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第9回
入管に提出する「原本」と「コピー」はどう扱われる?証明資料の基本
学位証明書、戸籍、雇用契約書、登記事項証明書、納税証明書など、入管申請では多くの資料を扱います。「原本を出したら返ってくるのか」「コピーではだめか」「外国語の証明書に翻訳は必要か」は実務上とても重要です。資料の性質と各在留資格の提出書類案内を確認し、再取得困難な原本を不用意に提出しないようにします。
提出書類ページの指示が最優先
まず、該当する在留資格・申請区分の公式提出書類一覧で「原本」「写し」「提示」の指示を確認します。証明書によっては発行後3か月以内など有効性に関する条件があります。2026年開示第9編も、施行規則別表第3の立証資料を提出させること、第12編の在留資格別規定を参照することを示しています。
原本返却を希望する場合
出入国在留管理庁の各在留資格ページでは、原則として提出資料は返却できないため、再度入手することが困難な原本等の返却を希望する場合は申請時に申し出るよう案内しています。学位証書、資格証明等、再発行が難しいものは、原本確認後の返却を希望する旨を明確にして提出します。
コピーは内容の鮮明さが重要
コピー提出が認められる資料でも、文字・印影・日付・発行者が確認できなければ立証力が弱くなります。ページが複数ある契約書は一部だけでなく、当事者、契約期間、職務、報酬、署名欄等の必要部分が一連で確認できるようにします。加工や編集を疑われるような画像は避け、ウェブ通帳等も公式案内に従って加工できない状態で印刷します。
外国語資料には原則として日本語訳
施行規則上、外国語で作成された資料には訳文を添付するのが基本です。2026年開示第9編には、英文で作成された一定の定型文書等について訳文を求めない取扱いも記載されていますが、これは審査要領上の内部取扱いです。公式提出書類ページで「訳文を添付」とされている場合にはそれに従い、専門用語が多い資料は日本語訳を付けるのが安全です。
資料の転用という仕組み
2026年開示第9編では、過去申請で提出した資料について、申請人等が転用を希望し、資料の確認ができ、転用に問題がない場合には、一定の条件で提出を省略して審査する仕組みが記載されています。もっとも、全ての資料が自動的に再利用されるわけではなく、期限や内容変更、写真など転用不可のものがあります。最新資料が求められている場合は新たに準備します。
実務での確認順序
このテーマでは、結論を急ぐより確認順序を決める方が安全です。まず「提出書類ページの指示が最優先」を確認し、次に「原本返却を希望する場合」を整理します。そのうえで「コピーは内容の鮮明さが重要」と「外国語資料には原則として日本語訳」を客観資料に照らし、申請書・説明書・添付資料の内容が同じ事実関係を示しているかを点検します。入管申請では、資料を増やすこと自体より、法的要件と資料の対応関係が明確であることが重要です。
説明資料を組み立てるときの考え方
説明書を作成するときは、事実、評価、将来見込みを一文の中で混ぜないようにします。事実は証明書・契約書・記録等で裏付け、評価が必要な部分は「なぜその資料からその結論になるのか」を文章でつなぎます。資料が取得できない場合は、取得できない理由と代替資料を示します。提出後の追加資料にも同じ説明軸で答えられるよう、申請前に全資料の年月日・氏名・会社名・住所・金額を横断確認しておくと安全です。
現在の運用と審査要領をどう使い分けるか
COEでは、受入機関や親族が多くの資料を準備しても、最終的には申請人本人について「予定する活動が在留資格に該当するか」「基準を満たすか」「説明に信ぴょう性があるか」が確認されます。査証発給・上陸審査とは別段階であることも忘れず、COE交付後に事情が変わった場合は、そのまま利用してよいかを確認します。外国語資料は訳文、過去資料は発行時期・現在性まで点検します。
このテーマで避けたい思い込み
このテーマで避けたいのは、「入管に提出する「原本」と「コピー」はどう扱われる」について一つの数字・一つの資料だけで結果を断定することです。在留審査は、法令上の要件と個別事情を複数資料から確認する手続です。インターネット上の経験談は参考にはなっても、申請時期、在留資格、家族構成、会社カテゴリー等が違えば結論も変わります。公式資料の更新日を確認し、個別事情に当てはめて判断します。
よくある質問
Q 卒業証書の原本は必ず預けますか?
A 提出方法は資格ごとの案内によります。返却困難な原本は、申請時に返却希望を申し出る取扱いを確認してください。
Q 英語の雇用契約書は翻訳不要ですか?
A 審査要領には一定の英文定型文書で訳文を求めない取扱いがありますが、公式ページの提出指示や専門用語の有無を確認し、必要に応じて訳文を添付するのが安全です。
Q 以前出した会社資料は今回不要ですか?
A 自動的に不要とは限りません。カテゴリー、発行時期、内容変更の有無、今回の申請区分を確認してください。
まとめ
学位証明書、戸籍、雇用契約書、登記事項証明書、納税証明書など、入管申請では多くの資料を扱います。このテーマでは、単一の経験談や古い資料だけで結論を出さず、現行法令・最新の公式提出資料・個別の事実関係を対応させることが重要です。申請前に、要件、時系列、客観資料、届出状況を横断して確認し、説明が必要な点は理由書等で簡潔かつ正確に補足してください。
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• 第8回「COE申請の管轄はどう決まる?会社所在地・家族の住所・受入機関との関係」
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主な確認資料・情報源
・令和8年4月開示・第9編 入国事前審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2026/04/29/nyuukoku-zairyuu-shinsa-youryou/
・出入国在留管理庁・在留資格から探す
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/
※本記事は2026年8月30日時点で確認できる法令、出入国在留管理庁の公表資料、開示資料等を基に作成しています。制度・提出書類・運用は変更される場合があるため、実際の申請時には最新情報をご確認ください。
【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
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