〒156-0041 東京都世田谷区大原1-22-16
受付時間 | 平日9:00~20:00 土曜・日曜・祝日9:00~20:00 |
|---|
アクセス | 下北沢駅東口から徒歩10分 笹塚駅改札口から徒歩10分 |
|---|
家族滞在の子供が高校を卒業するとき――就労資格への変更要件と28時間制限
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)や永住者の資格を持って日本国内で真面目に働く外国人の親に扶養され、在留資格「家族滞在」のビザを交付されて日本の小学校・中学校・高校で健やかに育ってきた子供たち(いわゆる海外ルーツの子供たち)。彼らの多くは、日本語を母語のように流暢に話し、地元の友人に囲まれ、心は日本の若者として成長しています。
家族滞在の子どもが高校卒業後に就職する場合は、就職先の業務に合った在留資格へ変更する必要があります。学歴、職務内容、雇用条件などによって選択肢が異なるため、内定後できるだけ早く必要書類を確認します。
高校卒業後にフルタイム就労を希望する場合は、家族滞在のままではなく、学歴・職務に応じた就労資格や、一定の要件を満たす場合の定住者等への変更を検討します。
1. 法律の基本的な取扱い:高校卒業後の家族滞在に課される「経済的自立の仕組み」
入管法における在留資格「家族滞在」の根本的な定義は、「親(扶養者)の経済的な仕送り(扶養)を受けて、家庭内で日常的な生活を送ること」を前提としたビザです。
高校を卒業した子供が、大学や専門学校へ進学せず、そのまま日本国内の企業で正社員としてフルタイム(週40時間)で働き、自分名義の給与で自立して生活を始める場合、その活動は「親の扶養を受ける」という家族滞在ビザの法的な目的から逸脱することになります。
もし、ビザの変更手続きを一切行わないまま、会社で日本人と同じようにフルタイムで毎日働き、毎月〇〇万円の給与を受け取っていた場合、それは入管法第73条の2に定める「不法就労罪(刑事罰・退去強制の対象)」となり、本人だけでなく、その外国人を雇用した企業の社長様までもが「不法就労助長罪」の容疑で警察に逮捕されるという、大きな大不利益を被ることになります。
2. 卒業後に検討される主な在留資格変更のルート
家族滞在の子供が高校卒業後に日本国内でフルタイムで働くための正規の在留資格変更手続きは、本人の「学歴」や「日本での滞在の歴史」の長さによって、主に以下の3つの進路(ルート)へと実務上仕分けされます。
【ルートA】大学や専門学校(専門士)へ進学した後の「技人国」への変更
大学・専門学校へ進学し、卒業後に学んだ内容と関連する専門業務へ就職する場合は、「技術・人文知識・国際業務」等への変更を検討します。職務内容と学歴の関連性が審査されます。
【ルートB】日本での教育歴等を踏まえた「定住者」への変更の検討
日本の学校で一定期間教育を受け、高校卒業後に就職を希望する方については、在留歴、教育歴、家族状況、就職先等を踏まえ、定住者への変更を検討できる場合があります。対象要件や必要資料は個別事情と最新の案内により異なり、学費を準備できないことだけで認められる制度ではありません。
以下の3つの条件を同時に満たしている子供であれば、大学を出ていなくても、就労制限のない「定住者」の在留資格への変更が国内で認められる場合があります。
1. 日本の小・中・高校の教育実績: 日本の「中学校」を卒業し、かつ日本の「高等学校」を卒業(または卒業見込み)していること。あるいは、日本の「小学校」に入学し、そのまま義務教育を経て高校を卒業していること(学校の卒業証明書の実績)。
2. 同居と扶養の歴史: 家族滞在のビザを取得して日本へ入国した後、親の居住地において現に同居し、真面目に親の扶養を受けて暮らしてきたという家族の実態。
3. 内定・雇用契約:対象となる変更制度で就労予定が必要な場合は、雇用契約書、職務内容、勤務時間、給与等を提出します。定住者へ変更できるかは、教育歴、在留歴、家族状況等の要件によって異なります。
【ルートC】「特定技能1号」への変更ルート
もし、日本に来たのが「高校生になってから(高1の時に来日した等)」であり、ルートBの「日本の小・中学校の卒業実績」という慎重な条件を満たせない場合。この場合は、高卒のままでは定住者への変更はできません。しかし、本人が日本語能力試験(JLPT)の「N4以上」に合格し、かつ、外食や宿泊、介護、製造などの各産業分野が実施する「特定技能1号評価試験」の学科・実技試験に自力で合格すれば、大学を出ていなくても、現場労働を正面から認めている在留資格「特定技能1号(就労ビザ)」へと国内で直接変更申請を出す道が拓かれます。
3. 実務の注意点:過去の「留学生・家族滞在時代の週28時間超過」の丁寧な確認
高校生の子供が、ルートB(定住者)やルートA(技人国)へのビザ変更申請を入管へ提出した際、審査では特に慎重にチェックする過去の傷(注意点)があります。それが、高校時代にマクドナルドやコンビニなどでアルバイトをしていた際の、「過去のすべての月における、週28時間の労働時間制限の十分な遵守の有無」です。
高校生の子が資格外活動許可の週28時間を超えて働いた可能性がある場合は、給与明細、勤務表、課税証明書などから、時期と程度を確認してください。超過の事実は在留資格変更の審査で考慮されることがありますが、直ちに不許可となるとは限りません。経緯、現在の就学状況、再発防止、卒業後の進路を正確に説明し、必要に応じて専門家へ相談することが望まれます。
よくある質問と実務回答
家族滞在のビザを持つ18歳の息子が、今年の3月に日本の定時制(または通信制)の高校を卒業します。全日制の高校ではない「定時制・通信制高校」の卒業生であっても、前述のルートBである「定住者」への就労ビザの変更特例は認められる場合がありますか? はい、対象となる可能性があります。本人が卒業する学校が、日本の学校教育法第1条に定める正式な「高等学校(定時制課程・通信制課程)」であり、国から高校卒業の資格(卒業証書)が適法に授与されるのであれば、全日制の高校と原則として同様に「定住者」への変更特例を申請する権利が法的に認められています。安心して学校の卒業証明書と内定先の雇用契約書を集めて手続きを進めてください。ただし、いわゆる「サポート校(塾のような無認可の施設)」や、高校卒業資格が得られない各種学校の場合は対象外となりますので、学校の法的な種別を事前に確認してください。
在留資格変更の許可前は、現在の「家族滞在」の活動範囲と資格外活動許可の条件が続きます。許可された時間を超えてフルタイムで働くと、資格外活動違反となり、変更審査や今後の在留に影響する可能性があります。会社にも現在の在留資格と就労制限を説明し、新しい在留資格が許可されるまでは条件を守ってください。
娘が家族滞在で在留しており、高校在学中に資格外活動許可の週28時間を超えて働いた可能性があります。まず、給与明細、勤務表、課税証明書などから、超過の時期と程度を正確に確認してください。超過があった場合でも、直ちに将来の在留資格変更が不可能になるとは限りませんが、事実を隠さず、経緯、再発防止、現在の就学・就職計画を説明する必要があります。進学して適正な在留実績を積む方法や、内定先の業務内容に応じた在留資格を検討する方法など、対応は個別事情によって異なります。自己判断で申請時期を決めず、早めに専門家へ相談してください。
行政書士鈴木茂事務所からのメッセージ
家族滞在から就労資格へ移行する際は、本人の学歴・職歴、就職先の業務、雇用条件、これまでの資格外活動状況などが確認されます。学校と企業の担当者にも在留資格の条件を共有し、卒業後の就労開始日までに適切な手続を進めることが大切です。
家族滞在から就労可能な在留資格への変更を検討する場合は、日本での教育歴、在学状況、資格外活動の履歴、内定先での職務内容などを資料に基づいて整理します。当事務所では、学校関係資料と雇用関係資料の整合性を確認し、理由書や補足説明書の作成を支援します。許可の可否は個別審査によります。
o 出入国在留管理庁:家族滞在の在留資格を持つ高等学校卒業者の在留資格変更(定住者・告示外定住)に関する公式審査基準要領 https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukan_nyukan10.html
o 出入国在留管理庁:在留資格「特定技能」へ変更するための各産業分野の試験スケジュール・ガイド https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukan_shinsei_index.html
o 文部科学省:日本の高等学校(全日制・定時制・通信制)の課程の修了認定に関する学校教育法基本通達
【この記事の執筆・監修者】
申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。
お電話でのお問合せ・相談予約
<受付時間>
平日9:00~20:00/土曜・日曜・祝日9:00~20:00
フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。
〒156-0041
東京都世田谷区大原1-22-16
下北沢駅東口から徒歩10分
笹塚駅改札口から徒歩10分
平日9:00~20:00
土曜・日曜・祝日9:00~20:00
なし