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第2回 お客様お悩み相談
技人国で働いていた会社が倒産・解雇。次の会社が決まるまで日本にいられますか?
「会社が突然倒産し、技人国の仕事を失いました。在留期限はまだ1年以上あります。すぐ帰国しなければならないのでしょうか?」というご相談です。
先に結論
退職・解雇だけで在留資格がその日に失効するわけではありません。ただし、契約終了の所属機関届出を原則14日以内に行い、次の適法な活動へ向けた具体的な求職活動を続けることが重要です。正当な理由なく在留資格に応じた活動を3か月以上行っていない場合は、在留資格取消しの対象となり得るため、「在留期限が残っているから何もしなくてよい」とは考えないでください。
1.制度上の整理
技術・人文知識・国際業務では、在留カードに会社名が印字されているかどうかだけで判断するのではなく、日本の公私の機関との契約、実際の職務内容、学歴・職歴との関係、報酬、在留状況を一体として確認することが大切です。勤務先や契約関係に変化があったときは、届出だけで足りるのか、更新・変更や就労資格証明書まで必要なのかを切り分けます。
技術・人文知識・国際業務の外国人が勤務先との契約を終了した場合、本人には所属(契約)機関に関する届出が求められます。解雇・倒産で本人の意思によらない場合でも、契約終了という事実自体は届出対象です。
入管のQ&Aでは、就労資格の活動を3か月以上行っていない場合でも、正当な理由があれば直ちに取消しになるわけではなく、具体的な就職活動を行っているケースなどが考慮される旨が案内されています。
新しい会社が決まった場合は、新たな契約締結の届出が必要です。新しい仕事内容が現在の技人国に該当するか不安な場合、就労資格証明書の交付申請や更新時の立証を検討します。
2.このケースで確認したいポイント
• 退職日・解雇日を明確にし、14日以内の契約終了届出を行う
• ハローワーク、求人応募、面接記録など求職活動を継続して記録する
• 国民健康保険・国民年金など退職後の公的手続も放置しない
• 新しい職務が技人国の範囲に入るか、入社前に確認する
• 在留期限が近い場合は求職中だからと更新が当然に認められるわけではないため早めに方針を決める
ここで重要なのは、項目を一つずつ切り離して考えないことです。申請書、届出、契約書、課税・社会保険資料、会社資料などに同じ事実が異なる形で現れます。日付・会社名・職務・収入・家族関係を時系列でそろえ、資料相互に矛盾がない状態を作ることが、追加資料対応や不許可リスクを減らす基本になります。
3.準備しておきたい資料
• 退職証明書・解雇通知・会社倒産を確認できる資料
• 求職活動の記録(応募メール、求人票、面接案内等)
• 雇用保険・社会保険の資格喪失関係資料
• 次の会社が決まった場合の雇用契約書・職務内容資料
上記は典型的な確認資料であり、すべてのケースで同じ資料が法定必須という意味ではありません。出入国在留管理庁の公式提出書類を基礎にしつつ、個別事情を説明するために必要な補足資料を選びます。外国語資料には、審査上意味を持つ氏名・日付・金額・身分関係等を正確に反映した日本語訳を付けます。
4.行政書士として考える実務上の進め方
・契約終了届出と社会保険等の切替を早期に行う
・求職活動の計画を立て、活動記録を残す
・内定前に新職務の在留資格該当性を確認する
・入社後は新たな契約締結を届け出、必要に応じて就労資格証明書を検討する
申請を急ぐほど、先に結論を決めて資料を後付けしたくなりますが、順序は逆です。まず事実を確認し、現在の法令・公式運用に当てはめ、足りない資料と説明が必要な点を整理してから申請方針を決めます。特に在留期限や14日以内の届出期限がある場合は、期限管理と実体審査の準備を並行して進めます。
5.よくある誤解
「技人国は退職した瞬間に無効になる」も、「在留カードの期限まで何年でも無職でいられる」も、どちらも正確ではありません。現在の在留資格に応じた活動と、活動していないことの理由を継続的に説明できる状態が大切です。
入管手続では、似た状況でも現在の在留資格、申請区分、経歴、会社・家族の状況によって結論が変わります。インターネット上の過去事例をそのまま自分のケースに当てはめず、申請時点の制度と事実関係で確認することが大切です。
よくある質問
Q1 退職後3か月を超えたら自動的に在留資格が取消されますか?
A 自動的に失効する制度ではありません。ただし、正当な理由なく在留資格に応じた活動を継続して行っていない場合は取消しの対象となり得るため、求職活動等を具体的に行うことが重要です。
Q2 アルバイトをしながら次の仕事を探せますか?
A 技人国で認められる活動以外の有償活動は、資格外活動許可の要否を確認する必要があります。一般的な留学生の包括許可と同じ感覚で働かないでください。
Q3 新しい会社が決まれば在留資格変更が必要ですか?
A 仕事内容が同じ在留資格の範囲であれば、必ずしも在留資格変更が必要とは限りません。ただし所属機関届出は必要で、職務内容が適合するか不安なら就労資格証明書を検討します。
行政書士へ相談した方がよいケース
• 在留期限・届出期限が近く、手続の優先順位が分からない
• 公式の提出書類一覧だけでは、自分の事情をどう説明すべきか判断しにくい
• 転職、失業、家族変更、会社の経営状況など申請後・前回許可後に事情が変わっている
• 過去の届出、税金、年金、社会保険、在留状況に気になる点がある
• 不許可を避けるため、申請前に事実と立証資料の整合性を確認したい
行政書士鈴木茂事務所では、単に書類をそろえるだけでなく、現在の在留資格、これまでの経緯、申請後の生活・就労計画を確認し、どの事実をどの資料で説明するかを整理します。許可を保証することはできませんが、申請前に論点を明確にし、入管に伝わりやすい形へ整えることができます。
まとめ
退職・解雇だけで在留資格がその日に失効するわけではありません。ただし、契約終了の所属機関届出を原則14日以内に行い、次の適法な活動へ向けた具体的な求職活動を続けることが重要です。正当な理由なく在留資格に応じた活動を3か月以上行っていない場合は、在留資格取消しの対象となり得るため、「在留期限が残っているから何もしなくてよい」とは考えないでください。
在留資格の手続は、制度を知るだけでなく、自分の事実関係を正確に当てはめる作業が必要です。少しでも判断に迷う事情がある場合は、期限直前ではなく、資料を集められる段階で相談することをおすすめします。
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• 就労資格証明書交付申請とは
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主な公的情報源
・出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri10_00015.html
・出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」 https://www.moj.go.jp/isa/immigration/faq/kanri_qa.html
・出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri07_00058.html
※本記事は2026年8月18日時点で確認できる法令・出入国在留管理庁の公表情報を基に作成しています。制度改正、告示改正、運用変更等が行われることがありますので、実際の申請時には最新の公式情報をご確認ください。
【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
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