴・年齢などとともにポイント計算の一項目です。年収が増えることで合計点が70点以上に達する場合がありますが、同時に、その年収額が本当に支払われる合理的な見込みがあるか、職務内容や役職に見合うかが問われます。
たとえば、昇進により年収が大きく上がる場合、申請書、雇用契約書、給与見込証明書、会社の説明書、社内の役職や職務分掌に関する資料の内容が一致している必要があります。入管審査では、資料間に矛盾や不自然な差がある場合、追加資料として「なぜ年収が異なるのか」「その年収見込みの根拠は何か」を説明するよう求められることがあります。
5 年収見込みを使う場合に必要な説明
年収見込みを前提にポイント計算を行う場合、単に「今後は年収800万円になります」と書くだけでは不十分です。実務上は、少なくとも次のような点を整理しておくべきです。
【年収見込みを使う場合に整理すべき事項】
・昇進・役職:どのような役職に就くのか、従来業務と何が変わるのか
・職責の拡大:担当市場、部下・チーム、売上責任、企画責任などがどの程度拡大するのか
・過去の実績:海外売上、契約実績、商談件数、PR実績、マーケティング成果など
・会社の必要性:なぜその外国人材でなければならないのか、会社の事業戦略とどう結びつくのか
・給与水準の合理性:社内の役職水準、報酬規程、会社の経営判断との整合性があるか
・資料間の整合性:申請書、雇用契約書、給与証明、理由書、補足説明書の内容に矛盾がないか
特に、給与見込証明書と申請書・雇用契約書の年収額が異なる場合は、その差額の理由を明確に説明する必要があります。昇進前の契約書、昇進後の給与見込み、役職変更、会社の決定時期などを丁寧に整理しなければ、審査官から見ると「ポイント獲得のために年収だけを高く見せているのではないか」と疑われるおそれがあります。
6 実例:海外マーケティング人材が高度専門職1号ロを取得したケース
当事務所でサポートした事例では、台湾出身の女性が、神奈川県内のレジャー・宿泊関連企業に勤務し、海外マーケティング、国際営業、PR戦略、SNS運用、インフルエンサー連携、自治体との観光連携などを担当していました。
申請人は、台湾での観光・サービス業、営業、空港インフォメーション、日本での営業・SNSマーケティングを経て、現在の会社で海外事業の中核を担うようになりました。日本語・中国語・英語を使い分けながら、海外旅行会社との商談、欧米メディアへのPR、海外展示会への参加、地域観光事業との連携を進めており、会社としても今後の国際展開に欠かせない人材として評価していました。
申請では、当初、年収見込みに関する説明について追加資料を求められました。そこで、会社の海外事業計画、過去の海外売上、展示会出展後の商談状況、役職予定、社内での位置付け、今後担う職務を整理した補足説明書を提出しました。その結果、「高度専門職1号ロ」への在留資格変更許可を受けることができました。
この事例のポイントは、単に年収が高くなったことではなく、年収増額の背景として、職責の拡大、過去の実績、会社の国際戦略上の必要性を客観的に説明できたことです。高度専門職1号ロでは、数字だけでなく、その数字を支える事実関係が重要になります。
7 高度専門職1号ロで不許可・追加資料になりやすいポイント
• ポイント計算表の点数は足りているが、職務内容が専門的な業務として十分に説明されていない
• 年収見込みの根拠が弱く、会社の正式な決定であることが分からない
• 申請書、雇用契約書、給与見込証明書、理由書の内容が一致していない
• 過去の職歴と現在の職務の関連性が整理されていない
• 勤務先の事業内容や申請人の社内での役割が抽象的で、審査官に伝わりにくい
• 将来の永住申請を見据えた納税・年金・健康保険の確認が不十分である
高度専門職1号ロの審査では、通常の就労資格以上に「なぜこの人が高度人材といえるのか」を具体的に示すことが求められます。会社のパンフレットや雇用契約書だけでなく、業績資料、職務分掌、組織図、海外営業資料、PR実績、商談資料など、職務の高度性を裏付ける資料を組み合わせることが有効です。
8 将来の永住許可申請まで見据えることが大切
高度専門職1号ロを取得した後、多くの方が次に意識するのが永住許可申請です。出入国在留管理庁は、高度人材外国人として永住許可申請を行う場合、ポイント計算で70点以上又は80点以上を有する方について、通常の就労資格とは異なるルートを設けています。
ただし、永住許可申請では、ポイントだけでなく、素行善良要件、独立生計要件、国益適合要件、納税、年金、健康保険、在留状況、家族状況などが厳格に確認されます。高度専門職1号ロを取得できたからといって、永住が自動的に許可されるわけではありません。
そのため、高度専門職1号ロへの変更申請の時点から、将来の永住申請で問題になり得る点を洗い出し、年収、職務内容、勤務実態、公的義務の履行状況を整えておくことが重要です。
9 高度専門職1号ロの申請で準備したい資料
• 在留資格変更許可申請書
• 高度専門職ポイント計算表
• 学歴を証明する資料
• 職歴を証明する資料
• 雇用契約書又は労働条件通知書
• 給与見込証明書、年収証明書、源泉徴収票等
• 在職証明書、職務内容説明書、組織図
• 勤務先の事業内容を説明する資料
• 申請人の実績を示す資料(営業実績、PR実績、商談資料、メディア掲載資料等)
• 年収増額や昇進がある場合の補足説明書
必要書類は、申請人の状況や勤務先の内容によって変わります。特に、年収見込みを使う場合や、昇進直後に申請する場合は、通常よりも丁寧な資料作成が必要です。
10 よくあるご質問
Q1. 高度専門職1号ロは、大企業勤務でないと難しいですか?
大企業勤務であること自体が必須条件ではありません。中小企業や地域企業であっても、申請人が専門性の高い業務を担い、ポイント計算上の要件を満たし、会社としての必要性を説明できれば、検討対象となります。
Q2. 昇進予定でも申請できますか?
可能性はあります。ただし、昇進予定が会社として正式に決定していること、職務内容や給与見込みに合理的な根拠があることを資料で示す必要があります。
Q3. 年収800万円以上でないと高度専門職1号ロは難しいですか?
必ずしも年収800万円以上が絶対条件というわけではありません。ポイントは学歴、職歴、年齢、年収、日本語能力などの合計で判断されます。ただし、年収は重要な加点要素であり、年齢や他の項目との関係で結果に大きく影響します。
Q4. 追加資料の通知が来た場合、どう対応すべきですか?
まず、入管が何を確認したいのかを正確に読み取ることが重要です。資料間の数字の違い、職務内容の不明確さ、勤務先の事業内容の説明不足など、論点を絞って補足説明書と客観資料を整える必要があります。
Q5. 高度専門職1号ロを取得すれば、永住申請は必ず許可されますか?
必ず許可されるわけではありません。高度人材としてのポイントは重要ですが、永住許可申請では納税、年金、健康保険、素行、収入の安定性、在留状況なども総合的に審査されます。
おわりに:高度専門職1号ロは「点数」だけでなく「ストーリー」と「証拠」が重要です
高度専門職1号ロの申請では、ポイント計算表の点数だけを見て判断すると危険です。なぜその職務が高度専門・技術活動に該当するのか、なぜその年収が合理的なのか、なぜ会社にとってその外国人材が必要なのかを、審査官に分かりやすく伝える必要があります。
特に、昇進や年収増額を機に申請する場合は、申請書、雇用契約書、給与見込証明書、職務内容説明書、会社の補足説明書の整合性が重要です。ここがずれていると、追加資料を求められたり、不許可リスクが高まったりします。
行政書士鈴木茂事務所では、技術・人文知識・国際業務から高度専門職1号ロへの変更申請、ポイント計算の確認、年収見込みの説明、追加資料対応、将来の永住申請を見据えた在留戦略まで、国際業務専門の行政書士として丁寧にサポートいたします。高度専門職の申請をご検討の方は、まずは現在の点数、職務内容、年収、永住までの道筋を一緒に確認していきましょう。
参考公的資料
• 出入国在留管理庁「在留資格『高度専門職』(高度人材ポイント制)」
• 出入国在留管理庁「高度人材ポイント制Q&A」
• 出入国在留管理庁「永住許可申請4(高度人材外国人として永住許可申請を行う場合)」
• 出入国在留管理庁「令和7年6月末現在における在留外国人数について」
【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
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