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永住許可申請とは?メリット・要件・注意点を行政書士がわかりやすく解説
 
日本で長く生活している外国人の方にとって、「永住許可申請」は将来の生活設計に大きく関わる重要な手続きです。
 
永住許可を受けると、在留資格は「永住者」となり、在留活動や在留期間の制限がなくなります。出入国在留管理庁も、「永住者」について、他の在留資格のような活動や在留期間の制限がない在留資格であると説明しています。
 
もっとも、永住許可は、単に日本に長く住んでいれば必ず認められるものではありません。
 
素行、収入・生活の安定性、納税・年金・健康保険などの公的義務の履行状況、現在の在留資格、家族状況、出国日数など、さまざまな事情が総合的に審査されます。
 
この記事では、2026年5月時点の出入国在留管理庁の公表情報を踏まえ、永住許可申請のメリット、主な要件、注意点、行政書士に相談した方がよいケースについて、わかりやすく解説します。
 
永住許可申請とは
 
永住許可申請とは、現在日本に在留している外国人の方が、法務大臣に対して「永住者」の在留資格を認めてもらうための申請です。
 
在留資格「永住者」は、法務大臣から永住の許可を受けた方に認められる在留資格で、在留期間は「無期限」とされています。
 
一般的な就労系の在留資格、たとえば「技術・人文知識・国際業務」や「経営・管理」などでは、在留期間の更新が必要であり、活動内容にも制限があります。
 
一方、永住者になると、原則として在留期間の更新許可申請を行う必要がなくなり、職種や業務内容についても、就労系在留資格のような制限を受けません。
 
ただし、永住者になった後も、在留カードの有効期間更新、住居地の届出、公的義務の履行などは引き続き重要です。出入国在留管理庁は、永住者も在留資格取消制度や退去強制制度等の入管法に基づく在留管理の対象であると説明しています。
 
永住許可を取得する主なメリット
 
1 日本で長期的に安定して生活しやすくなる
 
永住者の在留期間は無期限です。
 
そのため、通常の在留資格のように、1年・3年・5年ごとに在留期間更新許可申請を行う必要がなくなります。
 
日本で家族と暮らしている方、住宅ローンを検討している方、長期的に日本で働き続けたい方にとって、在留期間の不安が大きく軽減される点は大きなメリットです。
 
2 就労内容の自由度が高くなる
 
永住者は、在留活動に制限がありません。
 
そのため、「技術・人文知識・国際業務」のように学歴や職務内容との関連性を確認される在留資格と異なり、職種変更、転職、起業、副業などについて、在留資格上の活動制限を受けにくくなります。
 
もちろん、日本の法律を守る必要はありますが、在留資格の活動範囲を理由に就労内容が制限されにくくなる点は、生活設計やキャリア形成において大きな安心材料になります。
 
3 社会的信用につながりやすい
 
永住許可は、日本での在留状況、生活の安定性、公的義務の履行状況などを総合的に審査されたうえで認められる在留資格です。
 
そのため、住宅ローン、賃貸契約、転職、会社経営など、長期的な生活基盤を築く場面で、一定の信用につながることがあります。
 
ただし、永住許可を取得しても、日本国籍を取得する「帰化」とは異なります。永住者はあくまで外国籍のまま日本に在留する在留資格であり、帰化とは制度の性質が異なります。出入国在留管理庁も、永住者は入管法上の在留資格である一方、帰化は日本国籍を取得する手続であると説明しています。
 
永住許可申請の主な要件
 
出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドラインでは、永住許可の法律上の要件として、主に次の3つが示されています。
 
1 素行が善良であること
 
「素行が善良であること」とは、法律を守り、日常生活においても社会的に非難されることのない生活を営んでいることを意味します。
 
たとえば、犯罪歴、罰金刑、交通違反の状況、入管法上の届出義務違反などが問題となることがあります。
 
軽微な違反が直ちに不許可につながるとは限りませんが、違反の内容、回数、時期、反省状況などによっては、慎重な説明が必要です。
 
2 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
 
永住許可では、日本で安定して生活していけるだけの収入や資産、職業上の能力があるかも重要です。
 
ガイドラインでは、日常生活において公共の負担にならず、資産や技能等から見て将来において安定した生活が見込まれることが求められています。
 
会社員であれば年収、雇用の安定性、扶養家族の人数などが確認されます。
 
経営者や個人事業主の場合は、所得だけでなく、事業の継続性、決算状況、納税状況、役員報酬、事業実態なども重要になります。
 
3 その方の永住が日本国の利益に合すると認められること
 
この要件では、日本での在留年数、公的義務の履行、現在の在留資格、在留期間、法務省令で定める基準への適合性などが確認されます。
 
ガイドラインでは、原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格または居住資格をもって引き続き5年以上在留していることが必要とされています。ただし、「技能実習」および「特定技能1号」は、この就労資格から除かれています。
 
また、納税、公的年金、公的医療保険の保険料の納付、入管法上の届出義務などを適正に履行していることも重要です。特に、申請時点で納付済みであっても、本来の納付期限内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されるとされています。
 
原則10年在留の特例
 
永住許可申請では、原則として10年以上の継続在留が求められますが、一定の場合には特例があります。
 
たとえば、日本人、永住者、特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していることが特例として示されています。
 
また、定住者については、定住者の在留資格で5年以上継続して日本に在留していることが必要とされています。
 
さらに、高度人材ポイント制において70点以上を有する方については3年以上、80点以上を有する方については1年以上の継続在留で永住許可申請が可能となる場合があります。
 
このように、永住許可申請は、現在の在留資格、家族関係、ポイント計算、在留状況によって要件が大きく変わります。
 
ご自身がどのルートで永住許可申請を検討できるのかを、申請前に正確に確認することが大切です。
 
現在の在留期間にも注意が必要です
 
永住許可申請では、現在有している在留資格について、原則として最長の在留期間をもって在留していることも要件とされています。
 
ただし、令和9年3月31日までの間は、在留期間「3年」を有する場合について、一定の取扱いが設けられています。ガイドラインでは、令和9年3月31日までの間、在留期間「3年」を有する場合は「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うこと、また令和9年3月31日時点で在留期間「3年」を有する方については、当該在留期間内に処分を受ける場合、その初回に限り同様に取り扱うことが示されています。
 
この点は、永住許可申請を検討している方にとって非常に重要です。
 
「3年の在留期間だから申請できるのか」「5年の在留期間が必要なのか」は、時期や現在の在留資格、申請のタイミングによって慎重に確認する必要があります。
 
永住許可申請で注意すべきポイント
 
税金・年金・健康保険の納付状況
 
永住許可申請では、税金、年金、健康保険の納付状況が非常に重要です。
 
出入国在留管理庁のガイドラインでは、納税、公的年金、公的医療保険の保険料の納付などの公的義務を適正に履行していることが求められています。
 
単に「現在は未納がない」というだけでは十分でない場合があります。
 
納付期限を守っていたか、滞納や遅延がなかったか、扶養に入っている場合の整合性はあるかなど、過去の履行状況も確認されます。
 
出国日数が多い場合
 
永住許可申請では、「引き続き日本に在留している」といえるかが問題になることがあります。
 
仕事、出産、介護、海外出張などで出国が多い方は、その理由、期間、生活の本拠が日本にあることを丁寧に説明する必要があります。
 
出国日数が多いこと自体で直ちに不許可になるとは限りませんが、長期間または頻繁な出国がある場合には、理由書や証拠資料による補足説明が重要です。
 
家族構成・扶養状況の整合性
 
扶養家族がいる場合、収入と扶養人数のバランスが審査上のポイントになります。
 
また、海外にいる家族を扶養に入れている場合、実際の送金状況や扶養の実態、税務上の取扱いとの整合性が問題になることもあります。
 
永住許可申請では、住民票、課税証明書、納税証明書、源泉徴収票、確定申告書、年金記録、健康保険関係資料など、複数の資料を総合的に確認されます。
 
そのため、資料同士に矛盾がないかを事前に確認することが大切です。
 
提出書類の不足・不備
 
出入国在留管理庁は、提出書類が揃っていない申請の場合、審査が大幅に遅れたり、不利益処分となり得る可能性があると案内しています。
 
また、申請後の審査過程で、ホームページに記載されていない資料を求められる場合もあります。
 
永住許可申請は、単に必要書類を集めるだけでなく、申請人の状況に応じて、どの資料をどのように整理し、どの点を説明すべきかを考える必要があります。
 
 
 
永住許可申請に必要な主な書類
 
永住許可申請の提出書類は、現在の在留資格や身分関係によって異なります。
 
出入国在留管理庁も、申請人の在留資格や身分・地位に応じた資料を提出する必要があると案内しています。
 
一般的には、次のような書類が必要になります。
 
永住許可申請書
 
写真
 
住民票
 
職業を証明する資料
 
所得・納税状況を証明する資料
 
年金・健康保険に関する資料
 
身元保証書
 
身元保証人に関する資料
 
了解書
 
パスポート・在留カード
 
理由書、説明書、補足資料など
 
出入国在留管理庁の案内では、2021年10月1日から永住許可申請には了解書の提出が必要とされています。
 
また、日本で発行される証明書は、原則として発行日から3か月以内のものを提出する必要があります。外国語で作成された資料には、日本語訳文を添付する必要があります。
 
 
 
永住許可申請の標準処理期間と手数料
 
永住許可申請の標準処理期間は、出入国在留管理庁の案内では4か月から6か月とされています。
 
ただし、これはあくまで標準的な期間です。
 
申請内容、提出資料の不足、追加資料の有無、申請先の混雑状況などによって、審査期間が長くなることもあります。
 
また、永住許可が認められる場合には、手数料として10,000円が必要です。収入印紙で納付するものとされています。
 
 
 
行政書士に相談した方がよいケース
 
永住許可申請は、ご自身で行うことも可能です。
 
しかし、次のような場合には、申請前に専門家へ相談することをおすすめします。
 
年収や収入の安定性に不安がある
 
税金、年金、健康保険で未納や納付遅れがある
 
転職、退職、休職、育児休業などがある
 
交通違反、罰金歴、前科前歴などがある
 
出国日数が多い
 
扶養家族が多い
 
経営者、会社役員、個人事業主である
 
過去に永住申請が不許可になった
 
追加資料提出通知を受けている
 
高度人材ポイントを使って永住申請をしたい
 
配偶者ビザ、定住者、家族滞在などから永住申請を検討している
 
永住許可申請では、「要件を満たしているか」だけでなく、「その要件を資料でどのように証明するか」が重要です。
 
また、審査官に誤解されやすい事情がある場合には、理由書や説明書で事実関係を整理し、資料との整合性を保ちながら説明する必要があります。
 
行政書士鈴木茂事務所の永住許可申請サポート
 
行政書士鈴木茂事務所では、永住許可申請について、申請人の在留状況、収入、納税、年金、健康保険、家族構成、出国日数、現在の在留資格などを丁寧に確認したうえで、申請可能性を検討いたします。
 
永住許可申請は、一人ひとりの状況によって必要な説明や準備すべき資料が異なります。
 
当事務所では、単に書類を作成するだけではなく、申請人の事情を整理し、審査官に伝わりやすい申請書類一式となるようサポートいたします。
 
特に、次のようなご相談にも対応しています。
 
永住許可申請の要件確認
 
必要書類の整理
 
理由書・説明書の作成
 
高度人材ポイントを利用した永住申請
 
日本人の配偶者等・永住者の配偶者等からの永住申請
 
経営者・会社役員の永住申請
 
不許可後の再申請
 
追加資料提出通知への対応
 
永住許可申請に不安がある方は、申請前の段階で一度ご相談ください。
 
早い段階で問題点を確認し、必要な資料や説明方針を整理することで、より適切な申請準備につながります。
 
よくある質問
 
Q1 永住許可を取れば、在留カードの更新も不要になりますか?
 
永住者になると、在留期間の更新許可申請は不要になります。
 
ただし、在留カード自体には有効期間があるため、在留カードの有効期間更新手続は必要です。出入国在留管理庁も、永住者は在留期間更新の在留審査手続を受けることはなくなる一方で、在留カードの有効期間更新や住居地届出などの義務を遵守する必要があると説明しています。
 
Q2 永住許可申請は、必ず10年日本に住んでいないとできませんか?
 
原則として、引き続き10年以上日本に在留していることが必要です。
 
ただし、日本人・永住者・特別永住者の配偶者、定住者、高度人材ポイントを有する方などには、原則10年在留に関する特例があります。
 
Q3 3年の在留期間でも永住申請はできますか?
 
ガイドラインでは、現在有している在留資格について最長の在留期間をもって在留していることが要件とされています。
 
ただし、令和9年3月31日までの間は、在留期間「3年」を有する場合について、一定の取扱いが設けられています。申請時期や現在の在留資格によって判断が変わる可能性があるため、申請前に確認することをおすすめします。
 
Q4 永住申請が不許可になった場合、再申請はできますか?
 
永住許可申請が不許可になった場合でも、再申請自体は可能です。
 
ただし、不許可理由を確認し、問題点を改善しないまま再申請しても、再び不許可となる可能性があります。再申請では、不許可理由の分析、改善状況の証明、理由書・説明書の作成が重要です。
 
Q5 永住許可を取得すれば、日本国籍になりますか?
 
いいえ。永住許可は、日本国籍を取得する手続ではありません。
 
永住者は外国籍のまま、日本に無期限で在留できる在留資格です。日本国籍を取得する手続は「帰化」であり、永住許可とは異なります。
 
まとめ
 
永住許可申請は、日本で長く安定して生活したい外国人の方にとって、大きな意味を持つ手続きです。
 
永住者になると、在留期間や在留活動の制限がなくなり、生活や仕事の自由度が高まります。
 
一方で、永住許可は簡単に認められるものではありません。
 
在留年数、収入、納税、年金、健康保険、素行、出国日数、家族構成、現在の在留資格など、さまざまな事情が総合的に審査されます。
 
特に、税金・年金・健康保険の納付状況、現在の在留期間、提出書類の整合性、不利な事情がある場合の説明内容は、申請結果に大きく影響する可能性があります。
 
永住許可申請を検討されている方は、申請前にご自身の状況を正確に確認し、必要な資料を丁寧に準備することが大切です。
 
ご不安がある場合は、永住許可申請に詳しい行政書士へ早めにご相談ください。
 
 
 
本記事は、2026年5月時点の出入国在留管理庁の公表情報を踏まえて作成しています。
 
永住許可申請の要件や必要書類は、申請人の在留資格、家族状況、収入、納税状況、年金・健康保険の加入状況、出国日数などにより異なります。実際の申請にあたっては、最新の公表情報を確認し、個別事情に応じた判断が必要です。

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