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第2回
入管に申請した案件はどう処理される?審査体制と案件振り分けの基本
申請書を提出した後、書類はただ順番に積まれているわけではありません。令和8年4月開示の審査要領第8編には、案件の難易に応じた審査体制、振分け担当者、担当官への配分、進行管理、標準処理期間に関する内部の基本設計が記されています。申請者側からは見えにくい「提出後の流れ」を知ると、追加資料や審査期間をより冷静に理解できます。
第8編が目指すもの
2026年開示の第8編は、入国事前審査・在留関係諸申請が増加し内容も複雑化する中、限られた要員で適正かつ効率的に処理するため、審査体制を整備することを目的としています。地方局等には、事案の難易に応じた審査体制の確保、進行管理、処理上の留意点が求められています。つまり、審査は案件ごとの難易度や確認事項に応じて処理方法が変わることを前提に組み立てられています。
受付後は振分け担当者が案件を整理する
第8編では、首席審査官等が振分け担当者を指名し、受付後の案件を速やかに振り分ける仕組みが示されています。A案件に振り分けられたものは速やかに決裁へ回し、それ以外は担当者を決めて配分します。申請が同じ日に受け付けられていても、案件の内容によって審査の深さや経路が異なることがあるため、受付番号の順番だけで結果時期を単純比較することはできません。
原則即日処理とされる案件もある
2026年開示版では、包括的な資格外活動許可、一定の就労資格証明書、出国準備のための変更、出生に基づく一定の在留資格取得、再入国許可、在留カード関係手続などについて、原則として即日処理する類型が挙げられています。ただし「原則」であり、個別事情や必要な確認があれば処理方法は変わります。
進行管理は「長期未処理」を防ぐ仕組み
第8編には、首席審査官等を進行管理責任者とし、担当官への配分状況や手持ち案件に応じて配分替えを行い、長期未処理案件の発生を防ぐことが記載されています。FEISから出力される帳票や台帳等を活用して処理状況を確認する仕組みも示されています。申請者にとって審査の内部状況は通常見えませんが、内部では進行管理の仕組みが置かれていることが分かります。
「審査が長い=不許可」ではない
慎重審査や資料追完、実態確認が必要な案件は、許可相当として速やかに決裁される案件より時間がかかりやすいのは自然です。しかし、長いことだけを理由に結果を推測することはできません。出入国在留管理庁も、個別申請の進捗状況について問い合わせても回答できないと案内し、平均審査処理期間を参考にするよう求めています。オンライン申請ではシステム上の申請状態を確認できます。
実務での確認順序
このテーマでは、結論を急ぐより確認順序を決める方が安全です。まず「第8編が目指すもの」を確認し、次に「受付後は振分け担当者が案件を整理する」を整理します。そのうえで「原則即日処理とされる案件もある」と「進行管理は「長期未処理」を防ぐ仕組み」を客観資料に照らし、申請書・説明書・添付資料の内容が同じ事実関係を示しているかを点検します。入管申請では、資料を増やすこと自体より、法的要件と資料の対応関係が明確であることが重要です。
説明資料を組み立てるときの考え方
説明書を作成するときは、事実、評価、将来見込みを一文の中で混ぜないようにします。事実は証明書・契約書・記録等で裏付け、評価が必要な部分は「なぜその資料からその結論になるのか」を文章でつなぎます。資料が取得できない場合は、取得できない理由と代替資料を示します。提出後の追加資料にも同じ説明軸で答えられるよう、申請前に全資料の年月日・氏名・会社名・住所・金額を横断確認しておくと安全です。
現在の運用と審査要領をどう使い分けるか
A~Dの振分けや進行管理は、申請人が結果を予測するための占いではありません。公開された内部処理の構造を理解する目的は、追加資料・審査長期化・処分の意味を必要以上に推測しないためです。黒塗り部分や非公開の具体的振分け基準については推測せず、通知された資料、公式の平均処理期間、担当官署からの連絡という確認可能な事実を中心に対応します。
このテーマで避けたい思い込み
このテーマで避けたいのは、「入管に申請した案件はどう処理される」について一つの数字・一つの資料だけで結果を断定することです。在留審査は、法令上の要件と個別事情を複数資料から確認する手続です。インターネット上の経験談は参考にはなっても、申請時期、在留資格、家族構成、会社カテゴリー等が違えば結論も変わります。公式資料の更新日を確認し、個別事情に当てはめて判断します。
よくある質問
Q 受付番号が早い人から必ず結果が出ますか?
A 必ずしもそうではありません。案件の振分け、追加資料、慎重審査の有無等により処理速度は変わります。
Q 審査が長い場合は電話で進捗を確認できますか?
A 出入国在留管理庁は、個別申請の審査進捗について問い合わせても回答できないと案内しています。平均審査処理期間を目安にするのが基本です。
Q 追加資料を出すと振分けが変わりますか?
A 2026年開示版ではD案件は追完資料提出後にA、B又はCへ再振分けすると記載されています。
まとめ
申請書を提出した後、書類はただ順番に積まれているわけではありません。このテーマでは、単一の経験談や古い資料だけで結論を出さず、現行法令・最新の公式提出資料・個別の事実関係を対応させることが重要です。申請前に、要件、時系列、客観資料、届出状況を横断して確認し、説明が必要な点は理由書等で簡潔かつ正確に補足してください。
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主な確認資料・情報源
・令和8年4月開示・第8編 審査体制
https://yamanaka-bengoshi.jp/2026/04/29/nyuukoku-zairyuu-shinsa-youryou/
・出入国在留管理庁・在留諸申請の進捗状況の確認について
https://www.moj.go.jp/isa/10_00210.html
※本記事は2026年8月13日時点で確認できる法令、出入国在留管理庁の公表資料、開示資料等を基に作成しています。制度・提出書類・運用は変更される場合があるため、実際の申請時には最新情報をご確認ください。
【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
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