「経営・管理」FAQ更新|3,000万円、専門家評価、移行期間、法令順守をどう読むか

経営・管理の許可基準は2025年10月に大きく改正され、その後の更新申請をどう扱うかが実務上の焦点になっています。2026年6月26日に整理された公式FAQは、「既存の経営者は3,000万円に達しなければ直ちに不許可なのか」「誰が事業計画を評価できるのか」といった疑問に具体的な方向を示しました。

 

3,000万円は法人の資本金だけを見るのか

法人では資本金額が重要ですが、個人事業主については「資本金」という概念がありません。公式説明は、申請事業のために投下されている財産の総額を確認するとしています。店舗設備、保証金、機械、在庫等がどこまで算入されるかは、所有関係、支払済みか、事業専用かを資料で示す必要があります。

単に通帳に3,000万円があるだけでは、事業に投下された財産とは限りません。逆に、すでに設備・内装へ支出した額は、領収書、契約書、減価償却資産台帳等で追跡できるようにします。

 

既存の在留者に3年間の移行期間

改正基準の施行から3年間は、既存の経営・管理在留者について、直ちに新基準へ完全適合していないことだけで一律不許可とはしない運用が示されています。さらに3年経過後も、経営状況が良好で、法人税等を適切に納付し、次回更新までに新基準を満たす見込みがある場合は、在留状況を総合考慮するとされています。

これは「2028年10月まで何もしなくてよい」という意味ではありません。増資、人員、事業所、日本語能力等の要件をいつ、どのように満たすか、毎回の更新で進捗を示す必要があります。

 

事業計画の専門家確認

新規の在留資格決定等で提出する事業計画について、具体性・合理性・実現可能性を、経営に関する専門知識を有する者が確認する制度です。公式FAQでは、中小企業診断士、公認会計士、税理士が示されています。海外資格を持つコンサルタントや、単なる経営経験者が同じ扱いになるとは限りません。

専門家の確認は、事業の成功や在留許可を保証するものではありません。市場、顧客、資金繰り、売上根拠、人員配置を申請人自身が説明できることが必要です。

 

法令順守が更新審査の中心に

労働基準法、最低賃金法、社会保険、雇用保険、労災保険、業法上の許認可、税金の履行状況は、経営・管理の更新で重要な評価要素です。経営が黒字でも、社会保険に未加入、従業員へ最低賃金未満の給与、飲食店営業許可が失効、といった状態では不許可の可能性があります。

 

【実務メモ】会社の決算書だけでなく、労働条件通知書、賃金台帳、社会保険の適用通知、納税証明、営業許可の期限を更新前に横断点検してください。

 

常勤職員と事業規模

常勤職員の対象となる者は、公式に定められた身分・在留資格の範囲があります。アルバイトや業務委託を人数に含める、海外在住者を常勤として扱うといった説明は認められません。また、複数の外国人経営者がいる場合は、それぞれが経営・管理を行う合理性、役割分担、報酬を明確にする必要があります。

 

よくある質問

Q:資本金が3,000万円未満なら更新は不可能ですか。

A:移行期間や経営状況、納税、次回までの達成見込みを総合考慮する公式説明があります。ただし、具体的な改善計画と客観資料が必要です。

Q:税理士に確認してもらえば事業計画は必ず通りますか。

A:通りません。専門家確認は一つの要件であり、申請人の活動、資金の出所、事業所、規模、継続性等を入管が総合審査します。

 

更新から逆算して経営計画を作る

経営・管理の申請は、在留書類と会社経営を切り離せません。当事務所では、税理士・社会保険労務士等と連携し、基準を満たすための経営上の行動と、入管へ示す書類を同じ工程表にまとめます。

 

情報元・参照URL

出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」:https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html(2026年6月26日FAQ更新)

出入国在留管理庁「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」:https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan43.html(2026年6月記載更新)

出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」:https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html(申請書類)

 

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

090-2659-5170

<受付時間>
平日9:00~20:00/土曜・日曜・祝日9:00~20:00

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

毎日更新中
ブログ・解説記事等
2026/09/03
「特集記事」を更新しました
2026/08/17
「報酬額一覧」を全面改訂いたしました
2026/08/28
「書籍」を出版いたしまいした。

行政書士鈴木茂事務所

住所

〒156-0041
東京都世田谷区大原1-22-16

アクセス

下北沢駅東口から徒歩10分
笹塚駅改札口から徒歩10分

受付時間

平日9:00~20:00
土曜・日曜・祝日9:00~20:00

定休日

なし