永住申請の「3年」最長在留期間経過措置|2027年4月前後の申請時期をどう考えるか

永住申請の要件を満たしていても、現在の在留期間が「3年」だから申請を待つべきか。2027年4月を前に、この相談は増えると予想されます。現行ガイドラインでは2027年3月31日まで、3年の在留期間でも「最長の在留期間」として扱われます。さらに2026年8月の改定案は、4月1日以降にも限定的な経過措置を設けています。

 

現行ガイドラインの取扱い

永住許可の国益要件では、現在の在留資格について、原則として入管法施行規則に定める最長の在留期間を持っていることが求められます。技人国や日本人の配偶者等には5年があるため、本来は5年が最長です。

ただし、現行ガイドラインは、2027年3月31日までに行われた永住許可申請について、在留期間3年の方も最長期間を持つものとして扱う経過措置を置いています。

 

改定案が示す2027年4月以降の限定措置

改定案では、次のすべてを満たす場合に限り、2027年4月1日以降の申請でも3年を最長として扱う方針です。

2027年3月31日時点で在留期間3年を有している

2027年4月1日以降に行う初回の永住許可申請である

4月1日から当該3年の在留期限までに、永住申請の処分を受ける

最後の条件は、申請人が審査期間を自由にコントロールできない点で注意が必要です。確定版で同じ文言が維持されるか、審査中に期限を迎えた場合の具体的な扱いがどう説明されるかを確認しなければなりません。

 

早く出せばよいとは限らない

3年措置の期限だけを見ると、2027年3月までに急いで申請したくなります。しかし、次の問題がある状態での駆け込み申請は得策ではありません。

住民税、年金、健康保険の納付遅れがある

転職直後で収入の継続性を示しにくい

海外出国が長く、居住の継続性に説明が必要

高度人材ポイントの基準日時点資料が不足している

身元保証人や家族関係の資料に不整合がある

不許可になれば、次回申請では不許可理由への対応が必要です。経過措置を使う価値と、申請内容の完成度を比較することが欠かせません。

 

【実務メモ】「申請できる日」と「申請した方がよい日」は同じではありません。期限から逆算し、税・年金資料の対象期間、前年所得の証明発行時期、転職後の給与実績を一枚のタイムラインにすると判断しやすくなります。

 

5年が付与される更新を待つ選択

現在の資格更新が近い方は、先に更新して5年を取得してから永住申請する方法もあります。ただし、更新で何年が付与されるかは裁量判断であり、5年が保証されるわけではありません。更新申請の職務内容、収入、在留状況、会社の安定性も整える必要があります。

 

よくある質問

Q:2027年3月31日にオンライン申請すれば現行措置に間に合いますか。

A:申請が正式に受け付けられた日が重要です。システム障害や資料不備も想定し、最終日に集中させるのは避けるべきです。

Q:過去に永住申請を取り下げたことがあります。「初回申請」に当たりますか。

A:改定案の文言だけでは個別判断が必要です。不許可、取下げ、申請中の扱いについて確定版・公式Q&Aを確認します。

 

申請時期を法律要件と資料状況の両方から決める

最長期間だけでなく、在留年数、納付、収入、素行、家族状況を総合して申請時期を決めるべきです。当事務所では、申請可能性を年表化し、「2027年3月まで」「更新後」「改定後」の複数案を比較してご説明します。

 

情報元・参照URL

出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(現行)」:https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan50.html(3年を最長と扱う現行経過措置)

e-Gov「永住許可に関するガイドライン改定案」:https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=315000140(2027年4月以降の案)

公開前の確認事項:2027年4月以降の経過措置は確定前です。永住申請前に、最終ガイドライン、施行通知、公式Q&Aと本人の在留期限を再確認してください。

 

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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