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在留資格申請の「不許可」とは
在留資格申請の不許可とは、申請した在留資格について、入管が許可しない判断をした状態です。
主なものとして、次のようなケースがあります。
在留資格認定証明書交付申請が不交付になった
在留資格変更許可申請が不許可になった
在留期間更新許可申請が不許可になった
永住許可申請が不許可になった
就労資格証明書交付申請で希望する内容が認められなかった
このうち、特に注意が必要なのは、すでに日本にいる外国人の在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請が不許可になった場合です。
海外から呼び寄せる在留資格認定証明書交付申請、いわゆるCOE申請の不交付であれば、通常は日本での在留期限の問題は生じません。
一方、日本国内での変更申請や更新申請が不許可になった場合には、現在の在留期限、特例期間、出国準備、再申請の可否などを急いで確認する必要があります。
最初にすべきこと1 在留期限と現在の状態を確認する
不許可になったら、まず最初に確認すべきことは、現在の在留期限です。
在留期間更新許可申請は、現在の在留資格の活動を継続し、在留期間を超えて引き続き在留を希望する場合に行う申請で、申請期間は在留期間の満了日以前とされています。6か月以上の在留期間を有する方は、在留期間満了のおおむね3か月前から申請できます。
在留資格変更許可申請についても、在留資格の変更事由が生じたときから在留期間満了日以前に申請する手続とされています。なお、本来の在留資格に基づく活動を行っていない場合には、在留資格取消しの対象になる場合があります。
また、在留期間満了前に変更申請や更新申請を行い、その処分が在留期間満了日までになされない場合には、一定の特例期間が問題になります。出入国在留管理庁は、特例期間について、処分がされる時または在留期間満了日から2か月が経過する日の終了時までの取扱いを案内しています。
つまり、不許可後にまず確認すべきことは、次の点です。
現在の在留期限はいつか
特例期間中なのか
すでに在留期限を経過していないか
出国準備のための在留資格が付与されるのか
再申請できる時間があるのか
現在の活動を継続してよい状態なのか
在留期限の確認を後回しにすると、再申請の準備以前に、在留状態そのものが不安定になる可能性があります。
最初にすべきこと2 不許可理由を確認する
次に重要なのが、不許可理由の確認です。
不許可通知書だけを見ても、具体的にどこが問題だったのか十分に分からないことがあります。
そのため、実務上は、不許可後に地方出入国在留管理官署で不許可理由を確認することが非常に重要です。
出入国在留管理庁の職員インタビューでも、不許可となった場合には申請者に不許可理由の説明を行うことに触れられています。
不許可理由を聞かずに再申請してしまうと、前回と同じ問題を抱えたまま申請することになり、再び不許可となる可能性があります。
不許可理由を確認する際には、次のような点を意識することが重要です。
在留資格該当性が問題だったのか
上陸許可基準への適合性が問題だったのか
職務内容や活動内容が不明確だったのか
学歴・職歴との関連性が弱かったのか
婚姻実体や家族関係が疑問視されたのか
収入や生計の安定性が問題だったのか
納税・年金・健康保険など公的義務が問題だったのか
提出資料の不足や矛盾が問題だったのか
申請内容に虚偽や不自然な点があると判断されたのか
不許可理由は、再申請の方向性を決めるための出発点です。
ここを曖昧にしたまま再申請するのは、かなり危険です。
最初にすべきこと3 すぐに同じ内容で再申請しない
不許可になった直後は、焦ってすぐに再申請したくなる方も多いです。
しかし、前回と同じ内容、同じ資料、同じ説明で再申請しても、結果が変わる可能性は高くありません。
在留資格の変更・更新では、申請に係る活動が在留資格に該当することや、変更・更新を適当と認めるに足りる相当の理由があることが求められます。出入国在留管理庁のガイドラインでも、在留資格該当性は許可の必要要件であり、その他の事情についても総合的に判断するとされています。
したがって、再申請をする場合には、前回申請から何を改善したのかを明確にする必要があります。
たとえば、次のような改善が考えられます。
職務内容説明書を具体化する
雇用理由書で採用理由を整理する
学歴・職歴と職務内容の関連性を補強する
会社の事業内容や業務量を資料で示す
婚姻経緯や夫婦交流の証拠を追加する
収入・住居・生活費の見通しを補足する
納税・年金・健康保険の資料を整理する
不利な事情について理由書で説明する
虚偽や誤解を招く記載を修正する
再申請は「もう一度出すこと」ではなく、不許可理由を踏まえて、許可に近づけるために内容を組み直すことです。
最初にすべきこと4 申請類型ごとに対応を分ける
不許可対応では、どの申請が不許可になったのかによって、対応が大きく変わります。
1 在留資格認定証明書交付申請が不交付になった場合
海外にいる外国人を日本へ呼び寄せるCOE申請が不交付になった場合、まず確認すべきことは、不交付理由です。
よくある問題として、次のようなものがあります。
予定する活動内容が在留資格に該当しない
雇用先企業の事業内容や安定性が弱い
職務内容が専門的ではない
学歴・職歴との関連性が不十分
婚姻実体の説明が不足している
経営・管理の事業計画が不十分
資金の出所が不明確
提出資料に矛盾がある
COE申請の場合、日本国内の在留期限の問題は通常ありませんが、再申請では前回の不交付理由を踏まえた大幅な補強が必要になることがあります。
2 在留資格変更許可申請が不許可になった場合
在留資格変更許可申請は、日本にいる外国人が、在留目的を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合の申請です。出入国在留管理庁は、変更申請の審査基準として、行おうとする活動が虚偽でなく、入管法別表に掲げる活動または身分・地位に該当し、変更を適当と認めるに足りる相当の理由があることを示しています。
変更申請が不許可になった場合には、現在の在留資格で引き続き在留できるのか、現在の活動を継続してよいのか、在留期限までに再申請できるのかを確認する必要があります。
特に、留学から技人国への変更、短期滞在から配偶者ビザへの変更、家族滞在から就労系在留資格への変更などでは、現在の在留資格と実際の活動状況の整合性が問題になることがあります。
3 在留期間更新許可申請が不許可になった場合
在留期間更新許可申請は、現在の在留資格の活動を継続し、在留期限後も引き続き日本に在留するための手続です。更新申請の審査基準では、現在の活動が在留資格に該当し、更新を適当と認めるに足りる相当の理由があることが求められています。
更新が不許可になった場合は、非常に慎重な対応が必要です。
なぜなら、すでに日本で生活している方の在留継続に直接関わるからです。
確認すべき点は、次のとおりです。
不許可理由は何か
在留期限または特例期間はいつまでか
再申請の余地があるか
出国準備のための在留資格が問題になるか
生活・勤務・学校・家族への影響をどう整理するか
会社側・学校側・家族側の対応が必要か
更新不許可の場合、対応の遅れがそのまま在留状態に影響することがあるため、特に早めの相談が重要です。
最初にすべきこと5 企業側も早急に状況を確認する
外国人雇用に関する在留資格申請が不許可になった場合、企業様も早急に対応する必要があります。
特に、技術・人文知識・国際業務、経営・管理、企業内転勤、特定技能などでは、申請人本人だけでなく、受入企業側の資料や説明が不十分で不許可になることがあります。
企業側で確認すべき点は、次のとおりです。
職務内容は在留資格に合っているか
雇用理由は具体的に説明できているか
学歴・職歴との関連性を説明できているか
給与水準に問題はないか
会社の事業内容と職務内容が一致しているか
実際にその業務量があるか
決算書、会社案内、取引資料などが不足していないか
研修や現場作業の位置づけが誤解されていないか
入社予定日や雇用契約の見直しが必要か
外国人雇用では、「本人の問題」だけでなく、企業側の説明不足が不許可原因となることがあります。
不許可後にやってはいけないこと
不許可後は、焦りから誤った対応をしてしまうことがあります。
特に、次のような対応は避けるべきです。
不許可理由を聞かずに再申請する
前回と同じ資料をそのまま出す
不利な事情を隠す
事実と異なる理由書を作成する
勤務実態や婚姻実体を誇張する
在留期限を確認しない
SNSやネット情報だけで判断する
会社や家族への説明を後回しにする
入管からの説明をメモせず記憶だけに頼る
入管申請では、事実と異なる説明は絶対に避けるべきです。
一度不自然な説明をしてしまうと、次回以降の申請にも影響する可能性があります。
行政書士に相談した方がよいケース
次のような場合には、できるだけ早めに行政書士へ相談することをおすすめします。
在留資格申請が不許可になった
不許可理由がよく分からない
入管へ理由を聞きに行く予定がある
再申請できるか判断したい
在留期限が近い
特例期間中である
出国準備を案内された
会社の内定や雇用が関係している
配偶者ビザ・永住・技人国・経営管理の申請が不許可になった
追加資料提出後に不許可になった
前回申請の理由書や資料に不安がある
企業側として外国人採用を継続したい
不許可対応は、通常の申請以上に、事実関係の整理と説明方針が重要です。
行政書士鈴木茂事務所のサポート
行政書士鈴木茂事務所では、在留資格申請が不許可になった方、外国人材の採用が不許可により止まってしまった企業様に対して、不許可理由の整理、再申請の可能性判断、理由書・説明書の作成、資料の再構成をサポートしています。
当事務所では、次のようなご相談に対応しています。
不許可理由の確認前の準備
入管で確認した不許可理由の整理
前回申請書類の分析
再申請の可能性判断
職務内容説明書・雇用理由書の作成
結婚経緯書・理由書の作成
永住不許可後の再申請準備
技人国・経営管理・高度専門職の不許可対応
追加資料提出通知後の不許可対応
企業様向けの外国人雇用再申請サポート
不許可になった場合こそ、最初の対応が重要です。
不許可理由を正確に確認し、改善できる点を整理したうえで、次の一手を慎重に検討することをおすすめします。
よくある質問
Q1 在留資格申請が不許可になったら、すぐ再申請できますか?
再申請自体を検討できる場合はあります。
ただし、不許可理由を確認せず、前回と同じ内容で再申請しても、再び不許可になる可能性があります。まずは不許可理由を確認し、改善点を整理することが重要です。
Q2 不許可理由は教えてもらえますか?
実務上、不許可後に地方出入国在留管理官署で理由説明を受けることがあります。出入国在留管理庁の職員インタビューでも、不許可時に申請者へ不許可理由の説明を行うことに触れられています。
Q3 不許可に対して不服申立てはできますか?
出入国在留管理庁の在留資格変更許可申請および在留期間更新許可申請の手続ページでは、不服申立方法は「なし」とされています。
そのため、実務上は、不許可理由を確認したうえで再申請等を検討することが多くなります。なお、取消訴訟等の法的手段を検討する場合は、弁護士へ相談する領域になります。
Q4 更新申請が不許可になったら、すぐ出国しなければなりませんか?
個別の在留状況によります。
在留期限、特例期間、不許可時の入管からの案内、出国準備のための在留資格の有無などを確認する必要があります。自己判断で放置することは避け、早急に状況を確認してください。
Q5 企業側の資料不足で不許可になることはありますか?
あります。
技人国などの就労系在留資格では、本人の学歴・職歴だけでなく、企業側の事業内容、職務内容、採用理由、業務量、給与水準、決算状況なども重要です。
まとめ
在留資格申請が不許可になった場合、最初にすべきことは、次の5つです。
在留期限と現在の状態を確認する
不許可理由を確認する
同じ内容ですぐ再申請しない
申請類型ごとに対応を分ける
専門家に相談し、再申請の方針を整理する
不許可はショックの大きい結果ですが、理由を正確に確認し、改善できる点を整理すれば、再申請の可能性を検討できる場合があります。
大切なのは、焦って動くことではなく、不許可理由を踏まえて、事実に基づいた説明と資料を組み直すことです。
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