特定技能の給与は「日本人と同等以上」――比較対象をどう決めるか

特定技能外国人の報酬は、同等の業務に従事する日本人と同等以上であることが求められます。単に最低賃金を上回っているだけでは、この比較を十分に説明できない場合があります。職務、経験、技能、勤務地、勤務時間を踏まえ、誰とどのように比較したかを明確にします。

比較対象は職務と経験をそろえる

同じ会社に同等業務の日本人がいる場合、その賃金、経験年数、資格、役職と比較します。日本人がいない場合は、賃金規程、同業他社の求人、業界水準、社内の類似職種などを用いて合理的に説明します。

 

基本給だけでなく待遇全体を確認する

賞与、昇給、手当、時間外割増、休日、福利厚生、退職金など、適用条件に差がないかを確認します。外国人だけに不利な住宅費、支援費、送出費を給与から控除することは慎重に検討します。

 

控除は本人の理解と根拠を確認する

社宅費、光熱費、食費などを控除する場合、実費や合理的な金額であるか、雇用条件として説明されているか、本人が理解しているかを確認します。給与明細で内訳を明確にします。

 

昇給・技能向上の道筋を示す

採用時の同等性だけでなく、経験を積んだ後も日本人と同じ評価制度が適用されることが重要です。技能試験、資格、役割、2号移行を人事評価と結びつけると、長期雇用の説明もしやすくなります。

 

報酬比較資料

● 日本人比較対象者の職務・経験

● 賃金規程・給与テーブル

● 求人票・業界賃金資料

● 手当・控除・福利厚生の一覧

● 昇給・評価・資格手当の基準

 

よくある質問

Q 同じ仕事の日本人がいません。

A 社内の類似職種や賃金規程、地域・業界の賃金水準などを用いて、設定根拠を説明します。

Q 住居費を給与から引いてもよいですか。

A 合理的な実費で、本人へ十分に説明し、法令と契約に従う必要があります。支援費用や不当な利益を転嫁しないよう確認します。

 

まとめ

報酬基準は、最低賃金ではなく同等業務の日本人との比較です。職務・経験をそろえ、給与、手当、控除、昇給を一体として説明し、本人にも理解できる言語で条件を示します。

ご相談にあたって 申請の見通しは、在留歴、活動内容、雇用・家族関係、提出済み資料などによって変わります。早い段階で事実関係と資料を整理しておくと、必要な対応を検討しやすくなります。

 

主な公的資料

・出入国在留管理庁「雇用における注意点」 https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/chuui.html

・出入国在留管理庁「特定技能制度」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/index.html

※本記事は一般的な制度説明です。個別案件の許否を保証するものではなく、申請時には最新の法令・公表資料・管轄官署の案内をご確認ください。

 

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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