〒156-0041 東京都世田谷区大原1-22-16
受付時間 | 平日9:00~20:00 土曜・日曜・祝日9:00~20:00 |
|---|
アクセス | 下北沢駅東口から徒歩10分 笹塚駅改札口から徒歩10分 |
|---|
在留期限が迫るのに会社が書類を出してくれない――本人が先にできる申請準備
在留資格(ビザ)の更新や変更の期限が刻一刻と迫っているにもかかわらず、勤務先の企業から必要な書類(直近の決算書や法定調書合計表、会社側の理由書など)が一向に発行されず、生きた心地がしないというご相談をいただくことが多くあります。
会社が書類を出してくれない理由は、「総務担当者が公務員手続きに慣れておらず後回しにされている」という単純な怠慢から、「会社の業績が著しく悪化しており決算書を見せたくない」「社内で外国人雇用の継続について意見が割れている」といった深刻な内部事情まで多岐にわたります。しかし、どのような理由であれ、在留期限が1日でも過ぎてしまえば、オーバーステイという取り返しのつかない不利益を被るのは会社ではなく「外国人本人」です。
会社の書類が揃わないからといって、ただ待っているだけで期限を迎えることは絶対に避けてください。書類が不完全な状態であっても、本人が主導して在留資格を守るための「危機管理としての先行申請実務」を詳しく解説します。
1. 危機管理の鉄則:書類がゼロでも「期限内の申請」を最優先する
入管実務における絶対のルールは、「どれだけ未完成の書類であっても、現在の在留期限の満了日までに、入管の窓口へ申請書を提出し、受付を受理してもらうこと」です。
「全ての書類が完璧に揃わなければ入管は受け付けてくれない」と思い込んでいる方が多いですが、それは間違いです。期限内に申請書の1枚目(本人記入用)だけでも提出し、受領印や受付番号を確保できれば、その瞬間に前述の「2ヶ月間の特例期間」が法律上スタートします。これにより、ひとまず不法滞在になるリスクを完全に回避し、不足書類を準備するための「時間的猶予」を合法的に勝ち取ることができるのです。
2. 会社書類なしで入管の窓口を突破するための「申立書」の作成
手ぶらで入管へ行き「会社が書類をくれません」と口頭で訴えるだけでは、窓口の担当者も申請を受け付けるべきか判断に困ってしまいます。そこで、実務上は「資料提出遅延に関する申立書(理由書)」を本人の名義で作成し、申請書と一緒に提出します。
書面には、以下の事実を誠実に、かつ客観的な証拠を添えて記載します。
• これまでの請求の経緯: 「〇月〇日、および〇月〇日に、社内の総務部(担当者〇〇氏)に対して、更新に必要な決算書等の発行を文書で依頼した」という事実。
• 遅延している理由: 会社から言われている理由(例:「現在決算の確定作業中であるため」「社内決裁に時間を要しているため」など)をそのまま記載します。
• 証拠の添付: 会社に対して書類を催促した際のメールの履歴(スクリーンショット)や、社内チャットの文章を印刷して添付します。これによって、「本人は期限を守るために最大限の努力をして会社に働きかけている」という事実を入管の公式記録に残します。
3. 入管から会社への「直接の督促」という実務効果
この「申立書」付きの先行申請が受理されると、入管はしばらくの間審査を保留し、後日、本人宛てに「〇月〇日までに不足している会社側の資料を出してください」という「追加資料提出通知書」を発行します。
この通知書は、国(入国管理局)からの公的な命令書です。これを受け取ったら、そのまま会社の経営陣や上司へ見せてください。「入管からこのように正式な提出命令が出ました。これを出さなければ私のビザは不許可になり、会社も不法就労助長罪に問われる可能性があります」と提示することで、それまで動かなかった会社の総務部や経営者が、事の重大さに気づき、最優先で書類を発行してくれるようになるケースが非常に多いのです。
よくある質問と実務回答
会社に何度もお願いしているのに、「決算書は会社の秘密だから渡せない」と拒否されてしまいました。どうすればいいですか?
入管の審査要領では、企業の経営機密を守るための配慮がなされています。決算書などのセンシティブな書類については、会社が用意した封筒に書類を入れ、封印(会社の割印)をした状態で本人に渡してもらい、本人はその「開封厳禁の封筒」を開けずに入管へそのまま提出するという方法(封緘提出)が実務上認められています。「中身は入管の審査官しか見ませんし、社外に漏れることはありません」というこの仕組みを会社の担当者へ丁寧に伝え、安心してもらう交渉を行ってください。
不足書類の提出期限(追加資料の期日)が来ましたが、それでも会社が書類を出してくれません。もう転職するしかありませんか?
これ以上の猶予が難しい段階に至った場合、現在の会社での更新は不許可になる可能性が高いため、「就職活動のための特定活動」への切り替えや、速やかな転職活動への舵切りを現実的に検討する必要があります。ただし、ただ会社が悪いと泣き寝入りするのではなく、労働基準監督署や行政書士などの専門家を交えて会社と交渉し、「退職を前提とする代わりに、現在の在留資格を維持するために必要な最低限の在職証明書だけは発行してもらう」といった、在留資格を守るための法的な着地点を探る実務が必要になります。
派遣会社から派遣されて働いていますが、派遣元と派遣先のどちらに書類を頼めばいいのか分からず、時間が過ぎてしまいました。
就労ビザの更新において、入管法上の「所属機関(雇用主)」は、あなたと直接の雇用契約を結んで給与を支払っている「派遣元(派遣会社)」です。したがって、決算書や法定調書合計表などの重要書類は、派遣先ではなく派遣元の本社に請求しなければなりません。派遣先の現場の責任者にいくら頼んでも書類は出てきませんので、ただちに派遣元の外国人雇用管理の専門窓口へ連絡を入れてください。
行政書士鈴木茂事務所からのメッセージ
会社の都合や怠慢によって、自分の日本でのビザ(人生)が危機に瀕するというのは、理不尽であり、これほど不条理で悔しいことはありません。夜も眠れないほどの恐怖を感じているお気持ち、本当によく分かります。
しかし、会社が動いてくれないからといって、あなたが諦める必要は全くありません。入管の制度には、真面目に働いている個人を会社の横暴から守るためのアプローチが必ず残されています。当事務所では、会社に対する法的な根拠に基づいた書類請求の文面の作成から、入管の窓口を突破するための「先行申請用の上申書」の構築、さらには会社への直接の交渉アドバイスまで、あなたの盾となって全面的にサポートいたします。期限が切れるその前に、一刻も早く私にその状況をご相談ください。
• 公的リファレンス・参照一次情報:
o 出入国在留管理庁「在留資格更新許可申請の手続きおよび添付書類一覧」
o 労働基準法第22条(退職時等の証明・在職証明書の発行義務に関する条文)
o 入国審査要領(資料不足のまま受理された申請の補完取扱い基準)
【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
お電話でのお問合せ・相談予約
<受付時間>
平日9:00~20:00/土曜・日曜・祝日9:00~20:00
フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。
〒156-0041
東京都世田谷区大原1-22-16
下北沢駅東口から徒歩10分
笹塚駅改札口から徒歩10分
平日9:00~20:00
土曜・日曜・祝日9:00~20:00
なし