家族滞在の子供が大学・専門学校へ進学するとき――学費の支弁能力と資格外活動の管理

親の就労等に伴って家族滞在で来日し、日本の小学校・中学校・高校で学んできた外国籍の子どもが、高校卒業後に大学や専門学校へ進学するケースがあります。進学後も家族滞在を継続する場合は、扶養状況、学費、生活費、資格外活動等を確認します。

大学や専門学校への進学後は、学費や生活費が増えるため、扶養者の収入、預貯金、奨学金、本人の資格外活動などについて、これまでより詳しい説明を求められることがあります。年収やアルバイト時間だけで一律に判断されるわけではなく、世帯全体の状況が確認されます。

家族滞在のまま進学する場合に確認したい、学費の支弁方法、資格外活動の範囲、次回更新に向けた資料の整え方を解説します。

 

1. 進学後の学費と生活費をどのように説明するか

大学生や専門学校生になると、授業料、教材費、通学費などが増えることがあります。更新申請では、扶養者の収入と世帯の支出を踏まえ、進学後も生活を維持できる見通しを資料で説明します。

大学や専門学校へ進学すると、授業料や生活費が増えるため、家族全体の生計状況をより詳しく説明する必要が生じることがあります。公表された一律の最低年収基準はありません。学費、家賃、世帯人数、奨学金、預貯金、本人の適法なアルバイト収入などを踏まえ、無理のない収支計画を示してください。

 

2. 収入実績が十分でない場合の学費支弁計画と補足資料

扶養者の収入だけでは学費と生活費の説明が難しい場合は、預貯金、奨学金、親族からの支援、本人の適法なアルバイト収入などを整理し、無理のない支弁計画を示します。

子が大学等へ進学する場合は、学費と生活費をどのように負担するかについて、世帯の収入、預貯金、奨学金、親族の支援などを資料で説明します。「年収400万円」という一律の公表基準があるわけではなく、世帯人数、住居費、学費等を含めて総合的に判断されます。

具体的には、以下の「主な資料」を分かりやすく製本して入管へ提出します。

入学金・授業料の支払資料:支払済みであれば領収書を提出します。未払いの場合は、支払期限と資金の準備状況を、学校の案内や口座残高等で説明します。

親族からの支援:親族が学費や生活費を負担する場合は、支援者との関係、支援額・期間、支援者の収入・預貯金、送金方法を具体的に示します。

給付型奨学金の決定通知書:返済不要の奨学金が決まっている場合は、支給額と期間が分かる通知書を提出し、家計の補足資料とします。

 

3. 大学生になった子の資格外活動:週28時間の管理

大学生・専門学校生になっても、家族滞在の資格外活動許可による就労時間の上限は変わりません。複数の勤務先がある場合は合計時間を管理し、学業に支障がないよう注意してください。

家族滞在の資格外活動許可には、原則として週28時間以内という制限があります。留学の場合に認められる長期休業中の特例が、そのまま家族滞在にも適用されるわけではありません。夏休みなどであっても、許可された範囲を超えて働くと、更新や将来の在留資格変更で事情の説明を求められる可能性があります。勤務時間を事前に確認し、超過が疑われる場合は早めに記録を整理してください。

法律の慎重な区別として、長期休暇中に1日8時間までの就労緩和が認められるのは、自分の在留資格が「留学(りゅうがく)」の箱に入っている学生のみです。あなたの在留資格が「家族滞在」のままである以上、夏休みであろうが、正月休みであろうが、365日すべての週において制限は「週28時間以内」のまま変わりません。これを勘違いして、大学1年生の夏休みに居酒屋で週40時間のシフトを入れてしまい、2年生のビザ更新の際に住民税の課税証明書の所得額から労働時間の超過が収入額や勤務記録等から確認され、素行不良・法令違反として不許可につながる可能性になり、在留期間更新等で不利益につながることがあります。親が子供のタイムカード(給与明細)を毎月ダブルチェックして管理することが、重要な実務となります。

 

よくある質問と実務回答

家族滞在のまま大学や専門学校へ進学できる場合がありますが、扶養を受ける活動が継続していることが前提です。進学しただけで直ちに「留学」への変更が必要になるとは限りません。一方、扶養関係、親の在留資格、本人の生活費や活動内容が変わる場合は、留学への変更が適切なこともあります。進学先と入管の案内を確認し、個別事情に応じて判断してください。

学生時代に週28時間を超えて働いた履歴がある場合、その程度、期間、故意性、納税状況、その後の改善などが確認されることがあります。超過が判明しただけで、大学卒業後の就労資格への変更が自動的に不許可となるわけではありませんが、事実を隠さず、勤務表や給与明細を確認し、経緯と再発防止を説明することが重要です。内定先の業務が就労資格の要件を満たしているかについても、別途審査されます。

扶養者が転職した直後で、直近の課税証明書に記載された所得が低い場合は、過去の証明書だけでなく、新しい勤務先の雇用契約書、在職証明書、直近の給与明細、預貯金などを提出し、現在と今後の生計見込みを説明します。課税証明書の金額だけで一律に許否が決まるわけではありませんが、収入が大きく変化した理由を分かりやすく示すことが大切です。

 

行政書士鈴木茂事務所からのひと言

日本で育った外国籍の子どもが大学や専門学校へ進学する場合は、現在の家族滞在を継続できるか、留学その他の在留資格へ変更する必要があるかを、扶養状況と活動内容に応じて確認します。アルバイトの時間管理、学費、家族の生計も含め、早めに進学後の在留手続を準備してください。

家族滞在の子の進学・更新では、扶養者の収入、学費の負担、本人の資格外活動、進学後の生活計画などを客観的資料で説明することが重要です。当事務所では、家族の生計資料と学校関係資料を確認し、理由書や補足説明書の作成を支援します。

 

公的リファレンス(ホームページ掲載用公的リファレンス):

o 出入国在留管理庁:在留期間更新許可申請(家族滞在)の公式手続き及び必要書類一覧 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-3.html

o 出入国在留管理庁:家族滞在ビザの中長期在留者における「資格外活動許可(週28時間以内)」の慎重な遵守に関するリーフレット案内 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-8.html

o 文部科学省:外国人留学生及び中長期在留外国人の子供に対する高等教育機関(大学・専門学校)への進学要件に関するガイドライン https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/index.htm

 

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

090-2659-5170

<受付時間>
平日9:00~20:00/土曜・日曜・祝日9:00~20:00

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

毎日更新中
ブログ・解説記事等
2026/09/03
「特集記事」を更新しました
2026/08/17
「報酬額一覧」を全面改訂いたしました
2026/08/28
「書籍」を出版いたしまいした。

行政書士鈴木茂事務所

住所

〒156-0041
東京都世田谷区大原1-22-16

アクセス

下北沢駅東口から徒歩10分
笹塚駅改札口から徒歩10分

受付時間

平日9:00~20:00
土曜・日曜・祝日9:00~20:00

定休日

なし