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2026年改訂版|永住許可ガイドラインの重要ポイントを行政書士がわかりやすく解説
日本で長く生活している外国人の方にとって、「永住許可申請」は将来の生活や仕事、家族の安定に大きく関わる重要な手続きです。
永住許可を受けると、在留資格は「永住者」となり、在留期間の更新許可申請が不要になります。また、就労系在留資格のような活動内容の制限もなくなるため、日本で長期的に生活基盤を築きたい方にとって大きなメリットがあります。
一方で、永住許可は、単に日本に長く住んでいれば当然に認められるものではありません。
出入国在留管理庁が公表している「永住許可に関するガイドライン」では、素行、収入・生活の安定性、公的義務の履行、現在の在留資格、在留期間など、重要な審査上の考え方が示されています。なお、同ガイドラインは令和8年2月24日に改訂されています。
この記事では、2026年5月時点の公表情報を踏まえ、永住許可ガイドラインの重要ポイントを行政書士がわかりやすく解説します。
永住許可の基本となる3つの要件
永住許可に関するガイドラインでは、法律上の要件として、主に次の3つが示されています。
1 素行が善良であること
「素行が善良であること」とは、法律を守り、日常生活においても社会的に非難されることのない生活を営んでいることを意味します。
たとえば、犯罪歴、罰金刑、交通違反の状況、入管法上の届出義務違反などが問題となる場合があります。
軽微な違反が直ちに不許可につながるとは限りませんが、違反の内容、回数、時期、反省状況などによっては、慎重な説明が必要になります。
2 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
永住許可申請では、日本で安定して生活していけるだけの収入、資産、職業上の能力があるかも重要です。
ガイドラインでは、日常生活において公共の負担にならず、保有する資産や技能などから見て、将来にわたり安定した生活が見込まれることが求められています。
会社員の場合は、年収、雇用の安定性、扶養家族の人数などが確認されます。
会社役員、経営者、個人事業主の場合は、本人の所得だけでなく、事業の継続性、決算状況、納税状況、役員報酬、事業実態なども重要になります。
3 その方の永住が日本国の利益に合すると認められること
この要件では、日本での在留年数、公的義務の履行、現在の在留資格、在留期間、法務省令で定める基準への適合性などが確認されます。
原則として、引き続き10年以上日本に在留していることが必要です。さらに、その期間のうち、就労資格または居住資格をもって引き続き5年以上在留していることが求められます。ただし、「技能実習」および「特定技能1号」は、この就労資格から除かれています。
重要ポイント1 税金・年金・健康保険の納付期限が非常に重要
永住許可申請では、税金、公的年金、公的医療保険の保険料などの公的義務を適正に履行しているかが非常に重要です。
特に注意すべき点は、申請時点で納付済みであっても、当初の納付期限内に納付されていない場合には、原則として消極的に評価されるとガイドラインで示されていることです。
つまり、単に「未納がない」というだけでは十分とは限りません。
たとえば、次のような点を確認する必要があります。
住民税を期限内に納付しているか
国民年金または厚生年金の納付状況に問題がないか
国民健康保険または社会保険の加入・納付状況に問題がないか
転職、退職、扶養変更などの時期に未納や空白期間がないか
確定申告、住民税申告、扶養控除の内容に不自然な点がないか
永住申請では、税金・年金・健康保険の資料を複数年分確認されることがあります。
そのため、申請前に過去の納付状況を丁寧に確認し、不利な事情がある場合には、理由書や説明書で事実関係を整理することが重要です。
重要ポイント2 現在の在留期間は「3年」でも申請できる場合がある
永住許可ガイドラインでは、現在有している在留資格について、原則として最長の在留期間をもって在留していることが要件とされています。
もっとも、令和9年3月31日までの間は、在留期間「3年」を有する場合について、ガイドライン上の一定の取扱いが示されています。具体的には、令和9年3月31日までの間、在留期間「3年」を有する場合は、「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うとされています。
また、令和9年3月31日時点で在留期間「3年」を有する方については、当該在留期間内に処分を受ける場合、その初回に限り同様に取り扱うことも示されています。
この点は、永住許可申請を検討している方にとって非常に重要です。
「5年の在留期間がないと永住申請はできない」と思い込んでいる方もいますが、現在のガイドライン上は、一定期間について「3年」の在留期間に関する取扱いが明記されています。
ただし、これは「3年であれば必ず許可される」という意味ではありません。
在留年数、収入、公的義務の履行、素行、家族状況、出国日数、提出資料の整合性など、他の要件を総合的に満たしているかが重要です。
重要ポイント3 原則10年在留には特例がある
永住許可申請では、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要です。
しかし、ガイドラインでは、一定の場合に「原則10年在留」に関する特例が示されています。
日本人・永住者・特別永住者の配偶者の場合
日本人、永住者、特別永住者の配偶者については、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していることが特例として示されています。
また、その実子等については、1年以上日本に継続して在留していることが示されています。
定住者の場合
「定住者」の在留資格を有する方については、定住者として5年以上継続して日本に在留していることが特例として示されています。
高度人材ポイント70点以上の場合
高度人材ポイント制で70点以上を有する方については、一定の要件を満たすことで、3年以上の継続在留により永住許可申請を検討できる場合があります。
高度人材ポイント80点以上の場合
高度人材ポイント制で80点以上を有する方については、一定の要件を満たすことで、1年以上の継続在留により永住許可申請を検討できる場合があります。
高度人材ポイントを利用した永住許可申請では、申請時点だけでなく、1年前または3年前の時点でのポイントも問題となる場合があります。
そのため、年収、学歴、職歴、資格、研究実績、役職、年齢などを正確に確認し、ポイント計算の根拠資料を整える必要があります。
重要ポイント4 配偶者や子の場合でも、何でも免除されるわけではない
ガイドラインでは、日本人、永住者、特別永住者の配偶者または子については、「素行が善良であること」および「独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること」への適合を要しないとされています。
ただし、これは「審査が簡単になる」「必ず許可される」という意味ではありません。
実務上は、婚姻の実体、同居状況、世帯収入、扶養状況、税金・年金・健康保険、出国日数、在留状況などが確認されます。
特に、配偶者ビザから永住申請をする場合には、婚姻生活の実体や安定性が重要です。
また、別居期間がある場合、出国日数が多い場合、収入が不安定な場合、税金や社会保険に不備がある場合には、理由書や補足資料による説明が必要になることがあります。
重要ポイント5 チェックシートで確認しても「許可」が保証されるわけではない
出入国在留管理庁は、永住許可申請前に、申請人の在留資格に応じたチェックシートで要件を確認するよう案内しています。
また、チェックシートで1つでも「いいえ」に該当した場合、永住許可申請は不許可となる可能性が高いとされています。
一方で、チェックシートに「いいえ」がなかったとしても、許可を約束するものではないとも案内されています。
つまり、永住許可申請では、形式的にチェック項目を満たしているように見えても、個別事情によっては追加資料が求められたり、不許可となる可能性があります。
たとえば、次のようなケースでは注意が必要です。
年収はあるが扶養家族が多い
納税証明書上は未納がないが、過去に納付遅れがある
転職や退職により収入が一時的に不安定になっている
出国日数が多く、日本での生活基盤に疑問を持たれる可能性がある
交通違反や罰金歴がある
会社経営者で、決算内容や役員報酬に不安がある
高度人材ポイントの計算根拠に不明確な点がある
永住許可申請では、「要件を満たしているか」だけでなく、「その要件をどの資料で、どのように説明するか」が重要です。
重要ポイント6 提出書類は在留資格や身分関係によって異なる
永住許可申請の提出書類は、申請人の現在の在留資格や身分関係によって異なります。
出入国在留管理庁は、永住許可申請について、在留資格や身分・地位に応じた資料を提出する必要があると案内しています。具体的には、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、就労関係の在留資格、家族滞在、高度人材外国人、特別高度人材などに分けて提出資料が案内されています。
一般的には、次のような資料が必要になります。
永住許可申請書
写真
住民票
職業を証明する資料
所得・納税状況を証明する資料
年金・健康保険に関する資料
身元保証書
身元保証人に関する資料
了解書
パスポート・在留カード
理由書・説明書・補足資料
ただし、必要書類は個別事情によって変わります。
たとえば、会社員、会社役員、個人事業主、配偶者ビザの方、高度人材ポイントを利用する方では、確認すべき資料や説明すべきポイントが異なります。
永住許可申請で行政書士に相談した方がよいケース
永住許可申請は、ご自身で申請することも可能です。
しかし、次のような事情がある場合には、申請前に行政書士へ相談することをおすすめします。
税金、年金、健康保険に未納や納付遅れがある
転職、退職、育児休業、休職などがある
収入や扶養人数に不安がある
会社役員、経営者、個人事業主である
出国日数が多い
交通違反、罰金歴、前科前歴がある
配偶者ビザから永住申請を検討している
高度人材ポイントを利用して永住申請をしたい
過去に永住申請が不許可になった
追加資料提出通知が届いている
申請書類の整合性に不安がある
永住許可申請では、書類をそろえるだけではなく、申請人の状況を正確に整理し、審査官に誤解されないように説明することが重要です。
特に、不利な事情がある場合には、理由書や説明書で事実関係、経緯、現在の改善状況、今後の見通しを丁寧に説明する必要があります。
行政書士鈴木茂事務所の永住許可申請サポート
行政書士鈴木茂事務所では、永住許可申請について、申請人の在留状況、収入、税金、年金、健康保険、家族構成、出国日数、現在の在留資格などを丁寧に確認し、申請可能性を検討いたします。
当事務所では、単に書類を作成するだけではなく、申請人の事情を整理し、審査官に伝わりやすい申請書類一式となるようサポートいたします。
特に、次のようなご相談にも対応しています。
永住許可申請の要件確認
必要書類の整理
理由書・説明書の作成
高度人材ポイントを利用した永住申請
日本人の配偶者等・永住者の配偶者等からの永住申請
経営者・会社役員の永住申請
不許可後の再申請
追加資料提出通知への対応
永住許可申請に不安がある方は、申請前の段階で一度ご相談ください。
早い段階で問題点を確認し、必要な資料や説明方針を整理することで、より適切な申請準備につながります。
よくある質問
Q1 2026年改訂の永住許可ガイドラインでは何が重要ですか?
特に重要なのは、素行、独立生計、公的義務の履行、現在の在留資格・在留期間、原則10年在留の特例などです。
また、税金・年金・健康保険については、申請時点で納付済みであっても、本来の納付期限内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されると示されている点に注意が必要です。
Q2 3年の在留期間でも永住申請はできますか?
令和9年3月31日までの間は、在留期間「3年」を有する場合について、ガイドライン上、「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うことが示されています。
ただし、他の要件を満たす必要があり、「3年だから必ず許可される」という意味ではありません。
Q3 永住申請には必ず10年の在留が必要ですか?
原則として10年以上の継続在留が必要です。
ただし、日本人・永住者・特別永住者の配偶者、定住者、高度人材ポイントを有する方などには、原則10年在留に関する特例があります。
Q4 税金や年金を後から支払えば問題ありませんか?
申請時点で納付済みであっても、本来の納付期限内に履行されていない場合には、原則として消極的に評価されるとガイドラインで示されています。
そのため、未納だけでなく、納付遅れにも注意が必要です。
Q5 高度人材ポイント80点以上なら1年で永住申請できますか?
高度人材ポイント80点以上の場合、一定の要件を満たすことで、1年以上の継続在留により永住許可申請を検討できる場合があります。
ただし、申請時点だけでなく、1年前の時点でのポイント、継続性、根拠資料の整合性などを確認する必要があります。
まとめ
永住許可申請は、日本で長く安定して生活したい外国人の方にとって重要な手続きです。
令和8年2月24日に改訂された永住許可ガイドラインでは、素行、独立生計、日本国の利益への適合、公的義務の履行、原則10年在留の特例、3年の在留期間の取扱い、高度人材ポイントによる特例など、永住申請で重要となる考え方が示されています。
特に注意すべきポイントは、次のとおりです。
税金・年金・健康保険は、未納だけでなく納付期限も重要
3年の在留期間でも、一定期間は最長在留期間として取り扱われる場合がある
原則10年在留には、配偶者、定住者、高度人材などの特例がある
高度人材ポイントを利用する場合、過去時点のポイント計算も重要
チェックシートで問題がなくても、許可が保証されるわけではない
個別事情に応じた理由書・説明書・補足資料が重要になる
永住許可申請を検討されている方は、申請前にご自身の状況を正確に確認し、必要な資料を丁寧に準備することが大切です。
ご不安がある場合は、永住許可申請に詳しい行政書士へ早めにご相談ください。
本記事は、2026年5月時点の出入国在留管理庁の公表情報を踏まえて作成しています。
永住許可申請の要件や必要書類は、申請人の在留資格、家族状況、収入、納税状況、年金・健康保険の加入状況、出国日数などにより異なります。実際の申請にあたっては、最新の公表情報を確認し、個別事情に応じた判断が必要です。
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