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高度専門職の転職――会社が変わる場合の変更申請と指定書の取扱い
高度専門職1号で在留している方が転職する場合は、一般の就労資格とは異なり、指定された所属機関や活動内容との関係を確認する必要があります。
高度専門職の方が転職する際は、新しい所属機関でのポイント計算と、指定書を含む在留手続を事前に確認する必要があります。手続を行わないまま新しい会社で勤務を始めると、在留資格上の問題が生じる可能性があります。
在留期間が残っている場合でも、所属機関の届出だけで転職手続が完了するとは限りません。高度専門職は指定された所属機関と活動を前提とするため、転職前に在留資格変更許可申請等の必要性を確認してください。
1. 法律・審査要領の定義:「所属機関の指定」という高度専門職固有の仕組み
通常の就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)であれば、ビザの効力は「あなた個人」に与えられているため、転職をしても職種が変わらなければ、次のビザの期限が来るまでは変更申請をすることなく、そのまま新しい会社で働き始めることができます。
高度専門職は、指定された所属機関で所定の活動を行うことを前提としています。転職により所属機関や活動内容が変わる場合は、指定書の内容を確認し、在留資格変更許可申請等の必要な手続を行います。
2. 実務上のポイント:転職先で働き始める前に重要となる「在留資格変更許可申請」
高度専門職の方が転職する場合は、新しい会社で勤務を開始する前に、在留資格変更許可申請等の必要な手続と勤務開始可能日を申請先へ確認することが重要です。
高度専門職は指定された所属機関と活動を前提とするため、転職時には在留資格変更等の手続が必要となる場合があります。必要な許可を受ける前に新しい会社で就労すると、資格外活動の問題が生じ、在留資格や高度人材としての在留実績の評価に影響する可能性があります。転職日と申請時期を事前に確認してください。
転職先の条件でポイントを再計算し、活動内容と所属機関を示す資料を提出して、在留資格変更の審査を受けます。新しい指定書の交付時期と勤務開始可能日は、申請先へ確認してください。
3. 転職後のポイントが70点・80点を下回る場合の確認
高度専門職の転職時には、新しい会社の条件でポイントを再計算すると、想定より点数が下がる場合があります。変更申請前に、年収、職歴、勤務先に関する加点などを資料に基づいて確認してください。
転職によってポイントが下がる主な要因は、年収、職歴の証明、勤務先に関する加点などです。転職前後の条件を比較し、基準点を満たすか確認してください。
• 勤務先に関する加点は、転職によって対象外となる場合があります。前職で得ていたイノベーション促進支援措置等の加点が転職先でも認められるとは限らないため、転職前後でポイントを再計算してください。
• 職歴加点(5点〜15点)の証明書の不備: 過去の職歴の点数を維持するために、前の会社から「在職期間と職務内容(エンジニア等であったこと)が明記された正式な在職証明書」の原本を退職時に喧嘩別れなどの理由でもらい損ねてしまい、入管へ証拠(資料)として提出できずに点数を削られる場合。
• 年収ポイントの確認:転職先の見込年収に、通勤手当や支給が確定していないインセンティブ賞与などが含まれている場合、算定対象から除外されることがあります。その結果、ポイントが基準を下回ると、高度専門職としての変更が認められない可能性があります。また、本人の在留資格が変わる場合は、優遇措置に基づいて在留する家族にも影響する可能性があるため、家族の手続も併せて確認してください。
よくある質問と実務回答
転職によってポイントが85点から75点に下がった場合でも、新しい所属機関で70点以上を満たし、その他の要件を満たしていれば、高度専門職1号の変更申請を検討できます。ただし、計算項目と証明資料を改めて確認し、転職後の活動内容が高度専門職の要件に合っていることを説明する必要があります。
高度専門職の方が他社の役員や業務を兼ねて報酬を受ける場合は、その活動が現在の指定された活動に含まれるか、資格外活動許可や在留資格変更が必要かを事前に確認する必要があります。副業の内容、主たる活動との関連性、報酬、契約形態によって取扱いが異なるため、勤務開始前に申請先へ相談してください。
転職活動を進めたところ、新しい会社での勤務開始日(入社日)が「4月1日」に決定しました。現在の前の会社を退職するのが「3月15日」の予定です。この間の「約2週間(無職の空白期間)」が発生しますが、この無職の期間があることで、高度専門職のビザが取り消されたり、永住権のカウントがリセットされたりしますか? いいえ、退職から次の入社までの間の「2週間程度」の社会通念上合理的な転職の空白期間(無職期間)があるからといって、それだけの理由でビザの取り消し(入管法第22条の4の6ヶ月ルール)が発動したり、永住権の継続性のカウントが途切れてリセットされることは実務上ありません。入管の審査要領でも、次の転職先が内定しており、速やかに変更申請の手続きが進められているのであれば、数週間のインターバルは「正当な理由のある空白」として許容されます。ただし、前の会社を辞めた日から「14日以内」に入管のインターネット受付窓口等を通じて、「所属機関に関する届出(退職の届出)」をオンラインで送信する義務(入管法第19条の16)だけは、期限内に適切に完了させておいてください。
行政書士鈴木茂事務所からのメッセージ
高度専門職の転職では、新しい所属機関での活動内容とポイントを事前に確認し、必要な在留手続を勤務開始前に整理することが重要です。
高度専門職の転職では、新旧の勤務条件によるポイントを事前に試算し、勤務開始日と在留資格変更手続の時期を整理することが重要です。当事務所では、雇用条件や会社資料を確認し、申請書類の作成を支援します。
o 出入国在留管理庁:高度専門職の在留資格をお持ちの方の転職・所属機関変更に伴う手続き案内 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukan_koudo1a.html
o 出入国在留管理庁:中長期在留者による所属機関に関する届出(離脱・移籍)のオンライン受付窓口 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukan_nyukan10.html
o 入国審査要領(高度専門職第1号における「指定書」の法的な効力及び転職時のポイント再計算基準マニュアル)
【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
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