第7回
COE申請は誰ができる?本人・代理人・申請取次行政書士の違い
 
 
COEは本人が日本に来て申請する制度ではない
COEは入国前の審査ですから、通常、申請本人は海外にいます。そのため、施行規則で定められた代理人が日本国内で申請します。就労資格では受入機関の職員、家族関係では日本にいる親族など、在留目的に応じて代理人の範囲が定められています。誰でも「委任状があれば代理人になれる」という制度ではありません。
代理人と申請取次者の違い
代理人は法令上、本人に代わって申請を行う資格を有する立場です。一方、申請取次者は、申請人・代理人等が作成した申請を本人等に代わって窓口へ提出する制度です。弁護士・行政書士については、所属団体を通じて申請取次の届出を行った者が制度を利用できます。実務では行政書士が書類作成と申請取次を一体として受任することが多いですが、法的概念は分けて理解します。
 
受入機関側で注意すること
会社の人事担当者が代理人又は取次者として対応する場合には、申請人との関係、所属機関の所在地、担当職員の権限等を確認する必要があります。2026年開示の第9編には、在留資格別に代理人と受付庁の考え方が記載されています。複数拠点を持つ会社では、どの事業所が契約主体で、どこで外国人が活動するのかを整理してください。
 
行政書士へ依頼するメリットと限界
行政書士に依頼する場合、申請書・理由書等の作成、必要資料の整理、申請取次、追加資料対応などを一貫して行えることがあります。ただし、事実関係そのものを作ることはできません。会社や本人が持つ契約、学歴、職歴、事業内容、家族関係等を正確に提供し、それを法的要件に沿って組み立てることが必要です。
 
誰が申請しても審査基準は同じ
行政書士が取次したから審査基準が緩くなるわけではありません。許可・不許可は申請内容が法令上の要件を満たすか、資料により立証できるかによって判断されます。専門家へ依頼する意味は、審査基準を変えることではなく、事実と法的要件の対応を正確に整理し、手続ミスや説明不足を減らすことにあります。
 
実務での確認順序
このテーマでは、結論を急ぐより確認順序を決める方が安全です。まず「COEは本人が日本に来て申請する制度ではない」を確認し、次に「代理人と申請取次者の違い」を整理します。そのうえで「受入機関側で注意すること」と「行政書士へ依頼するメリットと限界」を客観資料に照らし、申請書・説明書・添付資料の内容が同じ事実関係を示しているかを点検します。入管申請では、資料を増やすこと自体より、法的要件と資料の対応関係が明確であることが重要です。
 
説明資料を組み立てるときの考え方
説明書を作成するときは、事実、評価、将来見込みを一文の中で混ぜないようにします。事実は証明書・契約書・記録等で裏付け、評価が必要な部分は「なぜその資料からその結論になるのか」を文章でつなぎます。資料が取得できない場合は、取得できない理由と代替資料を示します。提出後の追加資料にも同じ説明軸で答えられるよう、申請前に全資料の年月日・氏名・会社名・住所・金額を横断確認しておくと安全です。
 
現在の運用と審査要領をどう使い分けるか
COEでは、受入機関や親族が多くの資料を準備しても、最終的には申請人本人について「予定する活動が在留資格に該当するか」「基準を満たすか」「説明に信ぴょう性があるか」が確認されます。査証発給・上陸審査とは別段階であることも忘れず、COE交付後に事情が変わった場合は、そのまま利用してよいかを確認します。外国語資料は訳文、過去資料は発行時期・現在性まで点検します。
 
このテーマで避けたい思い込み
このテーマで避けたいのは、「COE申請は誰ができる」について一つの数字・一つの資料だけで結果を断定することです。在留審査は、法令上の要件と個別事情を複数資料から確認する手続です。インターネット上の経験談は参考にはなっても、申請時期、在留資格、家族構成、会社カテゴリー等が違えば結論も変わります。公式資料の更新日を確認し、個別事情に当てはめて判断します。
 
よくある質問
Q 日本の友人にCOEを代理申請してもらえますか?
A 在留資格ごとに施行規則上の代理人の範囲が決められているため、単なる友人が委任状だけで代理人になれるとは限りません。
Q 行政書士は代理人ですか?
A 申請取次行政書士は通常「申請取次者」として提出を行います。具体的な申請主体・代理人との関係は案件により整理します。
Q 会社の担当者が申請できますか?
A 就労系COEでは受入機関職員が代理人になり得る場合があります。該当する在留資格と関係性を確認してください。
 
まとめ
COEは申請人本人が海外にいることが多いため、「日本にいる誰が申請できるのか」が重要になります。このテーマでは、単一の経験談や古い資料だけで結論を出さず、現行法令・最新の公式提出資料・個別の事実関係を対応させることが重要です。申請前に、要件、時系列、客観資料、届出状況を横断して確認し、説明が必要な点は理由書等で簡潔かつ正確に補足してください。
 
関連記事
第6回「在留資格認定証明書(COE)とは?入国前審査の仕組みを入管審査要領から解説」
第8回「COE申請の管轄はどう決まる?会社所在地・家族の住所・受入機関との関係」
 
主な確認資料・情報源
・令和8年4月開示・第2編/第9編
https://yamanaka-bengoshi.jp/2026/04/29/nyuukoku-zairyuu-shinsa-youryou/
・出入国在留管理庁・COE申請書
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-1-1.html
※本記事は2026年8月20日時点で確認できる法令、出入国在留管理庁の公表資料、開示資料等を基に作成しています。制度・提出書類・運用は変更される場合があるため、実際の申請時には最新情報をご確認ください。
 

【この記事の執筆・監修者】

申請取次行政書士 鈴木 茂(すずき しげる) 東京都世田谷区大原(京王線・井の頭線沿線エリア)を拠点とする、在留資格・ビザ申請専門の行政書士。 永住許可、国際結婚、高度専門職などの複雑な申請において、入管の審査ポイント(事実の証明と資料の整合性)を的確に押さえたサポートを得意とする。忙しい外国人ビジネスパーソンやカップルに向けた、フットワークの軽い伴走型の支援が強み。

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