第11回

在留資格認定証明書(COE)が不交付になる理由とは?再申請前に確認したい審査のポイント

 

COEの不交付通知を受けると、「書類が足りなかっただけなのか」「もう一度出せばよいのか」と考えがちです。しかし、再申請で最も重要なのは、不交付という結果そのものではなく、どの要件・どの事実認定で問題が生じたのかを正確に特定することです。

 

COE審査で確認される4つの軸

2026年4月開示の第9編では、COE審査について、申請内容の信ぴょう性、在留資格該当性、上陸許可基準への適合性、上陸拒否事由などを確認する構造が示されています。したがって、不交付の原因も一つとは限りません。仕事内容が在留資格に当たらない、学歴・職歴が基準に届かない、扶養能力が十分に立証されない、婚姻関係の説明に整合性がないなど、在留資格ごとに論点が変わります。

 

不交付通知だけで原因を推測しない

不交付後は、まず通知内容を確認し、必要に応じて管轄官署で理由を確認します。申請人側で「たぶん会社の規模が小さいから」「年収が低いから」と決めつけると、実際の問題点とずれた再申請になりかねません。再申請では、前回資料と新資料の整合性も見られるため、説明を安易に変えることも避けるべきです。

 

再申請は「不足資料の追加」だけとは限らない

不交付理由が立証不足であれば資料を補うことが中心になりますが、在留資格該当性そのものに問題がある場合は、仕事内容や契約内容など申請設計自体の見直しが必要です。また、事実関係が前回申請から変わった場合は、何がいつ変わったのかを明確にします。単に書類を増やすより、要件と証拠の対応関係を再構築することが重要です。

 

不交付理由の説明は「再申請の設計図」

不交付後に重要なのは、①何が認定されなかったか、②何を追加すれば補えるか、③事実上補えない要件か、④別の在留資格が適切か、を順番に検討することです。再申請は前回申請と切り離された手続ではありません。前回の経緯を踏まえ、矛盾のない説明を作る必要があります。

 

実務での確認順序

このテーマでは、結論を急ぐより確認順序を決める方が安全です。まず「COE審査で確認される4つの軸」を確認し、次に「不交付通知だけで原因を推測しない」を整理します。そのうえで「再申請は「不足資料の追加」だけとは限らない」と「不交付理由の説明は「再申請の設計図」」を客観資料に照らし、申請書・説明書・添付資料の内容が同じ事実関係を示しているかを点検します。入管申請では、資料を増やすこと自体より、法的要件と資料の対応関係が明確であることが重要です。

 

説明資料を組み立てるときの考え方

説明書を作成するときは、事実、評価、将来見込みを一文の中で混ぜないようにします。事実は証明書・契約書・記録等で裏付け、評価が必要な部分は「なぜその資料からその結論になるのか」を文章でつなぎます。資料が取得できない場合は、取得できない理由と代替資料を示します。提出後の追加資料にも同じ説明軸で答えられるよう、申請前に全資料の年月日・氏名・会社名・住所・金額を横断確認しておくと安全です。

 

現在の運用と審査要領をどう使い分けるか

COEでは、受入機関や親族が多くの資料を準備しても、最終的には申請人本人について「予定する活動が在留資格に該当するか」「基準を満たすか」「説明に信ぴょう性があるか」が確認されます。査証発給・上陸審査とは別段階であることも忘れず、COE交付後に事情が変わった場合は、そのまま利用してよいかを確認します。外国語資料は訳文、過去資料は発行時期・現在性まで点検します。

 

このテーマで避けたい思い込み

このテーマで避けたいのは、「在留資格認定証明書(COE)が不交付になる理由とは」について一つの数字・一つの資料だけで結果を断定することです。在留審査は、法令上の要件と個別事情を複数資料から確認する手続です。インターネット上の経験談は参考にはなっても、申請時期、在留資格、家族構成、会社カテゴリー等が違えば結論も変わります。公式資料の更新日を確認し、個別事情に当てはめて判断します。

 

よくある質問

Q 不交付になったらすぐ再申請できますか?

A 法令上、一律の待機期間が設けられているわけではありません。ただし、不交付理由を解消しないまま同じ内容で再申請しても結果が変わらない可能性があります。

Q 不交付は次回申請で不利になりますか?

A 過去の申請記録は審査上参照され得ます。重要なのは、不交付原因を正確に説明し、必要な改善・立証を行うことです。

 

まとめ

COEの不交付通知を受けると、「書類が足りなかっただけなのか」「もう一度出せばよいのか」と考えがちです。このテーマでは、単一の経験談や古い資料だけで結論を出さず、現行法令・最新の公式提出資料・個別の事実関係を対応させることが重要です。申請前に、要件、時系列、客観資料、届出状況を横断して確認し、説明が必要な点は理由書等で簡潔かつ正確に補足してください。

 

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第10回「COEの追加資料はなぜ求められる?資料追完と立証責任を実務家が解説」

第12回「入管の「在留審査」とは?更新・変更・永住で確認される基本事項」

 

主な確認資料・情報源

・添付PDF「入国・在留審査要領 第3分冊」

第9編 入国事前審査

・2026年4月開示「入国・在留審査要領」

https://yamanaka-bengoshi.jp/2026/04/29/nyuukoku-zairyuu-shinsa-youryou/

・出入国管理及び難民認定法

https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319

・出入国在留管理庁 各種在留資格・申請手続

https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/

※本記事は2026年9月1日時点で確認できる法令、出入国在留管理庁の公表資料、開示資料等を基に作成しています。制度・提出書類・運用は変更される場合があるため、実際の申請時には最新情報をご確認ください。

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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